アニメ監督・錦織博氏、キャラクターの息づかいや反応の探り方について語る。
アニメーション演出者。アニメの監督をしています。TV「あずまんが大王」「天保異聞 妖奇士」「とある魔術の禁書目録」映画「マジック・ツリーハウス」など。「トリニティセブン」「デリコズ・ナーサリー」「劇場版アイドリッシュセブンLIVE4bit BEYOND THE PERiOD」
アニメの設計やプランニングは、脚本やコンテ以降変えてはいけない厳密なものである、という考えかたは今でも根強くあるが、特にキャラクター中心の作品ではもっと柔軟に変更しても良いと思う。
2012-06-02 03:43:27キャラクターの息づかい、リアクションはなかなかコンテ段階で拾えるものではない。投げかけられた状況に対してキャラクターが動いていく様子を注意深く追っていくことで、当初のプランからは離れていくことも多い。
2012-06-02 03:56:51変化していくキャラクターが動いていくことを恐れずに、芝居や息づかいを作っていく。すると、ふとキャラクターの距離感や温度が伝わってくることがある。そんな肌触りや実感の積み重ねが観客との共感を産む。
2012-06-02 04:04:16脚本からコンテを起こすときはもちろん、作画の際にもキャラクターの反応は変わっていくべきだし、このわずかな反応と息づかいに抗わずにいる事が演出チェックでは重要である。自然に作られた間や動きは、声優さんの演技にも影響を与える。
2012-06-02 04:18:57いつからか、自分のコンテでも全くプラン通りにならなくなった。秒数も演技設計も。最早それはコンテじゃないのかもという葛藤もあるが、キャラクターたちを追っていくのが楽しくなってきた。
2012-06-02 04:40:05コンテを描いていて、なかなかキャラクターが動かない時は、ちょっと状況に変化を与えると(風が吹いたり、食べているものがこぼれたり)良かったりします。それをきっかけに流れが変わってしまう事もありますけど。
2012-06-02 04:52:41コンテが脚本から変わって良いと言うと、「監督だからでしょ」と返されますが、僕はコンテマンの時の方が変更する事が多いです。話を変えるのではなくて、状況設定をはっきりつくる事で、その場面のリアクションが変わってきます。
2012-06-02 05:01:44例えば、雨は降って無いけど、地面に水たまりがあるとすると、キャラクターが足を濡らして困ったり、そこで遊んだりします。脚本上で状況設定がはっきりしていない場合、こういう想定をする事で、キャラクターの反応を探ります。台詞が同じでも違う芝居に見えるかもしれません。
2012-06-02 05:09:04キャラクターが歩いている道が、坂だったり階段だったりするだけで反応は全く変わります。階段を駆け上がったら息が切れて、直ぐには話せないでしょう。体力や性格の違いも描けるかもしれません。アニメの場合、想像で芝居をつくるので、具体的な状況があるとリアクションが想定し易くなります。
2012-06-02 05:17:21@nishiki_hiroshi いちいち「うん、うん!」て頷き乍ら読んでいる自分がいます。だって、アニメってナマモノなんですもの。自分も脚本通りに切ったことないです。ライターさんすみません…
2012-06-02 07:06:38