かおるさとーさんの『氷菓』#7 解説

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かおるさとー @kaoru_sato

『氷菓』7話について気づいたことをいくつか。

2012-06-09 21:26:01
かおるさとー @kaoru_sato

今回は温泉回でしたね。前回と同じく1話完結の話、短編です。古典部メンバーが合宿とは名ばかりの小旅行に出かけます。もちろん今回もミステリはあります。とはいえ旅先で起こる謎の殺人事件、みたいなことは起きません。この作品のミステリは、あくまで“日常の謎”ですから。

2012-06-09 21:28:24
かおるさとー @kaoru_sato

それでは内容に触れていきます。まず冒頭。バスの中で4人が雑談をするシーンから。話題を振るのは里志。基本的に会話の流れを作るのは彼か千反田さんですね。奉太郎は自分から話を振ることはあまりしません。やらなくてもいいことだからでしょうね。

2012-06-09 21:30:13
かおるさとー @kaoru_sato

テントウムシが4人の周りを飛んでいます。テントウムシは英語で「Ladybird」と言うそうですが、4人の中でテントウムシを気にしているのは奉太郎のみ。これは“雛”の暗示なのでしょうか。考えすぎかしら。ちなみにこの場合のLadyは、聖母マリアを表しているそうです。聖母……だと……?

2012-06-09 21:31:32
かおるさとー @kaoru_sato

浜名湖のハッシーについて、ロマンを語る摩耶花に、真実が気になるという千反田さん。どちらでもかまわないけど今回はいたほうがおもしろそうだとすでに楽しそうな里志。そして幽霊はどれも枯れ尾花さとバッサリ斬る奉太郎。4人の性格がわかりやすく表れていて、おもしろいですね。

2012-06-09 21:39:35
かおるさとー @kaoru_sato

Aパート。今回の旅行のいきさつが簡潔に説明されます。どうやら千反田さんが「氷菓事件」のお礼もかねて企画したみたいですね。しかしその顔にははっきりと「いきたいいきたいみんなでいきたい」とすでに旅行モードに入っている様子が窺えます。それはもうはっきりと、文字で。怖い。

2012-06-09 21:40:36
かおるさとー @kaoru_sato

夏休みは家でのんびり過ごすのが奉太郎式なのでしょうが、千反田さんは行動派なので、みんなでおでかけという方向に行くんですね。そして奉太郎は千反田さんを拒否できません。これについては少し思うところがあります。が、それはまた後で。

2012-06-09 21:42:10
かおるさとー @kaoru_sato

バスに揺られて目的地へ向かう古典部一同。しかし奉太郎だけ乗り物に酔ってしまいます。わずかな行程でも、奉太郎にとっては多大なエネルギー消費だったようです。これに対しての3人の反応。軽口を叩く里志。呆れる摩耶花。心配そうに背中をさする千反田さん。性質の違いがここでも見られます。

2012-06-09 21:43:18
かおるさとー @kaoru_sato

青山荘につくと出迎えが。今回のゲストキャラ、善名姉妹の登場です。姉の梨絵と妹の嘉代。活発な姉に比べて、妹はおとなしそうな子ですね。小6と小4になったと言っていますが、原作では中2と小6でしたから、少し設定が変更されています。4人が泊まるのは別館の一番奥。本館は改装中です。

2012-06-09 21:53:23
かおるさとー @kaoru_sato

部屋で里志が、奉太郎の発言に対して「冗談」と言います。省エネ主義者が一人で温泉宿にわざわざやってくるわけがないという意味ですが、たまにはこういうのも悪くないと発言した奉太郎に対しての言葉ということを考えると意味深ですね。「みんなで旅行というのも悪くないだろ?」と言っているような。

2012-06-09 21:54:58
かおるさとー @kaoru_sato

チーズの匂いに気づいてデザートを言い当てる奉太郎に、梨絵が驚きます。推理という程のものではないかもしれませんが、いきなり言い当てられたらびっくりするでしょうね。小学生ならなおさら。摩耶花が事前に奉太郎に関して何か言っていたようですが。ちょっと変なヤツとでも言っていたのでしょうか。

2012-06-09 21:56:01
かおるさとー @kaoru_sato

味噌汁をこぼしてしまう嘉代。梨絵と接触して起きた事故で、嘉代のせいと言い切れるものではありませんが、嘉代はごめんと謝ります。やはり姉には頭が上がらないのでしょうか。同じく姉のいる奉太郎の胸中やいかに。

