山崎 雅弘(‏@mas__yamazaki)氏による旧軍から考察する日本の公的組織

今の原発事故を巡るごたごたは戦前から続く悪しき伝統だと言う例を、日露戦争後、軍は内部で研究用に詳細な資料をまとめたものの責任を追求される事などを恐れ太平洋戦争後まで死蔵されたという逸話を引きつつ解説してくれています。
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

1. 全電源喪失「対策不要」業界に作文指示(産経新聞)http://t.co/zuoU3vf3「長時間の全電源喪失について、原子力安全委員会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送り」

2012-06-06 17:53:26
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

2.「作業部会は4年10月、当時の安全委事務局だった科学技術庁原子力安全調査室経由で、東電と関電に『今後も長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文してください』と文書で指示。規制当局の安全委が、規制方針に関わる文書作成を業界側に丸投げ」http://t.co/zuoU3vf3

2012-06-06 17:53:58
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

3.「安全委は会議資料を昨年十月までに全部公開したと説明していたが、国会事故調査委員会が五月、非公開の資料があるのではと指摘し提出を要求。公表漏れが分かった」「安全委は『公開の準備を進めていたが忙しくなり忘れてしまった』と釈明」(東京新聞)http://t.co/rWgnxCZe

2012-06-06 17:55:58
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

↓1番目と2番目は「過去の話」だけど3番目のは「現在の話」。監督官庁の体質は大事故の前も後も全然変わっていないことを物語っている。日本の組織にとって「失敗」や「敗北」は、組織内の問題点を見直して改める機会には成り得ない、という教訓を、70年前の実例と重ねて思い知らされている気分。

2012-06-06 17:56:48
K助 @keisuke_m

@mas__yamazaki という事は、織田信長のような「キチガイ」が権力を握るか、マッカーサーに「占領される」事によって破壊されない限り、駄目なまま変われないという事になりますね。軽く絶望します。ま、ウチの会社を見ていれば、組織上層部構成員に自浄能力皆無なのは一目瞭然ですが。

2012-06-06 20:05:25
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

『証言録 海軍反省会』は元海軍軍人による「当時の空気についての証言」ですが、軍令部の一部には「戦争が避けられないのだったら、陸軍と一緒に開戦して敗北するしか道はない、という認識」があったとの話が書かれています。暴走したら事実上止める術が無いのが日本の公的組織。@keisuke_m

2012-06-08 12:33:39
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

日露戦争後、軍令部は一般向けとは別に、内部で研究用の詳細な147巻の戦史記録書を編纂しましたが、なんと「機密」扱いで、ほとんどの海軍軍人が目にする機会が無く、太平洋戦争まで死蔵された後で処分されたとのこと。現在も「電子複写不可」。戦例から学ぶという発想が無い。@keisuke_m

2012-06-08 12:38:23
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

日露戦争後、軍令部は一般向けとは別に、内部で研究用の詳細な147巻の戦史記録書を編纂しましたが、なんと「機密」扱いで、ほとんどの海軍軍人が目にする機会が無く、太平洋戦争まで死蔵された後で処分されたとのこと。現在も「電子複写不可」。戦例から学ぶという発想が無い。@keisuke_m

2012-06-08 12:38:23
山猫男爵 @baron_yamaneko

@mas__yamazaki @keisuke_m 「極秘 明治三十七八年海戦史」であれば、終戦時に処分を免れたものの1組が、アジア歴史資料センターによりデジタル化されてウェブ公開されています。 http://t.co/1w2bLHXY

2012-06-08 12:57:08
Rogue Monk @Rogue_Monk

@mas__yamazaki @keisuke_m @uchidahiroki 第一次世界大戦の時のドイツ軍参謀本部は「これでカッコイイ戦争ができるぜっ!唯一の欠点は負けることだけど、気にするなっ」という意見が主力だったとか。どこも集団心理ですな

2012-06-08 12:58:53
K助 @keisuke_m

@Rogue_Monk @mas__yamazaki @uchidahiroki 資料を公開すると、分析によって責任の所在が明らかになるので極秘扱い。国家の存亡より組織のメンツ、組織のメンツより個人の権益、というのが日本人なのでしょうか。問題点を直視出来る能力は皆無に思えます。

2012-06-08 17:40:56
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

ご教示ありがとうございます。「電子複写不可」は防衛省にあるコピーですが、アジア歴史資料センターの方では公開されていたのですね。迂闊にも見落としていました。しかし公開は2010年ですか…。100年近くが経過してやっと日の目を見た。@baron_yamaneko @keisuke_m

2012-06-08 19:01:09
K助 @keisuke_m

@mas__yamazaki http://t.co/KRPXjgnj まさしく、旧軍の発想と同じですね。本当に、日本の組織が持つ精神性は変わらないんだなぁ、と痛感させられます。

2012-06-08 20:19:44
なつき @Hikasuke333

細谷千博「とりわけ私の脳裏にやきついているのは、日露戦史について語られた熱をおびた言葉である。きっと西浦(進)さんの持論であったかと思うのだが、日露戦争についての戦前の教育がいかに歪められていたものであったか、また事実が事実として正しく記録されず、知らされることが如何に

2012-06-08 23:32:40
なつき @Hikasuke333

少なかったかを指摘され、もしも日露戦史についての正しい理解が指導者・国民の間に徹底していたとしたならば、あるいは太平洋戦争の非局に突入することも避けられたのではないか。とすら強調されたのである」

2012-06-08 23:32:54
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

田中宏巳『東郷平八郎』(ちくま新書)に次のような記述がある。「(日本)海軍が戦史を秘密にするのは一つの伝統として定着し、(中略・第一次世界大戦や上海事件の戦史は)秘密扱いのなかで最も重要な軍機の扱いになり、海軍のなかでその存在を知る者さえひと握りの首脳だけであった」(69ページ)

2012-06-08 23:37:13