「天体運動の神話」で読み解くアニメ『アイドルマスター』
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その文ではアニマスを「天体運動の神話」というバイアスで読み解こうとした。つまり天海春香(天=太陽)、星井美希(星)、如月千早(月)の3人はアニメ版のメインキャラとして明確に意識されており、この軸をメタにすれば「天体運動の神話」だよねと。
2012-05-03 12:27:16大まかに言えば星→月→太陽 の順に軸が切り替わる。13話のライブ前後では美希の見せ場、20話前後では千早、22~24では春香。
2012-05-03 12:28:51美希が星を司っているのは本当にわかりやすくて、それは彼女が作中で「キラキラ」という表現を台詞で多用するところに集約されている。
2012-05-03 12:37:25また、「READY!!」の1クール目から「CHANGE!!!!」の2クール目に移行する過渡期に美希の当番が来る点にも着目したい。輝く世界への変化を象徴するかのようにCHANGEのサビでは星のオブジェが多用されるが、13話以降の美希の活躍はまさしくこれを体現したものだった。
2012-05-03 12:37:37時は流れて20~21話では千早の「月の欠落の回復」が主題になる。この予兆としての役割を与えられていたのが貴音回こと19話で、それは貴音というキャラクター自身の「月」性もそうだし、最後に貴音が見上げた月が月齢4~5程度の三日月である点などの細部に反映されている。
2012-05-03 12:47:55で、その欠落の回復に貢献したのが太陽(春香)だった辺りが実に神話的だなと。月が太陽の光を絶えず必要とする理由を物語ったのが第20話だったのです。
2012-05-03 12:49:42後の22~24話前半は、太陽が機能不全に陥るまでのプロセスを2話半使ってじっくり描き、24話後半でその回復が起こった。正直言って回復の過程は短い尺で急いでやらざるを得なかった感が否めないので、若干隠喩が多いとは思うが、だからこそ読みがいがあるゾーンでもある。
2012-05-03 12:53:3524話に対する批判として、「春香が自己解決しただけじゃないか」というのが散見されたが、それは当たり前のこと。なぜなら彼女は「太陽」のモチーフだから。内発的に生じた光が全てを照らす、これが彼女にとってのロールモデルなのである。
2012-05-03 12:56:00だから彼女の機能不全は「空が曇った」レベルの出来事で、太陽の光そのものが陰ったわけではない(光が満ち欠けする月、光が基本的に不変な星との対比に注目)。だから春香は、光が陰る前のかつての自分、幼少期と1stライブ時の「原点」を「思い出す」必要があった。
2012-05-03 13:03:15思い出すだけで立ち直れて、そこには誰の助けも必要ない。なぜなら太陽だから。24話の後半は評価が分かれましたが、詰まるところそういう話だったんですね。
2012-05-03 13:05:14補足。23~24話で春香と美希が対立するかのように描かれているのも、彼女らが「太陽」と「星」であることに由来する。太陽と星は相互補完できないからだ。たとえば月と太陽は互いの光が関係するし、月と星は共に夜を彩る存在であるけど、太陽と星の間にはそうした関係性はない。
2012-05-03 13:17:43春香と千早が相互補完的な関係を持っているのは先に述べた通りで、千早と美希は「relations」、「思い出をありがとう」などの公式デュオ曲があるし、何かと仲が良い。
2012-05-03 13:20:00ただ、春香と美希の場合、(決して仲が悪いわけではないが)いっしょに仕事をすると、どうしてもお互いの対比が浮き彫りになるのは、太陽と星が関係できないという天体の特性に端を発している。この2つは一度にどちらか片方しか輝けないので。
2012-05-03 13:23:13(私見)春香と美希って仲はいいけど、どこか一枚薄皮を挟んだような感じがあって、はるちは、ちはみきみたいに「お前ら結婚しろ」的なウェットさを感じない。これはまだうまく説明できない……
2012-05-03 13:26:38表に出る時間が違うからね。太陽と月は同時に横に立てなくて、絶えず一定の距離を置きながら対称的に運動するのです RT @Tiptree_Jr: 千早春香は結婚しろよ…ってなるけど不可能なんですね…
2012-05-03 13:49:13さて、話を本筋に戻すと、春香・美希・千早の対比が最も明確に提示されるのが、22話後半、小鳥さんの歌を聴いて帰路につくなか千早が発した「アイドルって何かしら」という問い対する回答である。
2012-05-03 13:31:08ピアノバーで心から楽しそうに歌う小鳥を見て、3人はそこに、自分たちが目指している姿とは違う「アイドル像」を見出し、でも小鳥は「こうして時々歌が歌えれば幸せかな」と言う。そこで千早が発したのが「アイドルって何かしら」
2012-05-03 13:32:50美希はいつものように「すっごくキラキラで輝いている人」と、全くブレがない。千早は「私の歌で誰かを幸せにできれば」と言う。彼女の生い立ちに加え、20話の経験が新たな原点になったのだろうと思えば、これもすぐ腑に落ちてくる。しかし春香は答えられない。
2012-05-03 13:36:06春香がなぜ答えられなかったのか、それは彼女が何も考えていなかったからではなく、むしろあまりに「アイドル性」を体現していたからこそ、改めて言語化することができなかったからである。
2012-05-03 13:41:22春香がアイマスの象徴的存在だというのはよく語られていますが、それを最も物語るエピソードのひとつが、ゲーム版における春香A(S)ランクドーム成功エンドです。ゲーム時代からのPにとってはお馴染みの話ですが、相当なネタバレになるので、気になる人はDMくれたら140字で解説します。
2012-05-03 13:47:33アニメ版外の話はさておき、アニマスで春香が象徴するアイドル性は「みんなでライブを作ること」を第一に行動する点に集約されている。これを紐解くと、そのまま「春香はアイマスの象徴」に繋がってくる。
2012-05-03 13:53:5323話にてPが電話で「みんなで作るのが、765のライブなんです!」と語っていたように、765プロのライブはスタッフや観客もひっくるめた一体感が魅力であり、13話の「自分REST@RT」がこれを反映している。アニメにファンのコールも収録するというアレ。
2012-05-03 13:58:07それまで売れっ子がいなかった、竜宮小町以外の765プロアイドルにとっては、あの瞬間こそが観客と自分たちの間に一つのチャンネルがつながり、「アイドル」と「ファン」の関係が成立したときである。
2012-05-03 14:01:11