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理化学研究所・泰地真弘人博士:それ以前に出来なかった探索というものが、「京」によって可能になる。将来作りだされるような薬というものを、今この計算機の中で見ることができる。
2012-06-03 23:11:23<ナレーション> さらに全く新しい予測型防災システムの開発も始まっています。それは百万人規模の大都市で地震が起きた際、瞬時に被害を予測し一人一人に最適な行動を提示するシステムです。
2012-06-03 23:17:23東大地震研究所・堤教授:地震の場合は特にパニックという状態になることもありますので。それをなんとか大きなシュミレーションの力を借りて、予測しようということを考えています。
2012-06-03 23:20:31<ナレーション> このシステムが目指すのは、こういうことです。大都市で地震発生。すると携帯端末に避難情報が入ります。大勢の人が殺到しそうな場所や倒壊しやすい建物を予測し、安全な避難ルートが指示されます。さらに離れたところにいる家族の状況も、リアルタイムで教えてくれます。
2012-06-03 23:25:18<ナレーション> この予測型防災システム、「京」の登場以前は空想に過ぎませんでした。百万人分の住所や年齢、連絡先や家族状況、道路や鉄道、避難場所といった地図情報に加え、建造物の年代や使われている材料などの情報をもとに、その危険度も計算しなければなりません。
2012-06-03 23:31:26<ナレーション> さらに危険を感じた時、人はどう行動するのか。そのパターンは性別や年齢、心理状態によって異なります。個人情報・地図情報・集団心理・偶然性そしてリアルタイムで入ってくる地震・津波情報まで。それらすべてを要素に入れて百万人規模で予測することが現実味を帯びてきたのです。
2012-06-03 23:36:44堤教授:これは非常に実験が難しい。都市スケールでやるのはほとんど不可能なので、シュミレーションしなくちゃならない。でも従来の計算機ではキャパシティの問題で、近似計算はできるけども本当のところはわからない。だから「京」でしかできない。
2012-06-03 23:41:03<ナレーション> アメリカでは最強の頭脳が誕生しました。開発したのはコンピューターの技術革新をリードしてきた巨人・IBMです。IBMの最先端の開発プロジェクトが集まる研究所。ここに4年の歳月をかけ開発した人工知能コンピューターがあります。その名は「ワトソン」。
2012-06-04 05:14:46<ナレーション> ワトソンは人間の言葉を理解します。さらには人間のように考えることもできます。単純作業しかできないと考えられてきたコンピューターが、知性を獲得したのです。SF映画のようなコンピューターの出現です。ワトソンの実力がいかんなく発揮された出来事がありました。
2012-06-04 05:18:20<ナレーション> アメリカの人気クイズ番組に出場、全米最強のクイズ王2人に挑戦したのです。複雑な問題文を理解し、瞬時に解答をみつけるワトソン。クイズ王はなすすべもありません。ワトソンは圧勝、賞金百万ドルを獲得。コンピューターが全米のクイズ王に勝った…大きな衝撃を与えました。
2012-06-04 05:23:46クイズ王 ケン・ジェニングズ:直感はとても重要な要素です。答えが浮かぶ前に、まずピンとくるんです。ワトソンはその直感をプログラムで再現していたように感じました。新しい時代がやってきたのだと思います。人間の頭脳にしかできなかったことまで、コンピューターがやってしまうのです。
2012-06-04 05:29:02<ナレーション> コンピューターに複雑な人間の言葉を理解させるのは、夢物語と考えられてきました。 (問題「キアヌ・リーブスがノキアの携帯電話を持っていたのに、固定電話を使ってそこに出入りした。1999年のSF映画の題名は」)
2012-06-04 05:38:56<ナレーション> 例えばこの問題文、人間ならばキアヌ・リーブス、SF映画という2つの単語に反応し、映画「マトリックス」を連想します。しかし、石頭のコンピューターはそうはいきません。人間なら無視するような単語でも片っ端から調べ上げ、そのあげくトンチンカンな答えを膨大に提示します。
2012-06-04 05:41:55<ナレーション> コンピューターに人間のような思考力を身につけさせるにはどうすればいいか、IBMは機械学習という画期的なプログラムをワトソンに搭載しました。機械学習とは子供が失敗や間違いを経験しながら思考力を身につけていく過程を機械に応用したもの。
2012-06-04 05:46:20<ナレーション> 機械学習の様子です。時には本番さながらの形式で、ワトソンは過去に出題された数十万の問題で猛特訓を受けました。ワトソンは間違えを繰り返す中で、文章中のどの単語が重要なのかを判断する思考力を養っていきました。記憶力はそもそもコンピューターの方が上。
2012-06-04 05:52:48<ナレーション> 人間の思考力を身につけたワトソンはどんな問題でも瞬時にキーワードを見つけ、一直線に答えにたどり着けるようになったのです。
2012-06-04 05:55:32開発リーダー フェルーチ博士:ワトソンの勝利には重要な意味があると思います。人類の未来を考えるきっかけになったのです。テクノロジーはそもそも、社会や経済の姿を変えるものです。人間がやるべき仕事も変わっていくでしょう。
2012-06-04 05:59:41<ナレーション> ワトソンは今、引っ張りだこです。金融・法律など過去の膨大なデータが蓄積された分野にワトソンを配備すれば、瞬時に解答を導いてくれるからです。なかでもすでに導入の準備が進んでいるのは医療の世界です。全米有数のがん病院、ワトソン導入を検討しています。
2012-06-04 06:05:19<ナレーション> ワトソンに過去の症例を蓄えさせて、医師が症状を説明すれば、たちどころに病名を診断し最適な治療法を教えてくれます。
2012-06-04 06:08:31医師:医師がワトソンに「この症状は何の病気か?」と尋ねたい場合、このボタンを押すだけです。そうすると疑わしい病名のリストが、確信度つきで表示されます。
2012-06-04 06:14:43