(シーケンスあらすじ) 暗号「タヌキ」を紐解く過程で、フリージャーナリスト「ナンシー・リー」は危険な陰謀を捉えていた。ヨロシサン製薬が開発したバイオ・マッポをネオサイタマ警察が大量導入しようとしている。ナンシーはニンジャスレイヤーの協力をあおぐ。→
2010-08-27 12:33:39(あらすじ) 暗号「タヌキ」を紐解く過程で、フリージャーナリストのナンシー・リーは危険な陰謀を捉えていた。ヨロシサン製薬が開発したクローンマッポをネオサイタマ警察が大量導入しようとしている。ナンシーはニンジャスレイヤーの協力をあおぐ。
2012-06-15 19:31:22→バイオ・マッポの導入を看過すれば、ネオサイタマの治安機構すらもソウカイ・シンジケートの手中に収められてしまうであろう。ニンジャスレイヤーはナンシーとともに、オカキ工場に偽装されたヨロシサン製薬のバイオプラントに潜入する。
2010-08-27 12:44:43クローンマッポの導入を看過すれば、ネオサイタマの治安機構すらもソウカイ・シンジケートの手中に収められてしまうであろう。ニンジャスレイヤーはナンシーとともに、オカキ工場に偽装されたヨロシサン製薬のバイオプラントに潜入する。
2012-06-15 19:32:24「ゆくぞ」背後の声にナンシーは飛び上がるほど驚いた。ニンジャスレイヤーであった。「いつからそこに?」「……地図があると聞いたが。見せてもらおう」ニンジャスレイヤーは無感情な声で言った。ナンシーは色褪せたパンチ紙を取りだす。「一年前のデータだから、不正確かもしれない……」
2010-08-27 12:57:11「ゆくぞ」背後の声にナンシーは飛び上がるほど驚いた。振り返ると、現地集合の場に現れたニンジャスレイヤーだ。「いつからそこに?」「地図があると聞いたが。見せてもらおう」ニンジャスレイヤーは無感情な声で言った。ナンシーは色褪せたパンチ紙を取りだす。「一年前のデータだから不正確かも」1
2012-06-15 19:35:30ニンジャスレイヤーは十数枚に及ぶパンチ紙を三秒で確認し終えた。「なるほど、あのオカキ工場……」身を乗り出し、崖下の貧相な工場を見下ろす。ひび割れたコンクリート製の瓦屋根と、小さな煙突が一つ。入り口のノレンに書かれた「オカキ」の文字。
2010-08-27 13:08:15ニンジャスレイヤーは十数枚に及ぶパンチ紙を三秒で確認し終えた。「なるほど、あのオカキ工場……」身を乗り出し、崖下の貧相な工場を見下ろす。ひび割れたコンクリート製の瓦屋根と、小さな煙突が一つ。入り口のノレンに書かれた「オカキ」の文字。2
2012-06-15 19:38:40「信じがたいかもしれないけど、確かな情報なのよ…」ナンシーが説明しようとするのをニンジャスレイヤーは手で制した。「言わずともわかる。見ろ。あの巡回警備員」ニンジャスレイヤーは二人組でぶらぶらと工場の入り口近くをうろつくツナギ姿の男を指差した。
2010-08-27 13:12:46「信じがたいかもしれないけど、確かな情報なのよ……」ナンシーが説明しようとするのをニンジャスレイヤーは手で制した。「言わずともわかる。見ろ。あの巡回警備員」ニンジャスレイヤーは二人組でぶらぶらと工場の入り口近くをうろつくツナギ姿の男を指差した。 3
2012-06-15 19:41:56「NN445で武装している。湾岸警備軍に支給される装備だ。それに、やつらの顔を見ろ。双子のように似ているだろう」ナンシーはうなずいた。「クローン・ヤクザね」「そうだ。あの顔はY12型、最新のクローン・ヤクザだ。ただのオカキ工場に精鋭武装のY12、ツーマンセルを三組。ありえん」
2010-08-27 13:19:39「NN445で武装している。湾岸警備軍に支給される装備だ。それに、やつらの顔を見ろ。双子のように似ているだろう」ナンシーはうなずいた。「クローンヤクザね」「そうだ。あの顔はY12型、最新のクローンヤクザだ。ただのオカキ工場に精鋭武装のY12、ツーマンセルを三組。ありえん」 4
2012-06-15 19:45:07入り口の二人、裏口にも二人。二階のバルコニーで、同じ姿勢でタバコを吸っている二人。計六人。全員が同じ風貌である。ニンジャスレイヤーにとってはあまりにも見慣れた顔立ちであった。彼のジュー・ジツを持ってすれば、クローン・ヤクザなど百人来ようが勝負にもなるまい。
2010-08-27 13:23:26入り口の二人、裏口にも二人。二階のバルコニーで、同じ姿勢でタバコを吸っている二人。計六人。全員が同じ風貌である。ニンジャスレイヤーにとってはあまりにも見慣れた顔立ちであった。彼のジュー・ジツを持ってすれば、クローンヤクザなど百人来ようが勝負にもなるまい。 5
2012-06-15 19:48:14しかし、貧相な工場の中に何が待っているかわからぬ以上、力に頼って正面から突っ込んで行くのは愚策である。ニンジャスレイヤーは岩肌にクサビを打ち付け、崖下にザイルを垂らした。「下りられるか」「ええ」ナンシーは頷いた。ニンジャスレイヤーは片手でザイルをつかみ、崖を蹴りながら降りて行く。
2010-08-27 13:39:18しかし貧相な工場の中に何が待っているかわからぬ以上、力に頼り正面から突っ込んで行くのは愚策である。ニンジャスレイヤーは岩肌にクサビを打ち付け、崖下にロープを垂らした。「下りられるか」「ええ」ナンシーは頷いた。ニンジャスレイヤーは片手でロープをつかみ、崖を蹴りながら降りて行く。 6
2012-06-15 19:51:19崖下、ナンシーが着地すると、すぐにニンジャスレイヤーはザイルを外した。特殊な力の掛け方をするだけで容易に外す事のできるザイルが、するするとニンジャスレイヤーの手に収まる。ドウグ社の「オナワ」は、マッポーの世に失われつつある職人の技を継承しつづけているのだ。
2010-08-27 14:16:32崖下、ナンシーが着地すると、すぐにニンジャスレイヤーはフックを外した。特殊な力の掛け方をするだけで容易に外す事のできるフックロープが、するするとニンジャスレイヤーの手に収まる。ドウグ社のフックロープは、マッポーの世に失われつつある職人の技を継承しつづけているのだ。 7
2012-06-15 19:55:25「ここで待て。片付ける」言うなり、ニンジャスレイヤーは身を屈めて滑る様に工場へ向かう。「オカキ」「水性」とペイントされたコンテナの陰から陰へ身を移し、入り口のクローン・ヤクザへ近づく。
2010-08-27 14:21:00