2012年5月25日

日本のタブー「発達障害と凶悪犯罪」を語る

酒鬼薔薇事件から15年。あの事件は特別支援教育も民間の家族会すらない時代の発達障害者の様子を記録しているのではないか。
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柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

酒鬼薔薇(神戸連続児童殺傷)事件から15年が経過しました。当時はものすごく騒がれた記憶がありますけれど、当時生まれた子供がすでに中学生になっている。知らない人も多い。この事件を語り継ぎましょう。

2012-05-25 00:09:15
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

1997年に当時中学二年生の少年が起こした事件です。通り魔などいくつかの事件の総称ですが、小学6年生の男の子を殺した事件が一番有名です。殺したあとに首を切断して、中学校の校門の前に置いたことで大騒ぎになった。マスコミに対し「酒鬼薔薇(さかきばら)」を名乗った犯行声明を出した。

2012-05-25 00:11:04
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

で、なんで殺したのか。家庭裁判所が審判の要旨を公表しています。少年事件としては異例ですね。ここでは「性的サディズム」が指摘されている。人を殺すことで性的な興奮を感じるド変態であったということです。

2012-05-25 00:11:54
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

また、加害者の中学二年生がADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を受けていたことが報じられました。発達障害と凶悪犯罪のイメージが結びついた最初の事件であるように思います。豊川のアスペルガー殺人より先に起こっています。

2012-05-25 00:13:48
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

僕は幼少のころに自閉症を疑われたことがあります。診断はありません。そして中学生のころ、この事件の報道を通じて「ADHD」を知りました。記述を読んだ瞬間に「僕はこの障害だ」と思った記憶があります。

2012-05-25 00:16:04
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

僕はここで、加害者とされる男性に発達障害者として適切な対応が行われていたとは言い難いということ、そしてその原因は個人や家庭の問題ではなく当時の社会や教育制度の問題にある、ということを主張します。

2012-05-25 00:17:14
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

「特殊教育」に発達障害者を加えた「特別支援教育」が実施されたのは2006年なんですね。私の調べた限りでは、ADHD児の家族会ができたのは1998年です。つまり、事件当時は民間のNPOすらなかったということです。

2012-05-25 00:19:42
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

さらに、社会にも発達障害が理解されていなかった。ADHDについて一般向けに解説した「のび太・ジャイアン症候群」という書物が上梓されたのは、奇しくも事件と同時期です。世間では、ADHDってなにそれ状態です。繰り返しますが、僕がADHDという呼称を知ったのは事件の報道を通じてです。

2012-05-25 00:21:07
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

では、このことが実際の事件でどのように現れているのかを見ていきましょう。

2012-05-25 00:28:04
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

この少年は、問題を起こすことから学校のすすめで精神科のクリニックを受診していた。そこでADHDと診断されたのですが、そのあと受けたのはカウンセリングのみだった。カウンセリングだけでADHDがよくなったら苦労はしないよと思う当事者は多いと思います。

2012-05-25 00:28:52
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

これ、精神科医は家庭や学校でトレーニングすべきだというお考えだったんですね。しかも精神科医と学校の連携は取れていなかった。報道では少年の母親が学校側に「ADHDだが異常ではない」と伝えたとされています。

2012-05-25 00:29:30
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

家庭や学校(あるいは職場)のなかでいろいろ工夫し、取り組むことでADHDが改善することは言うまでもありません。しかし、家庭や学校にそういう体系的な知識はあったんでしょうか。特別支援教育もなければ家族会もない時代です。

2012-05-25 00:30:32
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

さらに、これに加えて80年代後半から90年代前半にかけての体罰禁止の流れがある。私は体罰禁止以前の時代を知らないのですが、問題児には普通に体罰が行われていた時代があるらしい。

2012-05-25 00:31:54
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

あの当時、学校側が「精神科に見てもらえ」と言ったとき「以前だったら問題児は体罰でビシバシ指導するところだろうが、そういう時代ではなくなったので」というような意識があったんじゃないかと思います。発達障害児に対する知識はなかったが、精神科の問題であるとは分かっていた。

2012-05-25 00:33:45
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

その辺の発達障害者に対する対応というのがもうちょっと社会のなかで議論されておればなあと思うわけです。学校が手を焼いて精神科にまわしたのに、精神科は家庭や学校でトレーニングすべきと考えるというわけのわからんことにはならなかった。

2012-05-25 00:34:47
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

ちなみにあの当時、人を殺して興奮するという性的な衝動が原因だから社会の問題とか教育の問題とか片腹痛いというようなことを言っていた方がいます。名指しすると漫画家の小林よしのり氏です。

2012-05-25 00:37:29
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

しかしさ、人の血を見て興奮するド変態の性癖がある人が全員、必ずしも人を殺すというものではないのですね。そんなこと言ったら、四肢切断とかいうジャンルで同人漫画を描いている連中全員逮捕しなきゃいけなくなる。

2012-05-25 00:38:25
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

むしろそういうド変態で、且つ発達障害である人が、学校から精神科に行けと言われたことで「自分は異常だ」という自己イメージを増強させたのではないかと思う。少年が事件前に書いたとされる「懲役13年」という文章(詩?)には自分の心のなかの「魔物」に侵食されていく様子が描かれています。

2012-05-25 00:43:44
柊 龍士郎 @ryushirohiiragi

発達障害者だからといって凶悪犯罪を起こすわけではない。こんなのは当たり前です。しかしその論法でもって、発達障害者に対する適切な処置が行われていたとは言いがたい時代の社会状況を覆い隠してはならない。

2012-05-25 01:00:20

コメント

BUNTEN @bunten 2012年5月25日
「カウンセリングだけでADHDがよくなったら苦労はしない」▼一部行われるようになってきた薬物療法が、濫用事件をきっかけにむやみに制限されることになったのは記憶に新しい。日本社会の精神主義(精神科主義ではない)の病巣は思いの外大きい。orz
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