orionの「物理の勉強を通して、世の中の成り立ちを見た」
僕は数学の教師で数学が大好きなんだけど、勉強の楽しさとか、物事の考え方とかは数学じゃなくて物理の勉強で身につけたんだよね。
2012-05-23 20:35:13高校の物理で「定義の大切さ」を学んだ。これは以後すべての事柄を考える上での基礎となっている。例えば、「~のときの電圧を求めなさい。」というときにV=RIの公式を使って解けるようなアホな問題は、ほとんど無くて
2012-05-23 20:45:04電圧というのは「1C の電荷が1J の仕事をする電位差を1V 」という「そもそも電圧とは何か」という定義をちゃんと知っていないと解けない問題がほとんど。物理が苦手な人は「電圧って何?」って聞くと「あの、コンセントとかの電流を流すあの感じでしょ」みたいな感じになってる。
2012-05-23 20:46:51電圧が「1C の電荷が1J の仕事をする電位差を1V 」とわかっていれば、電気の分野の中に力学的要素が入ってきてエネルギー保存則が成立するってこともすぐ分かる。
2012-05-23 20:50:24実は数学もそういった部分が非常に面白いのだけれども、数学の場合はそこが抽象的過ぎて高校生の精神年齢を随分と上回ってしまうから、とりあえずそこはボカしておいて計算技法的なことを学ぶから、高校数学の学徒からすると面白くない。面白さがわからない。
2012-05-23 20:52:35点とはなにか。一切の体積、面積、長さをもたない位置だけを示すもの。線とは何か。点が無限に集まった長さを持つもの。どうして長さを持たない点を集めれば、長さが生まれるのか。こんな根本的な問いにすら高校数学は答えない。
2012-05-23 20:58:27というわけで、物の見方や論理的思考力を養うのに数学が大切だと学習指導要領でされていますが、僕としては、物理を必修にしてやったほうが、はるかに論理的思考力を養えると思うのです。なにせ物理は具体的だからわかりやすいので。
2012-05-23 21:02:26あと、物理は必然性が無い。だいたいのものは人が説明しやすいように勝手に決めたもんだ(それが定義)と理解すると物の見方が結構変わる。例えば、電気力線なんてまさに。電気力線なんて見た人誰も居ないでしょ。電気力線なるものを仮定したらうまく説明できますねーってだけで。
2012-05-23 21:05:48数学の場合は確かに人が勝手に作ったものなのだけど、必然性がある。必然性があるということは、それ以外はあり得ないわけで、それを知らなくても別の解にたどり着かない。つまり線が点の無限集合だと知らなくても大して困らない。
2012-05-23 21:10:15電気力線は必然性がないので、電気力線が何かを知らないとそもそも解に辿りつけない。そこに当時の僕は、なんとなく、世の中の成り立ちを見た気がした。
2012-05-23 21:12:08世の中のものは最初から決まってるものなんてなくて、誰かがその見方を決めている。動いている物体は確かにそこにあるのだけれど、それを「ちゃんと」みようとしたら、m/sという決まりを知らなくては行けない。僕たちは実はその「誰かが決めた決まり」を通してでしか世の中を見ることが出来ない。
2012-05-23 21:21:54それはちょっとカントの哲学にもつながってくるかもしれないけれど、それをしっかり「体験」しておくと、モノの捉え方は変わってくると思う。
2012-05-23 21:23:00