ノラ・ミジカイ・ストーリー「ドウジン・ウキヨエ・マーケット・オン・ブラッドバス」

「パロディについての規定」という単語がTLを飛び交い、皆がディストピアめいたワードを口にしていたので勢いで書きました。続きません。
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R-Gray(再生産) @dylh0p

違法ドウジン・ウキヨエ・マーケット…それはネオサイタマのパクリダメ条例の目を逃れ、人々がパクリを楽しむ最後の場所であった。しかし、その開催地であるサカサマ・スゴイオオキイピラミッドにもバイオ・スモトリ達の魔の手が迫っていた。流れ込むスモトリに成す術もなく立ち尽くすオタク。ピンチ!

2012-06-07 19:52:25
R-Gray(再生産) @dylh0p

「ナンデ!?ウキヨエ禁止、ナンデ!?」この場合のウキヨエは正規のウキヨエではない。サナダ・ウォーリアやジャーニー・トゥ・ザ・テンジク等の作品をモチーフにしたノラ・ウキヨエである。ノラ・ウキヨエは「誰かのフンドシでスモトリは実際よくない」の標語のもとに、次々燃やされていった。

2012-06-07 19:54:58
R-Gray(再生産) @dylh0p

「アバーッ!僕の、僕のウキヨエが!燃える!ナンデ!?」ノラ・ウキヨエ言えど、実物を発行するのはたやすいことではない。トウフを我慢して印刷代を捻出し、スシを我慢してヒキャクに運んでもらうのだ。プリンテッド・ウキヨエとはいえ、そこには人々の思いが込められている。

2012-06-07 19:56:52
R-Gray(再生産) @dylh0p

ダークフレイム・オブ・ファイヤー=サン(注:オトギネーム、以下ダークフレイム)もその一人であった。一介の労働者であるダークフレイムは、本来スモトリに目を付けられるような危険な人間ではなかった。しかしレンタル・ウキヨエを皆で回し読み、同好の友とイフの話をするのが大好きだった

2012-06-07 19:59:23
R-Gray(再生産) @dylh0p

ダークフレイムは慟哭した。何か月もかけて描いたサンジョー=サンとソン・モンキー=サンのウキヨエが、友に頼まれたブッダ・アンド・アナンダのウキヨエが目の前でメロメロと燃えていく。失望のうちにあった彼を両脇から持ち上げたのも、バイオスモトリであった。「オリジン、ドコダ」「言わない!」

2012-06-07 20:01:39
R-Gray(再生産) @dylh0p

オリジンとはプリンテッド・ウキヨエの元になるハンシの事である。ハンシを破られるというのはドウジンにとっては自らの生き様の否定そのものである。言うわけにはいかない。黙秘を貫くダークフレイムの手に、スモトリは二回りも大きい自分の手を重ねた。「言ワヌト、砕ク」「アイエエエエエエエ!!」

2012-06-07 20:03:46
R-Gray(再生産) @dylh0p

その時、スゴイオオキイピラミッドにニトロめいた衝撃が響き渡った。二千年の歴史を持つピラミッドの柱はびくともしなかったが、埃がバサバサと落ち、辺りはもうもうとした煙に包まれる。隙を見てバイオスモトリから逃げ出したダークフレイムが見たのは、半スペース分の机に立つ、黒い影だった。

2012-06-07 20:07:36
R-Gray(再生産) @dylh0p

その影、いや、男はホコリが鎮まるまで微動せぬままそこに立っていた。「忍」「殺」と彫られた鋼鉄メンポから、殺気に満ちた呼気が漏れ出す。バイオスモトリを指揮していた男が叫ぶ「誰だ、お前は!」影は応えた「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」

2012-06-07 20:11:15
R-Gray(再生産) @dylh0p

ニンジャスレイヤー ノラ・ミジカイ・ストーリー「ドウジン・ウキヨエ・マーケット・オン・ブラッドバス」 #1終わり#2に続く

2012-06-07 20:13:04