川口淳一郎文化講演会@新潟県刈羽村
さて、もうすぐ月曜日が襲来するけど、眠くならないうちに、今日、新潟県刈羽村のラピカで行われた「川口淳一郎文化講演会」のことを書いておきます。連ツイになりますけど、ご了承ください。 > フォロワの皆様
2012-05-27 23:55:09まずは司会から川口先生のプロフィール紹介の後、先生の登場。盛大な拍手。「はやぶさ」帰還以降三本も映画が作られましたけど、川口先生的に一番困る質問が「三本の中でどれが一番正確か」というものだ、とのこと。そりゃ、映画は基本的にフィクションですしね。
2012-05-27 23:59:18映画「宇宙兄弟」とJAXAのワッペンの話題(実は職員は付けたがらない。無くすと始末書書かされるから)で軽く会場の笑いを取ってから、本題へ。まず前ふりとして、川口先生が高校生から受けた質問を紹介し、「人間を宇宙に送るならロケット」という先入観に驚いたというお話を。
2012-05-28 00:04:04川口先生としては「いつまで人間をミサイルに縛り付けて打ち上げるのか?」という思いがあるそうで、いずれは水平発進のスペースプレーンの時代が来る、とお考えのようでした。
2012-05-28 00:06:02そして、「はやぶさ」ミッションの概要について。全ての始まりとなった、85年のサンプルリターン研究会の紹介。そして「はやぶさ」ミッションの目的についての説明。幅広い年齢層の入場者に配慮してか、地震と気候を理解するには、と例えて説明を展開。
2012-05-28 00:09:01重力によって丸く形成された天体は、比重の高い重い物が中心近くのコアに集まり、軽い物が地表付近にある。中心近くの物質を採取するのは困難で、その組成を正確に分析することは非常に難しい。しかし、重力の小さな小惑星は、組成の分別がなされていないため、星を作った物質を容易に採取できる。
2012-05-28 00:13:16また、地球は石だけで出来ている訳ではない。有機物、水で覆われている。こうした物質や炭素を調べる為に、「イトカワ」のようなS型小惑星以外にも探査機を送らなければならない。これが「はやぶさ2」。目指す小惑星は「1993JU3」。川口先生は以前からこの星を探査することを押していたそうで
2012-05-28 00:18:04そして「はやぶさ2」の新機軸であるインパクタの紹介。そして土星や木星の衛星での、液体としての水の存在と、生命存在の可能性について。そして、「はやぶさ」の帰路でおきた問題と、カプセルの帰還についての話題と続きました。
2012-05-28 00:23:13プロジェクトマネージャーという仕事についてのお話。「はやぶさ」計画では、川口先生の仕事は、主に技術の実用化と、トラブルの解決だったとのこと。 「協調性に優れた人物にリーダーシップを期待するのは、むしろ奇妙なことじゃありませんか?」
2012-05-28 00:32:50「検討してください」ではダメ。「どうしてできませんか?」「できる方法を考えてみましょう」、と。民主主義ではなく、ブレないポリシーを持ったリーダーが強く牽引しなければならない、とのことでした。
2012-05-28 00:35:25続いては失敗の経験についてのお話。この辺は宇宙クラスタはピンと来るでしょうね。「のぞみ」とか、「すいせい」でも今一歩やることができたのではないか、と。「はやぶさ」が何故帰還できたかと言えば、意地があったからだ、とのことですが、意地は経験の積み重ねで育まれる。
2012-05-28 00:39:13次の世代に経験を積ませていく為には、ドキュメントを残しただけでは駄目。世代を交えた共同作業で、きちんと経験を積ませていかなくてはいけない、と。
2012-05-28 00:41:24そして話題は50年後、100年後の宇宙開発のビジョンへ。宇宙資源の活用と、そのためのインフラとしての「深宇宙港」。川口先生の著書ではお馴染みのアレですね。M型小惑星について。木星以遠への到達の為に、原子力エンジンへの言及もありました。
2012-05-28 00:48:31やっぱり、学術探査ならともかく、商業レベルで考えるとなると、ソーラー電力セイルだと能力不足なんだろうなぁ…。日本での原子力発電の将来性はアレでしょうけど、原子炉技術だけは維持発展させていかなきゃ駄目だなぁ、と改めて思った次第です。
2012-05-28 00:50:52惑星間有人飛行について。重要なのは「宇宙医学」。長期の航宙の為には人口冬眠の必要性があるだろうし、体力の低下を防ぐためにも人口重力は不可欠。その二つを考え合わせると「床ずれ」の克服は重要。また、再生医療に関しても必要性が大きい。若い人に、これから取り組むなら宇宙医療ですよ、と。
2012-05-28 00:54:54日本の教育のあり方について。「やれる理由を探す文化」を定着させていかなかればならない、と。学校で習うことは「HOW」だけであることに気付いて欲しい。「WHAT」を見いだして欲しい、と。本当に自分の進路を選び取れるのは、「学び」から脱皮できてからだとおっしゃってました。
2012-05-28 01:01:06ディベートとプレゼンテーションの重要性について。宇宙飛行士は「マニュアルを完璧にこなせる偉大な凡人である」。次世代のイノベーションのためには「非凡な変人」を生むことが必要で、教育はコピー技術を教えるのではなく、アートであるべき、と。
2012-05-28 01:04:44「高い塔を建ててみなければ新たな水平線は見えてこない」と、お馴染みの言葉で締めとなりました。この後は質疑応答。「ドラゴン」宇宙船について聞かれた川口先生の答えが流石でした(笑)。
2012-05-28 01:08:05以上、連ツイ終わりです。講演会聞きながら走り書きしたメモから起こしたツイートなので、抜け落ちてる内容や、私が勘違いしている解釈もあるかもしれませんが、概ねの流れはこんな感じでした。やはり、聞いていて圧倒されます。また機会があれば、お話を伺いたいものです。
2012-05-28 01:11:19