ウクライナ国家法にみる被害の認定と補償のあり方 Ver. 0.9 について

ウクライナ国家法にみる被害の認定と補償のあり方 Ver. 0.9(https://t.co/Wt0JYjA)についてまとめてみた。 できれば、このtogetterでなく、煩雑ながら本体もぜひ読んでいただきたいです… 核種の違いや内部被ばくが考慮されていないこと、計算過程についても紹介してあります。 続きを読む
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Masashi Shirabe @M_shirabe

ウクライナ国家法にみる被害の認定と補償のあり方 Ver. 0.9(https://t.co/Wt0JYjA)について

2012-06-18 09:46:13
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (本日(2012年6月18日)より衆議院で子ども・被災者支援法案の審議が始まると聞いている。実は、昨年12月に「衆議院チェルノブイリ原子力発電所事故等調査議員団報告書」という報告書が出ていて、「公開」されているらしいのだが、そこに出ている重要な事項は注目されていない。

2012-06-18 09:48:29
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (ちなみに「公開」についてであるが、衆議院第二別館6階の国際部には現物が1部公開されており、閲覧が可能かつ必要部分をコピーすることもできるとのこと。また、公開されているので、出典を明記すれば引用もOKだそうである。

2012-06-18 09:51:51
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (生存権:「チェルノブイリ激甚災害被災者の地位保全と社会福祉に関する法律」の前文からは、被災者の地位保全と社会福祉が明確に憲法に保障する生存権の問題として取り組むべき課題と認識されていることが読み取れそうである。

2012-06-18 09:54:28
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (放射線による危険地域の区分:立ち入り禁止区域:1986年に住民の避難が実施された地域に加えて、汚染地域には3つの地域区分(無条件(強制)移住区域、保証された自発的移住区域、放射線モニタリング強化区域)が設定されている。

2012-06-18 09:56:39
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (日本の状況に合わせてセシウムだけに注目し、実効線量表記を空間線量表記に書き改めると、3つの地域区分の基準は次の通りになる(はず(^_^;))。

2012-06-18 09:58:51
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (無条件移住地域: セシウムによる汚染が555 kBq/㎡以上かつ算定した空間線量率が事故前のレベルを20mSv/年(約2.3μSv/時)超える地域

2012-06-18 09:59:25
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (保証された自発的移住区域: セシウムによる汚染が185から555 kBq/㎡の範囲かつ算定した空間線量率が事故前のレベルを4mSv/年(約0.46μSv/時)超える地域

2012-06-18 10:00:02
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (放射線モニタリング強化区域: セシウムによる汚染が37から185 kBq/㎡の範囲かつ算定した空間線量率が事故前のレベルを2mSv/年(約0.23μSv/時)超える地域

2012-06-18 10:00:47
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (ウクライナの法律(当初の法律はベラルーシも同じだったはず)の設定は事故後約5年を経ているので、その5年を考慮せよという見解はありえる

2012-06-18 10:03:06
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (しかし、帰還の条件に「土地の放射性同位体汚染による年間追加被ばく線量が1mSv(0.1レム)以下となった時、住民は放射線防護のための制約を受けずに居住、労働することができる。」とあるので、その解釈は苦しいようには思う。ただ、一理はあるので…

2012-06-18 10:03:49
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (事故後5年でそれぞれの基準を超える条件(事故直後の数値)も出してみた。

2012-06-18 10:04:23
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (事故後5年を経て「無条件移住地域」に割り当てが想定される地域の事故直後の値: セシウムによる汚染が約1000 kBq/㎡以上かつ算定した空間線量率が事故前のレベルを約54mSv/年(約6.2μSv/時)超える地域

2012-06-18 10:05:47
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (事故後5年を経て「保証された自発的移住区域」に割り当てが想定される地域の事故直後の値: セシウムによる汚染が約350から1000 kBq/㎡の範囲かつ算定した空間線量率が事故前のレベルを約11mSv/年(約1.24μSv/時)超える地域

2012-06-18 10:06:30
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (事故後5年を経て「放射線モニタリング強化区域」に割り当てが想定される地域の事故直後の値: セシウムによる汚染が約70から350 kBq/㎡の範囲かつ算定した空間線量率が事故前のレベルを約5.4mSv/年(約0.62μSv/時)超える地域

2012-06-18 10:07:19
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (ウクライナと日本では、経済、社会などの状態も異なるので、ウクライナの対策をそのまま日本に当てはめるべきとは必ずしも言えないが、ウクライナと日本で被ばくが人の健康に与えるリスクに大きな違いがあるとは思えない。少なくとも地域区分についてはウクライナは参照すべきと思う。

2012-06-18 10:09:32
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (保証された自発的移住区域でできることできないこと:「住民に対する放射線防護、社会的保護の提供及び、生活・就業環境の提供に直接関連していない新規企業の設立や、既存の企業の拡張」や「健康状態を悪化させる可能性のある作業に学校の生徒や大学生を従事させること」など多数。

2012-06-18 10:11:02
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (保証された自発的移住区域における罹病リスク削減のための措置:以下を国が保証する。 自発的移住 全住民に対する年一回の複合的臨床検査 必要な量の薬品一式、飲用水、汚染されていない食料品の提供 適切な場合における、特殊な部隊による地域の除染 居住者への手当と補償 など

2012-06-18 10:13:27
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (放射線モニタリング強化区域でできることできないこと:「行楽地、サマー・キャンプ、リクリエーション基地や施設、また、公衆衛生や環境に対して悪影響を与える新規企業の建設」や「健康状態を悪化させる可能性のある作業に学校の生徒や大学生を従事させること」など

2012-06-18 10:14:23
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (放射線モニタリング強化区域における罹病リスク削減のための措置:以下を国が補償 年一回の複合的臨床検査 必要な量の薬品一式、飲用水、汚染されていない食料品の提供 手当と補償 など

2012-06-18 10:15:41
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (被災者の地位保全と補償: 放射線防護のための制約を受けない住民の居住と労働の条件 1.土地の放射性同位体汚染による年間追加被ばく線量が1mSv(0.1レム)以下となった時、住民は放射線防護のための制約を受けずに居住、労働することができる

2012-06-18 10:17:07
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (続き: 住民の帰宅 1.土地の放射の汚染度が、この法律の第3条第1項に定める放射線防護のための制約を受けない安全な居住ができる水準(追加被ばく実効線量1mSv/年)まで低下した後、住民は自発的な発意によってのみ帰宅することができる。(以下略)

2012-06-18 10:18:28
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (ウクライナ国家による補償の内容についてはあまりに多岐に渡るので、https://t.co/Wt0JYjA を見て下さい。まとめきれません。

2012-06-18 10:37:50
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (まとめると…法律から判断する限り、ウクライナではチェルノブイリ原発事故の被災者に対しては、多様な被害認定が行われ、手厚い補償を少なくとも提供する努力がなされていたことがわかる。

2012-06-18 10:20:39
Masashi Shirabe @M_shirabe

。o O (もちろん、ウクライナと我が国では経済・社会状勢も異なるので、ウクライナ国法と同じ項目やそこに定められた補償項目などの全てが必要である、あるいは実施可能であるとは言えない。

2012-06-18 10:21:29