2012-06-09 21:58:07
かおるさとー @kaoru_sato

部屋に戻ると里志はすでにいません。奉太郎は手持ち無沙汰になります。本でもあれば暇を潰せたのかもしれませんが、持ってきていないようですね。ごろごろしたあと、温泉に行くことを決めます。温泉が近くでよかったですね。歩いて30分とかだと、たぶんそのままごろごろしていたことでしょう。

2012-06-09 21:59:50
かおるさとー @kaoru_sato

たまたまタイミングのあった千反田さんと一緒に温泉へと向かいます。途中で姉について訊かれます。今は外国に旅行に行っている供恵さんのことですね。いろんな意味で奉太郎を上回り、勝てないと言わしめる彼女。作中で最も謎な人物です。彼女の出番は今後あるのでしょうか。

2012-06-09 22:01:13
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんの夢見るきょうだい像。尊敬できる姉か、かわいい弟がほしかったと言います。一口にきょうだいと言っても千差万別で、必ずしもいいものではないのですが、千反田さんにはいい面しか見えていないようです。奉太郎は幽霊と評しますが、これは供恵さんに対するコンプレックスの表れでしょうね。

2012-06-09 22:02:01
かおるさとー @kaoru_sato

この、夕暮れの中を二人が歩く場面。今回ここが妙に印象的でした。ゆるやかな下り坂になっているのですけど、二人で道を下っていく背景の微妙な変化がものすごく綺麗です。坂のゆるやかさって、こんなに見事に描けるものなんですね。

2012-06-09 22:03:37
かおるさとー @kaoru_sato

「ここ、混浴じゃないようですね」という千反田さんの謎のつぶやき。……天然の一言で片付けるには、ちょっと迂闊な発言ではないでしょうか。これを理解するにはどうすればいいのでしょう。まさか千反田流の冗談なのでしょうか。……ああ、ありえますね、冗談。前回の冗談です発言もありますし。

2012-06-09 22:06:56
かおるさとー @kaoru_sato

奉太郎の脱衣シーンにスタッフの気合が窺えます。肋骨が浮き出るところとか、横切る子供の絶妙なブロックとか。湯船に入る際の足の動きなんかはもう感心するしかありませんでした。里志の平泳ぎはマナー違反ですけど、あれってすごく巧い手ですね。ごく自然に大事なところを隠せるから。

2012-06-09 22:09:52
かおるさとー @kaoru_sato

並んで湯船に浸かる二人。竹垣の向こうからお湯をかける音が聞こえてきます。妄想にとらわれる奉太郎。妄想なのに、いえ妄想だからでしょうか、ものすごく色っぽい千反田さんが描かれます。省エネ主義といっても、そこはやっぱり男の子ですねえ。混浴発言にも反応してましたし。当たり前か。

2012-06-09 22:15:28
かおるさとー @kaoru_sato

妄想と言いますか、音からの想像と言いますか。

2012-06-09 22:16:52
かおるさとー @kaoru_sato

湯あたりを起こしてしまい、奉太郎は里志の肩を借りながらなんとか部屋に戻ってきます。摩耶花が布団を敷いたり窓を開けたりと、細かく動くところがいいですね。それにしてもこんなに色っぽく描かれる主人公なんて、そうそういないのではないでしょうか。バス酔いが残っていたのかもなんて、強がり。

2012-06-09 22:19:52
かおるさとー @kaoru_sato

湯あたりの原因は明らかですよ。

2012-06-09 22:20:31
かおるさとー @kaoru_sato

目をつぶってぐったりしているところに、誰かが入ってきます。千反田さんです。お風呂上がりなので匂いとか雰囲気でだいたい察しはつきます。しかしいきなり頬に手を当てられるとは思ってもみなかったでしょう。奉太郎が額に腕を乗せていたので、代わりということで頬に手を伸ばしたのでしょうか。

2012-06-09 22:24:00
かおるさとー @kaoru_sato

体を丸めて顔を赤くする奉太郎がかわいいです。動揺する様子が年頃の男の子らしくていいですね。ここでごまかすように「せっかくの合宿に水を差して悪いな」と言う言葉が。千反田さんの目にはどう映ったのでしょう。こういう節々の言動が、千反田さんの信頼につながっているのかもしれませんね。

2012-06-09 22:31:31
かおるさとー @kaoru_sato

隣の部屋から怪談話が聞こえてきます。語り手は姉の梨絵。青山荘の本館と別館にまつわる話みたいです。どこにでもあるような内容ですが、摩耶花だけ少し怯えているみたいです。怪談、苦手なんでしょうね。里志がおもしろがる一方で、千反田さんが軽く好奇心を発露しているのが声から伝わってきます。

2012-06-09 22:33:22