作品制作の難しさ【こだわり】と【共感】

スワちゃん🇺🇦수와짱 @SWVII

①作品制作の難しさについて。メディア上の作品（漫画、アニメ、小説、音楽、映画、テレビドラマetc.）に対して顧客が求めるのは何か？売れる漫画とは何か？黒字になる映画とは何か？視聴率がとれるテレビドラマとは何か？

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②作品の制作者（制作は作家の個性が込められた作品、製作は商業用のシャンプーとかテレビとか自動車といった製品。アンディ・ウォーホルのキャンベル・スープ缶やデュシャンの「泉」の話はややこしくなるのでパス）が自分のこだわりを前面に押し出すと芸術となり、

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③顧客の要望に合わせた作品制作をすると娯楽に成り易い傾向が強いと考えられる。国民性に因っても傾向は変わるかもしれない。北野武監督の『ソナチネ』は日本国内では1週間で上映を打ち切られるほど評価が低かったが、海外では多くの賞を受賞してフランスでは半年間のロング上映を果たした。

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④黒澤明監督の映画『羅生門』も、日本国内では「ストーリーが難解である」という理由から評価が低かったが、ヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞して、黒澤明や日本映画が世界に紹介されるきっかけとなった。

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⑤作品の制作者が「自分自身のこだわり」を前面に押し出した作品を制作すると、一部の通好みの作品となるが一般受けしないことが多い。その作品が“芸術”と評価されれば、作品に対する価格も桁違いに跳ね上がる。

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⑥村上隆の『My Lonesome CowBoy』がサザビーズのオークションで1516万ドル(当時のレートで約16億円)で落札されたことなどが良い例である。

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⑦TBSの有名プロデューサーの講演を聴いたことがある。テレビドラマの視聴率は1分ごとに集計され、平均視聴率がその回の視聴率とされる。そのプロデューサーは1分ごとの視聴率を調べ、視聴率が高いシーンに共演していた役者の組み合わせを次の脚本から増やすという話をしていた。

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⑧そのプロデューサーは「“良い作品”を作っても視聴率がとれなくて、誰も見てないのでは意味がない」とも話してた。この“良い作品”が何を指すのかは判らない。【社会問題を扱ったドキュメンタリー】なのか【難解な芸術作品】なのか、或いは他の意味なのか？

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⑩作品を一般受けして黒字にしようと考えるなら【自分自身のこだわり】ではなく【より多くの共感を呼ぶ】作品にすることが近道だと思う。娯楽は【より多くの人が求める】作品制作と言い換えても良いかもしれない。

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⑪一番難しいのは【自分自身のこだわり】ではなく【より多くの共感を呼ぶ】ことだ。【こだわり】と【共感】が一致するとは限らない。【自分自身のこだわり】に基づいた作品は、自分自身にとっては最高の作品であることは間違いない。それを評価してくれる“通”の人もいるかもしれない。

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⑫ただ【自分自身のこだわり】が一般受けするとは限らない。【より多くの共感を呼ぶ】作品でなければ売れない。漫画『バクマン。』にも、そうした芸術と娯楽にこだわるシーンが登場する。芸術にこだわるアシスタントが自分の描いた漫画を編集者に見せて「これじゃ売れない」と突き返される。

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⑬【自分自身のこだわり】を売ろうと考えたなら、イニシャルコスト（初期投資費用）を限りなくゼロに近づけることも一つの作戦だ。売れなくても赤字にはならない。漫画を同人誌にすると印刷代（イニシャルコスト）がかかるが、ダウンロード販売のみにすればイニシャルコストは殆どゼロに等しくなる。

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⑭同人誌が売れ残れば赤字になるが、漫画のダウンロード販売のみであれば赤字にはならない。音楽の場合でもダウンロード販売とCD手焼きのみにすればイニシャルコストを下げられる。

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⑮映画監督はそれぞれ一つのテーマに基づいて一生、作品を制作することが多い。例えば、黒澤明監督の映画に共通するテーマは【人間性とはなにか？】、スタンリー・クーブリック監督は【コミュニケーションの失敗】、ティム・バートン監督は【異形の者への愛情】、

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⑯デヴィッド・リンチ監督は【日常生活の裏に潜む異常性】を描いている。デヴィッド・リンチ監督のデビュー作『イレイザーヘッド』は、アメリカの独立系映画館でレイトショーされてロング上映のヒット。カルト映画でありながらメジャー作品という稀有な存在である。

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⑰デヴィッド・リンチ監督の様に、【自分自身のこだわり】と【より多くの共感を呼ぶ】作品をいかにして近付けるか？作品の制作者にとっては、常にそこが最も難しいポイントである。