うぐいすりぼん大阪講演会「漫画表現における性」より

藤本由香里明治大学准教授の講演「漫画とジェンダー」のまとめです。省略している部分はあります。また、まとめ主による解釈も入り込んでいると思いますが、問題があればご指摘願います。
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wagu @wagu108

なぜ少女マンガに登場する男が格好いいのか。自分が好きな男は格好よく見えているからである。主人公が望んでいる男は格好よく描かれるということ。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:23:41
wagu @wagu108

だから「無理矢理迫ってくる男」をすごいイケメンに描いている場合は、それは本当は「主人公の好みの男」。「無理矢理」という形「望まれた」という形をとりたい。顔で判断がつく。このようなレイプを「ハーレクインレイプ」と呼んでみたい。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:24:29
wagu @wagu108

バブルと共に、レディースコミックの全盛しぼんでいった。マゾヒズムが強調されたのは女は性的であってはいけないという時代性の裏返しであったと思う。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:24:53
wagu @wagu108

「ハーレクインレイプ」と強引な愛について。それは自分が「望まれている」ことの象徴である。女性を見て男性が我を忘れてそういう行為に走ってしまう。彼女の魅力が抗いがたいほどに大きいということを示している。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:26:06
wagu @wagu108

BLでもこの「ハーレクインレイプ」の「強引さ」は多く見られる。「そのくらい魅力的だ」ということ。これは女性が置かれている立場の読み替えである。同じ行為を別の文脈で読み替えている。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:26:46
wagu @wagu108

以上から「レイプ表現は女性に対する暴力的な表現に決まっている」「レイプ表現をゼロにせよ、というのは女性として当然の要求である」という言説は疑ってかかる必要があることがわかる。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:27:39
wagu @wagu108

「女性はレイプを見たくないに決まっている」という主張をしてきたのがフェミニズムではないのか?アメリカにはそういう流れがある(マッキノン,ドウォーキン「ポルノが教科書・強姦は実践」など)(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:28:15
wagu @wagu108

マッキノンが来日したさい、レディースコミックについて質問を受け、「レディースコミックは男が描いて男が読んでいるに決まっている」と答え、会場が「えー」となったという有名な話がある。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:28:45
wagu @wagu108

女性が性的になってもいいはずだという流れもフェミニズムにはある。エロチカ…暴力性、性差別性がない、抑圧的でない表現。しかし、日本の女性向け性表現は必ずしもそうではない。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:29:13
wagu @wagu108

「平等萌え」というのはあるにはあるが、多くの人にとっては多少性愛には格差がある方が、「演技としての格差」があるほうが、萌えると言う人が多い。プレイとしての役割演技という官能が日本の女性向けポルノグラフィには、表現されている。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:29:45
wagu @wagu108

結局、エロチカとポルノグラフィの差は疑問符がつく。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:30:05
wagu @wagu108

80年代、マンガははっきりと性的になった。そして有害コミック騒動。しかし、90年代はセクシュアリティの議論が盛んに行われた時代でもあった。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:30:41
wagu @wagu108

「行動する女たちの会」は「わたしつくる人、ぼく食べる人」というカレーのCMに対して差別的だから止めて欲しいというように、問題があることに抗議するという活動を行ってきた。しかし、性表現の公的な規制には反対していた。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:31:27
wagu @wagu108

混同している人が多いが、基本的には、表現の自由は、公的機関による規制に対する自由である。市民同士で表現をした人に対して申し入れるのは、当然に、自由である。表現の自由とは表現することによって、非難されることはある、と言うことである。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:32:11
wagu @wagu108

その非難に表現者はどう答えるのか? 反省するのか?表現を変えるのか?それとも、これは必要な表現だと主張するのか?非難に対する対応は、言葉そのものを変えれば済むというものではない。考えて考えて考え抜く。表現の自由はそこにある。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:32:37
wagu @wagu108

何も考えず、「ここだけ外しておけば十分だ(言葉狩り)」という対応は表現の自由とは最も遠いところにある。公的な規制には反対する。しかし市民間の意見のすりあわせは、もちろんある。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:33:11
wagu @wagu108

(まとめ)日本には歴史的に段階的に形成された、男性向け・女性向け含め多様な性表現がある。例えば同性愛表現は同性愛者のものとは限らないように、読み手書き手の関係も複雑である。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:34:31
wagu @wagu108

これにたいして欧米からは、日本では大人と子どもの区別が曖昧という批判がある。しかし、それは非難されるべきことなのか?(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:34:56
wagu @wagu108

日本のマンガは、「境界を越える」というところに力があった。「プロ」と「同人誌作家」「エロ系の作家」と「一般の作家」の境界ははっきりしない。大家が性的な表現をすることもある。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:35:36
wagu @wagu108

子どもと大人の境界はそんなにはっきりしているのか?子どもはいきなり大人になるのか?子どもは大人にだんだんなっていくのではないか?子どもと大人のあいだを繋ぐ作品、思春期向けの作品が数多く存在していることが、日本のマンガの力を作っている。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:36:10
wagu @wagu108

作家が本気で描いたものが、ちょっと見にどんなに過激であっても、『風と木の詩』がそうであるように、今はまだ分からなくても、確実に伝わる。そこに対する信頼は日本社会の中にある。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:36:41
wagu @wagu108

ガンダムもそうだが、子ども向けの枠で大人が本気で作る。そのとき、子どもはそのときにすべてを理解できるわけではない。でも「何か本気」というのだけは伝わる。それが大人になって「こういうことだったのか」とわかる。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:37:14
wagu @wagu108

子どもには「わかる」ことだけを伝えるのではなくて、「大人の本気」をわからないままにも伝えると言うことは、実は日本文化に特有なことではないか。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:38:02
wagu @wagu108

端的な例では、日本のマンガは難しい言葉を使う。日本のマンガが海外に翻訳されるとき、村の長老などの「難しい言葉」は子どもがしゃべるような易しい言葉に言い換えられる。日本ではそういうことはしない。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:38:41
wagu @wagu108

わからなくてもいい。わからなくてもあとで分かる。それは大きな日本の特徴だと思う。(うぐいすりぼん大阪講演会 藤本由香里先生)

2012-06-03 23:39:09