クローズアップ現代「ユーロ離脱か残留か　ギリシャ再選挙の行方」書き起こし・ほぼ完全版　#nhk

とし @toshihiro36

<ナレーション>　世界が注目するギリシャの再選挙。政府が巨額の財政赤字を抱える中、緊縮策をめぐって激しい選挙戦が繰り広げられています。選挙の結果によってはギリシャだけにとどまらず、ヨーロッパ全体に大きな影響を与えかねません。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　ギリシャが緊縮策を破棄すればＥＵなどからの支援が受けられなくなり、ギリシャのＥＵ離脱が現実味を帯びてきます。その結果、通貨ユーロの信用性が大きく揺らぎ、ヨーロッパ発の世界経済危機を招きかねないというのです。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　ギリシャ支援のカギを握るドイツ、いま支援を続けるかどうかについて大きく揺れています。ギリシャの再選挙をきっかけに、かつてない危機に直面する通貨ユーロ。ヨーロッパ発の経済危機を食い止められるのか、その行方に迫ります。

とし @toshihiro36

国谷：こんばんは、クローズアップ現代です。景気が落ち込み巨額の借金を抱える国を引っ張る政権にとりまして、国民に痛みを伴う政策への理解・合意を取り付けていくのは容易なことではありません。

とし @toshihiro36

国谷：ＥＵ・ヨーロッパ連合やＩＭＦ・国際通貨基金から金融支援を受けなければ、財政が立ちゆかなくなったギリシャでは、公務員を１５万人削減。年金を平均で２０％カット。日本の消費税にあたる付加価値税の引き上げ。そして新たな不動産税の導入など、厳しい財政緊縮策が次々ととられています。

とし @toshihiro36

国谷：金融支援を受けるためのこうした条件が、ギリシャの人々の暮らしを直撃しているわけですけれども。この厳しい財政緊縮策をめぐってギリシャの政治が揺らぎ、政局の行方によってはヨーロッパの信用不安問題の拡大につながって、世界経済が深刻な影響を受ける可能性もあります。

とし @toshihiro36

国谷：ギリシャの政治状況ですけれども、ギリシャでは先月議会選挙が行われ、国民生活を圧迫する緊縮策に反対する政党が躍進しました。その後、連立協議がことごとく失敗し政権作りができず、今月もう一度選挙が行われることとなったのです。

とし @toshihiro36

国谷：ギリシャ・アイルランド・ポルトガル、そして今週ユーロ圏第４位の経済規模を持つスペインも経済支援を受けることになり、ヨーロッパの信用不安がいっこうに収まらないなか、世界が固唾をのんで見守る１７日のギリシャの再選挙。

とし @toshihiro36

国谷：もし厳しい緊縮策にＮＯを訴える政党が政権をとれば、ＥＵなどからの支援が途絶えギリシャがユーロ圏からの離脱を迫られるよいう可能性さえささやかれているのです。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　先月の議会選挙で第２党に躍進した急進左派連合。政府が進める緊縮策の破棄を唱え、議席を５倍近くに増やしました。ツィプラス党首３７歳、いまの苦しい生活は外国から押しつけられた緊縮策のせいだと訴える。都市部の低所得者を中心に幅広い支持を集めています。

とし @toshihiro36

ツィプラス：我々が政権をとったら、真っ先に緊縮策を破棄します。ギリシャはヨーロッパの変化の先頭に立たなければいけないのです。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　悪化の一途をたどるギリシャ経済、中小企業の倒産はこの２年で６万社。失業率は２０％あまり、若者に至っては２人に１人が職につけていません。生活苦を理由に自殺をする人も相次ぐなど、緊縮策による悪循環が問題となっています。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　こうした国民の不安を背景に、いま急進左派連合はさらに支持を拡大させています。アテネ郊外で開かれた集会、この日２００人以上の支持者が集まりました。集会に参加していたイリーニ・カラサビーディさん、公務員数削減のあおりを受け職を失いました。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　緊縮策はただちに止めるべきだと考えています。　イリーニさんは夫と二人子供、義理の母との５人暮らし。配管工をしている夫のヨルゴスさんも、緊縮策の影響でこの２年急激に仕事が減りました。去年からは家賃も払えなくなり、今では義理の母の住まいに身を寄せています。

とし @toshihiro36

イリーニ：この先どうなってしまうかわからず不安です。緊縮策が続けば、ますます貧しくなっていくだけです。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　いま家計を圧迫しているのが、心臓病などを患う義理の母の薬代。１日１２種類の薬が欠かせません。しかしその負担が大幅に増えているのです。これまで薬の自己負担は高いもので２５％でした。しかし国の財政難から、患者が薬局で全額分を支払わなければいけないケースも出ています。

とし @toshihiro36

イリーニ：これまで私たちが支払っていたのは３０ユーロ。それが今じゃ２００ユーロです。いま起きている状況は、ひどいわ。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　頼りにしていた母親の年金は２万円減額され、月７万円程度。イリーニさん夫婦は今後の生活に不安を募らせています。

とし @toshihiro36

イリーニ：もうこれ以上、緊縮策には耐えられません。まずギリシャ経済を回復させることが必要です。私たちにとっては、日々の暮らしの方が大事なのです。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　一方、急進左派連合と真っ向から対立しているのが、緊縮策を押し進めてきた連立与党の一つ、新民主主義党です。サマラス党首はユーロ圏にとどまるためにも、各国に約束した緊縮策を継続しなければならないと強調する。

とし @toshihiro36

<ナレーション>　急進左派連合は緊縮策を破棄してもユーロ圏にとどまることができるとしていますが、そうした主張は実際には不可能だと攻勢を強めています。

とし @toshihiro36

サマラス：急進左派連合が主張する政策はまやかしです。緊縮策を一方的に破棄すれば、国際的に孤立してしまう。「ユーロからの離脱」という破滅的事態に追い込まれることになるのです。