「押川正毅氏『科学的評価』は『正しい』か?」に関する島薗進氏の呟き

『学術の動向』5月号掲載の押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」という文章に関する宗教学者 島薗進氏の連続ツイートをまとめました。
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島薗進 @Shimazono

1押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」『学術の動向』5月号。専門家の失敗・信頼喪失という事態を踏まえて「科学の正しさ」とは何かを考え直している。「ダメ科学はなぜ生じるか」妥当性の検証が困難な学問領域がある。原子力工学もそうした性格をもっていたが、放射線の健康影響もそうだ。

2012-05-31 07:41:55
島薗進 @Shimazono

2押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」『学術の動向』5月号。放射線の健康影響の専門家も福島原発事故後、その「科学的評価」が信頼性に乏しいことを十二分に露呈した。首相官邸原子力災害専門家グループはそのよい例。長瀧氏・佐々木氏らが科学的に妥当でない楽観論を掲げて来た。

2012-05-31 07:43:09
島薗進 @Shimazono

3押川氏「「科学的評価」は「正しい」か?」「首相官邸災害対策ページ」の長瀧・佐々木両氏の論説を見よ。「チェルノブイリ事故による死者は…28名のみで、それ以外は「放射線被ばくとの関係は認められない」としている」「このような主張をにわかに信じる「素人」は少ないだろう」

2012-05-31 07:44:39
島薗進 @Shimazono

4押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」『学術の動向』5月号。放射線の専門家の主張は科学的に妥当でないのだが、さらに「科学的な方法が最も優れた信頼できるものである」という前提もつねに絶対に正しいとは限らない。科学的検証が困難な事柄についいては、どのように評価をするのか?

2012-05-31 07:44:58
島薗進 @Shimazono

5押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」『学術の動向』5月号。チェルノブイリの子どもたちへの健康影響については、科学的手法による数値として示されていないが、さまざまな報告がある。その中には、「被爆による非がん疾患の発生を強く示唆するもの」が多々見られる。

2012-05-31 07:45:14
島薗進 @Shimazono

6押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」ジャーナリストや当事者の報告もそれなりの資料価値をもち、批判的にその意義を見積もりつつ的確な判断に用い得る。さまざまな資料を総合的に検討していく歴史学的な手法が必要な領域もあり、放射線の健康影響はそうした性格をもっている。

2012-05-31 07:45:34
島薗進 @Shimazono

7押川正毅氏「「科学的評価」は「正しい」か?」押川氏は物理学者だが、科学・学術や公共的評価・判断というものの多様なあり方を踏まえた広い視野からの論及。どのような手法による科学的評価・判断かを見定める必要を指摘。「科学と科学を超えるもの」というテーマにぴたり照準が合っている。

2012-05-31 07:45:50
島薗進 @Shimazono

8押川氏「「科学的評価」は「正しい」か?」『学術の動向』5月号。特集「原発災害をめぐる科学者の社会的責任」。元となった日本学術会議哲学委員会主催のシンポ(昨年9月)の押川氏の報告内容はhttp://t.co/G1dLzRUl と http://t.co/uN0DsLxH 参照。

2012-05-31 07:46:40