盛岡ひぐま先生の、0リスクを求める人は?社会系の研究者の役割は。そして蕨をつまみに日本酒を。

盛岡ひぐま先生による、環境社会学会での中日新聞と静岡大学平岡教授の発表「環境リスクの認知構造-静岡県民調査から-」からの内容紹介・解説。そして、社会科学系研究者の原子力災害との関わり方、今後への希望。 蕨ごはんを肴に美味しい日本酒で締めて頂きました。
40
moriokahiguma @moriokahiguma

先週末は環境社会学会の大会だった。秋田県大潟村で農業と水質保全についての取り組みを学ばせていただき、その他、個別研究報告、震災被害研究のためのwsや議論など実り多い集まりだった。この他、秋田の美酒と郷土食を堪能し、ナマハゲ握手されたのも貴重な体験だった(笑)。続

2012-06-05 13:33:33
moriokahiguma @moriokahiguma

→個別研究報告からの情報。中日新聞と静岡大学平岡教授の共同研究「環境リスクの認知構造-静岡県民調査から-」が興味深かった。いzれ新聞社から発表されると思うが注目点を呟いてみたい。静岡県民を選挙区ごとに2千人無作為抽出、回答率78.6%(回答に対して景品がついたためこう回答率)。続

2012-06-05 13:38:52
moriokahiguma @moriokahiguma

→0リスクを求める人は多いのか?という問題意識から問「被災地の生産物購入を」、よくする5.3%、時々51.2、あまり34.0、全く9.0、次に問「食品放射能の規制値」気にしない13.7、少しでも下回れば37.8、大幅に下回れば38.9、0でなければ9.8 という結果 続く

2012-06-05 13:44:27
moriokahiguma @moriokahiguma

→これを見る限り0リスク志向は1割以下。消費者は比較的冷静という印象。静岡はお茶からの放射性物質検出や島田市のがれき受け入れなど原発事故の影響をそれなりに受けつつも日常的にはあまり関係しないという東と西の平均的な地域と考えるとある程度普遍的な傾向として考えられるだろうか? 続

2012-06-05 13:48:56
moriokahiguma @moriokahiguma

この他、男女での有意差がないこと、年齢が低いほど気にしないが多いなどの特徴。また社会階層が低く、他者を信頼しないという社会的に阻害された環境にある回答者は気にしないと0リスク志向の双方が多くなる両極化が見られる。放射性物質の問題が、それだけでかたづけられない側面も指摘。続

2012-06-05 13:54:33
moriokahiguma @moriokahiguma

→この他、原発被害対策に農業・農村社会側から取り組む研究者の方々と議論できたが、昨年に比べ大分、0リスクではなく、リスクを程度問題としてとらえられる人々が増えてきたという実感を共有できた。農林水産などをメインとする地域の復興に向けては、足がかかりになりそう。続

2012-06-05 13:59:20
moriokahiguma @moriokahiguma

→また原発被害WSでは農林水産「業」の問題としてとらえることでこぼれおちる農山漁村における「農的な生活」の破壊こそを問題としてとらえるべきとの認識や進行中の社会学的調査が避難者にやや偏りがちであり、「被災地で暮らし続ける人々」ための研究が必要との認識も共有できた。 続

2012-06-05 14:04:41
moriokahiguma @moriokahiguma

→社会科学の世界でも「地域の寄り添う目線」での研究が重要と考える人は数多い。影響が長引かざるを得ず、またステークホルダーの意見がまとまりにくい社会的課題であればこそ、社会系の研究者もお手伝いが可能だし、そこに関わっていこうする研究者が結構多いことを喜べた数日でもありました。終

2012-06-05 14:11:12
moriokahiguma @moriokahiguma

そろそろ帰宅。昨日山でで取ってきたワラビを昨夜からアク抜き​中。今夜はワラビの炊き込みご飯の予定。家族全員の大好物。子どもがサムズアップして喜んでいた。昨年​はさすがに食べられなかったが今年は近くの計測結果もあり安心し​て楽しめる。どこかでうまい日本酒を買って帰ろう。

2012-06-05 18:28:30

そしてまとめ後のやり取りから

moriokahiguma @moriokahiguma

@J_Tphoto むしろ御礼申し上げます。「リスク評価」は自然科学の十八番ですが、「リスク管理」には社会科学系にも果たせる役割があります。避難した人、したい人、帰りたい人、住み続けることを選択した人、それぞれが「納得」できる「リスク管理」の在り方を見つけ出さなければなりませんね

2012-06-08 12:13:00
moriokahiguma @moriokahiguma

@J_Tphoto あの時点では深くは触れなかったのですが、社会から阻害された人の「きにしない」の高さリスクを評価した結果でなく、ある種の投げやりさからきていると考えられます。不景気な社会の中で、阻害された人が増えた結果として「気にしない」人が多いのは良い事ではありません。続く

2012-06-08 12:21:16
moriokahiguma @moriokahiguma

@J_Tphoto 承前 科学的リスク評価を全く無視した極論的危険煽りもいけませんが、前述のような投げやり的リスク無視もいけません。こうした問題の分析も含め、社会的に合意できる「リスク管理」を目指さないとなりませんね。

2012-06-08 12:25:17