東北から徴兵された兵士達

実際の兵士達の証言を中心にした物
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@bukrd405

「軍隊生活も悪いことばかりではなかった」という老人の言葉を真に受けて、「丸○眞男をひっぱたきたい」といった人がいたが、それは入隊前の昭和の貧農の生活がいかに悲惨なものだったかを物語っているわけで。入隊後に貧農も高学歴者も同様に扱われたことだけに注目するのは如何なものかと思う。

2012-06-03 12:20:52
@bukrd405

終戦後、農家の人々が語った軍隊生活。「軍隊ず(という)所ァいいもんでがんした。明るくなるまで寝せておいてくれで、暗ぐなれば、寝ろって寝せでくれだ」「米のメシを食せでけるっけァ、いい所だった」「洋服着せで皮の靴はがせて呉れだった」「大学出たのもいたが、よく撲られているもんだったス」

2012-06-03 12:32:52
@bukrd405

「大学出もおらも、同じに撲ってくれるっけス」「おらハァ、軍隊のおかげで字っコを覚え、手紙っコも書げるようになりあんした」「トナリのオンジ(次三男)は、軍隊に行く前は、人前でろくに話もできなかったども、軍隊に行ってがら、すっかり変ったもなァ」

2012-06-03 12:42:27
@bukrd405

「おら方の村長さんが軍隊に行ってえらぐなった人でがんス」「あそごのオンジは棄げオンジ(不要な次三男)なんて言われたもんだが、軍隊で伍長になって来てス、それがら青年訓練所の指導員なんかやって、今では村会議員でがんす」

2012-06-03 12:46:22
@bukrd405

「トナリの親父は、下士志願して、恩給つぐまで軍隊にいて帰ってから、その恩給質において(担保にして)金借りて田っコ買ったのス」「オレ、軍隊のお蔭でクルマの運転覚えたのス」「××のオンジ、ミシンで何だり作ったりしているが、軍隊で覚えたずもな・・・」

2012-06-03 12:49:54
@bukrd405

農民兵士にとって軍隊はいろいろな意味――義務教育の補完的意味や職業教育、そして出世の糸口だったり、貧しさからの脱出の手段ともなっていたようである。それに、かつての閉鎖的な農村社会においては、村人のほとんどは村に生まれ、村に育ち、そしてその生涯を村で送って村で死んでゆく、

2012-06-03 22:05:17
若葉さおり @amefurasi33

@bukrd405 ある時期までの自衛隊と変わらない………

2012-06-03 22:35:35
@bukrd405

(承前)これが宿命のようなものであった。そうした村人に村からの脱出を可能にしたのは軍隊であった。「オレ、フィリッピンで終戦ス」「オレはビルマまで行ったノス」「オレ終戦を迎えたのはグワム島だったス・・・」など言い、そこでの珍しい風物や作物――その出来、不出来、

2012-06-03 22:08:00
@bukrd405

(承前)原住民の暮らしなど話したのち、「なんと言っても、今の若ェ人達には見られねェ外地まで見たのス」「なに、軍隊に入ったお蔭で、ただで官費旅行さして貰ったのス」。確かに軍隊のお蔭かもしれないが、農村以外ではほとんど聞かれない言葉である。

2012-06-03 22:11:13
drきのこる(専門なき専門バカ) @drkinokoru

農村で生まれ、死んでいく一生外の世界を見ないのが当たり前の時代に戦争で海外に行く人間の心境は不安と同時にワクワク感があったんだなぁ。電車や船に初めて乗ったっていう人もいたんじゃなかろうか?己でも初めて外人と話したときは緊張したし、外人見てびっくりしてたんだろうなぁ~

2012-06-03 22:47:27
@bukrd405

昭和26年、岩手県で行われた「軍隊生活はどう語られているか」というアンケートの結果。隊内経験としては「私的制裁がひどかったこと」「戦友や上官の思い出」「初年兵時代は辛いが古年兵になると楽なこと」「アタマの悪い者と体の弱い者は哀れなこと」など。

2012-06-03 22:14:33
@bukrd405

戦地体験では「激戦の様子」「食糧欠乏で苦しんだこと」「外地の風物、習俗、特に農業のやり方」「女の話――中国の娘さんを隊員50人ばかりで輪姦したこと」など。

2012-06-03 22:16:42
@bukrd405

捕虜体験――「食生活で苦しんだこと」「栄養失調で戦友が次々に死んだこと」「労働が骨身にしみたこと」。その他に回答にそえて書かれてあること。「古年兵からビンタをとられたこと、食物不足で野獣のような生活をしたこと、捕虜生活の苦しみ、それらが自慢げに語られる」

