「母がしんどい」を読んで
http://www.amazon.co.jp/母がしんどい-田房-永子/dp/4404041691
「親といるのが息苦しい、でも決別するには罪悪感がある……そんなあなたにこそ読んでもらいたい、毒親との戦いの記録(本書の帯より引用)」
個人的に「毒親」という表現は嫌いです。親にそういうレッテルを貼ると、子供だってレッテル貼られても文句言えないからです。
2012-06-11 10:15:59別に親と和解する必要はないと思います。それがベストだろうけど相手がいることだから自分だけではどうしようもないですからね。でも親がどうしてこうなってしまったかを考察することは可能だし、それによって自分への理解を深めることができる。
2012-06-11 10:21:38「母がしんどい」を読んで一番印象に残った言葉は、エイコが受診した心療内科の医師が「子供が幸せになればなるほど『私のおかげ』って恩を着せる人達だからね」とエイコの両親を評したところ。
2012-06-11 13:42:26彼らは「子供のため」に尽くしてきたと思ってるし、その方法が間違ってるなんて微塵も思ってない。どんなに子供が嫌がっても「あなたの為なのに何でそんなこと言うの?」と憤る。全く話が通じない。そのうち話が通じないから会話することを諦めちゃうんだなこれが。
2012-06-11 13:44:13エイコの母親と実母は全く性格が違うが(エイコの母親は社交的だが実母は引きこもりに近い引っ込み思案)、共通してるのは「あなたのため」と相手の為に自分が行動してることを信じて疑わないこと。そして子供は自分の唯一の味方だと思ってるところ。
2012-06-11 13:46:13でもその「味方」というのは自分の考えを全て受け入れてくれる人って意味なんだな…。しかしそんな人はたとえ肉親でもいないわけで。エイコの母親はエイコが異を唱えると激昂してたが、実母の場合はくどくどと説教が始まる。ただの自己正当化なんだけど本人は正論と思ってるから始末に負えない。
2012-06-11 13:49:00エイコはそういう環境から逃げ出したくて彼氏と同棲を開始し婚約する。子供が親元を離れるために一番手っ取り早い方法は結婚なんだな。実は実母もそうやって家庭から逃げ出した人だった。「地元から離れられるなら結婚相手は誰でも良かった」と私に明言してる。
2012-06-11 13:52:29しかしそういう考えだと結局はうまくいかないわけで。エイコの場合は親からの抑圧から逃れる代わりに彼氏から抑圧されるだけだったし、実母は地元から離れた代わりに誰からも理解してもらえない孤独が強まるだけだった。実父は仕事で家を空けることが多い人だったからね。
2012-06-11 13:54:44ただ、のんびり寛げる場所が欲しいだけなのに。それがなかなか得られない。得られないから家を飛び出すけどうまくいかない。絶望しかなくなるわけです。
2012-06-11 13:56:53この過程で少しでも「親にも問題あるが自分にも問題があるんじゃないか?」と気づけたらいいんだけど、実母の場合は悲劇のヒロインよろしく周囲が全て悪いって人だったからなー。
2012-06-11 13:59:04「なんでこんな不幸な母親を労らないの?」というオーラが出てて、「私だって十分不幸だ」って感情を出せない。出してしまえば「あなたも私を見捨てるのね」って感じで泣かれるのがオチだから。
2012-06-11 14:00:48自分の人生は自分のものだから頼る人は必要でも主体は自分。でも実母は主体的な行動はほとんどできなかった。私が小学生の頃一度働きに出ようかと言ってたけど、結局1度面接して断られてから働くことはなかった。ちなみに実母は働いたことはないです。住み込みの家政婦を少しやったことがあるだけ。
2012-06-11 14:06:01狭い世界に閉じこもって近所付き合いもロクにせず、母親同士の繋がりもほとんどなく。実母はますます私に依存していった。早く社会人になるしか逃げる道はないと思った。だから中学卒業したらすぐ就職したかったけど、結局高校卒業してから就職。結婚は考えてなかった。実母みたいになりたくないから。
2012-06-11 14:10:05就職が地元だったから母から完全に離れられなかったんだけど、転機が訪れたのが28歳の時。父方の祖父が亡くなって祖母が一人暮らしになったので誰かついてやらねばという親族の声。私は独身だし長子の子供なので私が祖母と一緒に住むことになった。
2012-06-11 14:12:59その後は祖母のお節介で見合い話に付き合って夫と結婚してご覧の通りです。ああ、普通に接してくれる人がいるんだっていう安心感が得られたので、結婚して本当に良かったと思います。
2012-06-11 14:14:57長男の夜泣きが酷かったとき、夜泣きで睡眠不足だったのもありイライラしてたことが多かったんですが、それに対して夫は「母親なんだから」と言うことは一切なかった。「俺が寝かしつけるから今日は寝ろ」って言ってくれた。決して私の態度を非難することはなかった。これがどんなにありがたかったか。
2012-06-11 14:17:32恐らく夫だって夜泣きで寝られなかったろうし、私の態度にイライラすることもあったと思うけど、どうすればいいか分析できるだけの冷静さを持ち合わせてる人なので、私がどうして欲しいかを的確に読み取ってくれてたんだと。これが受け入れてもらえるってことなんだろうなと思います。
2012-06-11 14:19:23