伏線について

伏線という技術への誤解とその解消
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麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

見えていないものは直しようがない、という問題がある。たとえば脚本へのアドバイスを求められて「最後の出番を活かすために伏線を張ろう」と言うと、前のシーンに「そろそろあいつが来るぞ」と書いてしまう人がいる。彼にとって伏線とは事前に教えることであり、伏線の回収とは事実の確認だからだ。

2010-06-23 23:21:55
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

でもミステリに出てくるヒントは「ヒント」だし、シンデレラに出てくるガラスの靴はマクガフィンでしかない。ほんとうの伏線とは「見えてはいけない線」のことだ、それは回収されたとき初めて観客の脳にあらわれる。

2010-06-23 23:32:05
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

たとえばシンデレラに伏線を張れと言われて、事前説明と理解していたら「実は二人は子供の時に会っていた」と付け加えてしまうかもしれない。だけどこれは別の物語を作っただけで、伏線にはならない。

2010-06-23 23:43:40
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

物語の最後に、王子が自分でシンデレラを選ぶという結末を用意しよう。靴が合ったからでなく、それ以外に見つける要素が欲しいがそれは置いて、王子は自分で「選ぶ」。そのために王子には、物語の冒頭から常に優柔不断であってもらおう。

2010-06-23 23:49:18
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

観客の頭に「この王子本当にムカつくなー!自分で決めろよ!」と思わせつつ「でも根はイイ奴だから、幸せになって欲しいな」と感じさせるエピソードを描こう。ここで王子自身に「選べなくて悔しかった」といった心情を吐露させるのは避けたい、事前説明になるからだ。

2010-06-23 23:52:47
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

このように伏線を張っておくと、ラストに王子が「シンデレラ、君が好きだ」と告白するだけで、観客は脳内に生成された願望が達成させられて、納得する。それがどんなに唐突な告白だとしても、とは言わない。王子だけがシンデレラを見分けられるヒントなどは必要だから。

2010-06-23 23:56:54
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

しかし、ヒント、マクガフィンだけを配置しても、心を動かす物語にはならない。よくある「人間が描けていない」という作品は、いま確実にブーメランが飛んできてる気がするが、気にせず続けると、そういう作品は伏線を「事実の配置と回収」と間違えている場合が多い。

2010-06-23 23:58:36
麻草郁10/29〜11/3舞台『マシーネンナハトムジカ』 @asakusan

ここに、昨今の「パーツを組み合わせただけの作品ってどうなの問題」への、解決の糸口が見出せるのではないか。つまりヒントやマクガフィンすら配置できていない作品に、多くの感動する人がいるのはなぜか。観客はそこに見えない伏線を見ているのではないだろうか。

2010-06-24 00:05:07

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