『Twitter開始2周年記念　ついのべ自選20作』

黄金の米菓子 @OK_1111

#twnovel 父親に似ていた。それが逮捕された少年が自分の娘を殺害した動機だった。そんな理由で自分の幼い娘を殺したのか。問われた少年は娘を愛していたからと答える。刑事は問う。切断した首はどこだ。少年は答える。ここに。少年は急に俯き、そっと机に置いた。眼窩に収めていた娘の顔を。

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#twnovel 数年前から何となく不安で苛々する。普通に生活する事もままならない。意を決して私は専門家に相談した。事情を説明する。担当の男が「見せてください」と言う。抵抗はあるけれど仕方ない。「安心してください。生活習慣を改善すれば治ります」男はそう言って私の預金通帳を閉じた。

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#twnovel 降る降る騒ぐ天気予報。翌朝本当に雪が積もる。ぐずぐずしてる暇はなく。ぶつぶつ言いつつ街歩く。つるつる滑ってすぐ転ぶ。ゆるゆると立ち上がる。ふうふう息して家に着く。体ぶるぶる。鼻ずるずる。頭ぐるぐる。私ググる。ふむふむひとまずルルを飲む。布団でぬくぬくあったまる。

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「おもしろい #twnovel を書きたいのですがどうすればいいかわかりません」「どうすればいいのです」「どうすればいいんですか？」「そうです」「こうですか？」「そうではありません。どうです」「どうですか？」「こうです」「こうですか？」「どうです」「もうどうすることもできません」

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#twnovel 「この蓋あかん」「あかんなー」「あかん蓋はあかん」「あかんからって諦めたらあかん」「そりゃ諦めたらあかんわ」「あかんなー」「けどあかんもんはあかんしなー」「せやなー」「あかんなー」「あかんあかん言うてたらあかん」「あかんなー」「あかん」「あかんわ」「埒があかん」

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#twnovel 夏休みのある日私はアリの行列を見つけた。それを辿ってみようと思い照りつける太陽の下歩いた。住宅街を抜け公園を過ぎ国道に出る。行列はまだ続く。いつしか知らない街に辿り着き雨が降り出した。それでも歩いた。山の中で雪が降り出した。やがて力尽きて倒れた私にアリが集った。

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#twnovel タイムマシンの発明。不老不死薬の発明。どちらも不可能と言われていた。しかし私は長い年月をかけその二つの発明に成功した。全ては私の容姿にケチをつけた上「俺に反論するなど千年早い」と言ったあの男との関係にケリをつけるため。千年前に戻り言うんだ。私は貧乳じゃない、と。

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#twnovel 森を歩いていたら転んで泉に命を落としてしまった。これでは死んでも死にきれない。天に召されようとした時泉から女神が現れた。「あなたの命は落とし物として警察に届けるべきですか？それとも私が持っていていいですか？」「返してください」「感謝の言葉もないなんて。死んでよ」

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#twnovel 「ただいま」「おかえりなさいあなた」「のどが渇いた。茶でもいれてくれ」「私を滅茶苦茶にしたい？」「誰が茶々を入れろと言った」「お茶なんて無いもの」「無茶言うな」「無いものは無いもの」「お茶を濁すな」「無いものは濁せないわ」「茶化すな」「無茶苦茶でしょ」「茶番だ」

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#twnovel 「素晴らしい」が口癖のあなたが僕に与えたもの。そして奪ったもの。どちらも数え切れず計り知れない。束縛がなければ自由がないように、混沌と共に平和があり、刹那の中にだけ永遠が宿るのだと。だからこそあらゆる生命は儚く美しいのだと。そう教えてくれた。あなたは素晴らしい。

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#twnovel 人は皆一長一短。一知半解で一挙一動に一喜一憂。時は刻一刻と過ぎ一分一秒も無駄には出来ない。一瞬が一生を左右する。一日一日を大切に。一歩一歩丁寧に。一進一退かもしれない。それでも一つ一つ積み上げる。人との出会い。物との出会い。一人一人。一語一句。一切合切一期一会。

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#twnovel そのジャイアントパンダはジャイアンとパンダだった。そのパンダはジャイアントパンダで僕が見ていたのはジャイアンとジャイアントパンダだった。よく見るとそのジャイアントパンダもジャイアンとパンダだった。そのパンダはジャイアントパンダで僕が見ていたのはジャイアンと……。

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#twnovel 友人がアブノーマルな兄弟という某作品のパロディを書いた。彼がそこで行ったのは近親相姦とボーイズラブの禁断の異種交配。長男と次男の間に思春期を迎えた三男が割って入る。ただでさえ危険で破綻した関係に父親が介入した時事件が起こる。めくるめく展開に私の心は熱く燃えた。

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#twnovel 若手俳優のドロン･ドロンは甘いマスクと甘いボイスで主婦層から絶大な支持を集めているがどうにも甘えん坊で撮影が近づくと文字通りドロンしてしまい使い物にならないので監禁して拷問してどうにか留まらせるのだが撮影が始まる頃には見るに堪えない姿なので決まって死体役である。

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#twnovel 若手俳優のドロン･ドロンは甘いお菓子で甘い香りのするお菓子の家を建てようと自ら設計し材料を調達したのだが少しばかり考えが甘かったのか夏だというのにチョコばかり買い揃えたため建てたはいいが時間が経つにつれドロドロに溶けてしまい結果としておかしな家になってしまった。

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#twnovel 「ねえママ。ぼく生きる価値あるのかな？」「あるに決まってるでしょ」「嘘だ。本当はぼくに生きる価値なんてないって思ってるくせに。産まれてしまったから殺すリスクを避けてぼくを生かしているんだ。ねえママ。ぼくを愛してるなら、今この瞬間にぼくを殺してよ」「お薬飲もっか」

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#twnovel 昔々あるところにオジーさんとオバマさんがいました。オジーさんは街へオジーさんのファンをロックしに、オバマさんも街へオバマさんの支持者をロックしに行きました。その時二人は既に裕福で幸福でした。めでたしめでたし。

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#twnovel 「助けてノダえもん！」「どうしたのヨシヒコくん」「森の中にある泉に支持率を落としたら変な女の人に『死んでよ』って言われたんだ！」「しょうがないなあヨシヒコくん。僕も一緒に行ってあげるよ」そしてノダえもんとヨシヒコは泉に着いた。「SPを連れてくるなんて。死んでよ」

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#twnovel 若手俳優のドロン･ドロンはその見事なドロンぶりからロンドンドロンオリンピック日本代表に選ばれるが選手村に着いた途端早くもドロンしようとするので関係者が宿舎に監禁し暴行し何とか留まらせたが大会が始まる頃には歩くこともままならない状態だったため散々な結果に終わった。

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#twnovel 若手俳優のドロン･ドロンはその甘いマスクと甘いボイスに似合わずかなりの酒好きなため毎晩のように酒を飲んではべろんべろんに酔っぱらってしまいほとんど死んだように眠るのだがそれでも昼間まどろんでいるせいもありたまたま撮影現場からドロンしなくても決まって死体役である。