2012-06-03 22:19:59
@bukrd405

「良い点、悪い点総合して、在りし日の軍隊に対する郷愁じみている」「理屈を言う人間や、不良くさい青年を見ると“一度軍隊に入れば治るんだがなァ”という」「入隊するしないは別として、徴兵検査があれば、受ける前から心構えが変わってくるんだが、など言う」

2012-06-03 22:21:55
@bukrd405

良い所、楽しい所として語られること。「良い所などいう話聞いたことがない。“兵隊としてなら内地でも外地でも行きたくない”と話している」との答えが1名だけ。他の回答者すべてが良い所、楽しい所を上げていた。中には「“もう一度兵隊に行ってみたい”という人もいる」という。

2012-06-03 22:26:42
@bukrd405

(1)楽しい所 〈暮らしが楽である〉―「決められたこと、言いつけられたことをそのままやってれば文句言われねェ。朝ま草刈ったり、生き物扱ったりすることもねェし、田の水干せたべかとか、雨降って大変だず(ということ)もねェし・・・」「百姓の五月なんかより楽だし、衣食住が官費だし」

2012-06-03 22:30:22
@bukrd405

「食べ物が良いし、服装も良かった」「給料は貰えるしノンキなもんだった」「よい金取りの場で、零細農のオレなど家に居たって小遣銭にならねェ、兵隊で居れば小遣銭引いても家さ仕送り出来たからなァ・・・(元兵長)」

2012-06-03 22:33:20
@bukrd405

〈見聞を広めた〉―「なんといっても××(地名)を見てきたからなァ・・・」「知らないところ無銭旅行できたからなァ」「今の若ェ人達では見られねェ外地を“官費旅行”したからなァ」「オレみてェな百姓家の息子、兵隊にでもならねェと、よそを見る機会など、それも外国までもよ。いい経験だったス」

2012-06-03 22:37:07
@bukrd405

さらに「外地での女の話、軍人であることをかさにきて、えばりちらし、もてはやされた話」「ピー(慰安婦)買いの楽しさ」「映画や芝居をただでみられた」などが語られる。

2012-06-03 22:51:47
@bukrd405

(3)良い所 “楽しい”というより軍隊体験は人生にプラスになった――ということから“良い所”と語られているようである。「規律のよいこと、特に時間的にハッキリしている点」「時間にきまりがあり、食うこと、働くこと、寝ること、家の生活とは比較にならぬほどよい」

2012-06-03 22:54:08
@bukrd405

「団体的規律訓練の場としてよかった」「軍隊は階級の差こそあれ、家柄・職業・貧富の差は全くなく、衣食住はじめ、すべての扱いが平等だったことが一番よかった」「大学出、小学出も一様に同じ服装、生活をすることに、辛さはあっても楽しかった」

2012-06-03 22:56:49
@bukrd405

「同年兵はなじょな人でも同じで、百姓だからって差はつけられなかった」「みんなを同じに扱ってくれたからみんな仲がよいもんだ。戦友は肉親以上に懐かしいもんだ」「階級が上れば上るほど楽しい所だ」「軍隊生活は頑張れば階級が上る、張り合いがあってよかった」。

2012-06-03 23:02:10
@bukrd405

以上のようなことから「貴重な体験だった。辛かったことも今ではクスリだ」「人間はたくさんの人の間に立ってもまれないと一人前の人間にならねえ。若い人達の精神教育にはいい所だ」「軍隊はいい“人生道場”だったと思うス」ということになるのであろう。

2012-06-03 23:04:31
@bukrd405

(4)嫌な、辛い所だった―と語られること 〈絶対服従の辛さ〉―「敗けると思っても、死ぬと思っても命令に服従しなければならないことが辛かった」「軍隊には軍紀があるとはいっても理屈も何も通らない」

2012-06-03 23:09:01
@bukrd405

「同じに入隊しても、(幹候)幹部候補生は昇進が早くて、そいつに気合かけられるのが一番いやだった」「軍隊では星コの数(階級)には勝てねェ。オレみてェな親父が、若ェ奴に撲られるのが辛かった」

2012-06-03 23:10:18