「Ｑちゃん、またきたの」の話

Hellbaby @Hellbaby

今日は出かけたついでに待ちに待ち望んでいた、「新オバケＱ太郎」３巻を買ってきた！新オバケのＱ太郎で一番好きな話であり、いわゆる続編もののプロローグとしての面白さも一級品の「Ｑちゃん、またきたの」が収録されているからだっ！＞http://t.co/RZOcAZAR

Hellbaby @Hellbaby

この話、てんとう虫コミックスの１巻の冒頭に収録されている話なんですが、続編ものとしてすこぶる面白いプロットで構成されているんですよ。

Hellbaby @Hellbaby

とりあえずどんな話か説明します。かつてコミックスにも収録されている話なので内容もこみで話しますので。

Hellbaby @Hellbaby

全集のｐ２７６．ここで１ページ見開きの中に右側から４コマスライドさせて「Ｑちゃんが空から帰ってくる」様子を映しています。後で説明しますが、このページが終わり際で物語の演出に関わってきます。

Hellbaby @Hellbaby

話は前作の続きでＱちゃんが５年ぶりに弟、Ｏ次郎を連れて地上に帰ってきます。ところが大原さんの家は留守。ＱちゃんはＯ次郎を連れて大原宅を案内する。これで読者に大原家の間取りを把握させると共に、Ｏ次郎が障子を壊すことで「ママが怒ると怖い事」「正ちゃんとはふざけ合うほどの仲良し」

Hellbaby @Hellbaby

という事を説明した後に、帰ってこないので友だちをＯ次郎に紹介しようと町を散歩します。

Hellbaby @Hellbaby

ここからが凄く、木佐くん、ゴジラ、ハカセ、ヨッちゃん、Ｕ子さんと友だち皆と再会するが、全員いつも通りのそっけない態度を取ります。ここで読者は「この話はこれからどうなるんだ？」と興味がわくのに加えて、「この連載でキャラクターたちがどういう動きをするのか」を把握させられてるのです。

Hellbaby @Hellbaby

この後神成さんをイヤイヤ尋ねたら、ドロンパはおらず、おこりんぼの神成さんはＱちゃんにあったら大いに喜んで心からもてなしてくれます。この仕込みも秀逸で後に判明するドロンパのいたずらを唯一この町で知らない可能性があるのはドロンパを可愛がってる神成さんだけなのです。

Hellbaby @Hellbaby

そして大原さんたちが戻ってきたので、Ｑちゃんは喜んであいさつするが皆そっけない。いかにこの態度が異様か示すためにパパの前でＯ次郎が初めて喋って「バケラッタ」というのですが、このバケラッタという言葉にすら全く反応しないパパ。

Hellbaby @Hellbaby

その後正ちゃんと話しても、「あっち行ってくれよ！」と邪険に扱われ、ＱちゃんとＯ次郎はとうとうオバケの国に帰ることにします。ここまで読むと、最初に大原さん家が留守だった理由も合点がいく。冒頭でこの反応をされたらもうＱちゃんは帰るしかない。

Hellbaby @Hellbaby

その後ドロンパが大喜びで大原さんちに飛び込んで「バカＱが帰ったって！？どこにどこに。」とはしゃぐところから、普段ドロンパがＱちゃんに化けてイタズラしていた事が判明し、正ちゃん達はＱちゃんを探しに行く。

Hellbaby @Hellbaby

そのコマが白眉ともいえる出来でｐ２８８の最下段のコマなんですが、ＱちゃんはＯ次郎と二人で空飛んで帰る所を正ちゃん達が呼ぶコマなのですが、Ｑちゃん達は右側、舞台でいう所の上手へ向かって進んでいる。つまり「Ｑちゃんの話はここで終わらない」ということを無意識に読者にイメージさせてる。

Hellbaby @Hellbaby

更にＱちゃんは終わらないけど、この話を進める為に下手からＱちゃんを呼ぶ声が聞こえる。ｐ２７６の登場方法でオバケの国の方向を４コマスライドで示して、舞台演出として上手の方へ戻るための情報をきちんと示してあるからこのコマがこんなにも面白くなる。

Hellbaby @Hellbaby

その後最後のｐ２８９で全員と和解しつつ、ドロンパとケンカしてるのを見た正ちゃんが「むかしのままだ。なつかしいなぁ」と締めつつ、次回からは昔と変わらないオバＱがやることを示しています。これもすごい。

Hellbaby @Hellbaby

あとｐ２８９の正ちゃんがドロンパにあやまれというとこからラストまでの４コマも凄く、ここに出ている台詞とｐ２８８の「バカＱがかえったって！」という喜びようからドロンパがいたずら好きだが根は物凄いツンデレであることを教えてくれます。

Hellbaby @Hellbaby

あと新オバケのＱ太郎にはてんとう虫コミックス４巻に収録されていた最終話。「九時カエル」も収録されています。この話も藤子・Ｆ・不二雄のシリーズ最終話でも大好きなもので久々に読んだらラストの「ずうっと今夜だといいね。いつまでも、いつまでも」の台詞で目が潤みました。