2012年6月18日

インドネシア映画Soegija についての感想まとめ

2012年6月7日から本国インドネシアでの劇場公開が始まった映画Soegijaの主に日本語によるツイートをまとめました。他のインドネシア映画についてのツイートも一部含みます。 東京国際映画祭への出品常連であるガリン・ヌグロホ監督作品なので、日本在住で未見の方は今秋の上映に備えて予習していただければ幸いです。
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अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

3月に観た反日エクスプロイテーション映画「欲望の奴隷」の分析をまだ文章化できていない。怠け者。注目のイネ映画Soegijaの上映が始まってしまったし、いつ書けることやら...

2012-06-07 20:40:32
松井和久/Kazuhisa MATSUI @daengkm

明日から1週間ジャカルタを離れてスラウェシへ。その前にガリン・ヌグロホ監督の新作Soegijaを映画館で鑑賞。あえて主人公を前面に出さず、幾つかの人間模様を縦糸とし、日本やオランダの軍人等を含め、人物を丁寧かつ冷静に描く。現代への監督のメッセージが静かに迫ってくる。お勧め。

2012-06-10 20:40:40
松井和久/Kazuhisa MATSUI @daengkm

映画Soegijaのなかで、オランダ兵に「身分証の自分の名前も読めないのか!」と暴力を受けた少年が、後にそのオランダ兵がインドネシア独立ゲリラに撃たれた後、「俺、読めるぜ。独立って字を読めるぜ」と繰り返すシーン。今のインドネシアに関する様々なことが暗示されているような気がする。

2012-06-10 20:44:54
松井和久/Kazuhisa MATSUI @daengkm

主人公のSoegijaはスマランでインドネシア人初のカトリック教会司教となった。独立後、ゲリラ指導者に諭す。「政治をしっかりやりなさい。我々は国民を守るために独立国家を作った。政治がなければ権力しか考えなくなる」。今のインドネシアを示唆する語り。でも日本のことをすぐに思った。

2012-06-10 20:51:40
松井和久/Kazuhisa MATSUI @daengkm

インドネシアの国民は、国家が守ってくれるとはまず信じていない。日本は、国が国民を守ってくれると信じてきて、裏切られたと思い始めている。国を信じるのをやめて自分で動くか、それとももう一度信じられる国に作り直すのか。いずれにせよ「神話」はいらない。

2012-06-10 20:56:22
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

今日見たイネ映画Soegijaはオフビート的な民族主義映画。ガリン監督は意図的に登場人物たちに感情移入させない作りにしており、この種の映画にしては全般的に盛り上がりに欠け、感動的な場面や見せ場が無きに等しい。しかし理知的な彼らしい映画ではある。満員だったのは宣伝のおかげか?

2012-06-10 22:41:29
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

インドネシアの民族主義映画の系譜をたどると、Soegijaがいかにオフビート的か理解できると思う。個人的な評価では可もなく不可もなくといったところ。駄作でも凡作でもないが傑作でも怪作でもない。多分製作費が大きかったからだと思う。

2012-06-10 22:53:03
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

インドネシア近現代史が専門の研究者、倉沢愛子さん、後藤乾一さん、押川典昭さん、森山幹弘さん、林英一さんのSoegija評を聞いてみたいところ。考証は一応やっているはずだけど、ちょっとどうなのかなあという描写も散見された。まあ映画ですからね。

2012-06-10 22:58:13
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

主人公はプリブミ初のカトリック司祭なので、権威中の権威なのだが、従者はどういうわけかほとんどため口っぽい感じ。一般信徒は手に口づけするんだから尚更従者の振る舞いが際立っている。実は従者に茶化される主人公というのは、ジャワのワヤン的演劇作法なのかもしれない。

2012-06-10 23:02:19
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

今もジャワのカトリック司教があれほどの権威なのかどうか、異教徒の私は判断がつかないが、東ティモールのカトリック司教と教会は絶大な権威と権力をもってましたね。日本のカトリック団体があまりの封建的な振る舞いにショックを受けたと聞いたことあり。最近はどうなんだろうか。

2012-06-10 23:06:52
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

今頃気づいたが、映画Soegijaは聖職者が主人公にも拘らず、全然宗教映画になっていない。困難に直面する主人公の苦悩がまるで描かれていないし、ヒューマニズムは言葉で語られるだけで彼が体を張っている場面がほとんどない。激情の韓国映画だったらこうはならないだろう。

2012-06-10 23:11:11
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

まあ激しまくりの昔々の韓国映画も見るのは結構しんどかったりするんだけど。それにしても、信心深いとはいえない私を感動させる宗教映画ってインドネシアにはないのかしらん。グナグナ映画(オカルト)やダクワ映画(宣教プロパガンダ)はもういいよ!

2012-06-10 23:15:41
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

間もなく公開予定のDi Timur Matahariは毎年この時期に児童向け愛国映画を製作しているAri Sihasale監督作品。今回の舞台はパプア高地。景色を見る価値大いにあり。それくらい素晴らしい風景。お話はさてどうか。児童映画だからパプア問題の根本に触れることは無理か。

2012-06-10 23:45:30
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

映画Soegijaを見て日本人として気になったこと。日本軍人として鈴木伸幸さんが出演されているが、異様にナーバスな演技で違和感あり。はじめの登場シーンからして軍人か民間人か説明ないし。危機って何?しかも童謡「とおりゃんせ」の意味はインドネシア人にはわからないって!

2012-06-10 23:51:53
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

オランダ人を善玉悪玉出したんだから、日本人も両方出してもよかったと思う。憲兵隊と義勇兵とかね。あと、ひどいと思ったのはエンドクレジットで鈴木さんの役名がNobuyukiだったこと。俳優名もSuzukiだけだし。鈴木さんの意向なのか、製作側の軽視なのか。

2012-06-11 00:00:32
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

一応メモは取ったので、いずれ「欲望の奴隷」と「Soegija」の映画評を書き留めたい。ファブラス・バーカー・ボーイズみたいなのが書けたら最高なんだけど、これは不遜というものかも。

2012-06-11 00:04:45
びーと (NATORI Takashi) @BEAT_JAKARTA

@ahmadhito インドネシアの映画館って18年くらい行ってないんだけどこの映画は興味あり。できたらインドネシア人と観て感想を聞いてみたいけど最終上映って何時頃なんでしょうか?鈴木さんは10ほど前に一度食事したけどえらく真面目な人だった印象があります。

2012-06-11 00:55:54
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

@BEAT_JAKARTA 季節柄か日曜日だったからか、家族連れの観客が多かったですね。隣は赤ちゃんを連れた夫婦でした。子供が見ても面白い映画では全然ないのですが。最終上映は場所によりますが7時か8時からだと思いますよ。鈴木さんの演技は大げさというよりナーバスすぎるのが疑問でした

2012-06-11 09:34:40
松井和久/Kazuhisa MATSUI @daengkm

@ahmadhito 「とおりゃんせ」が出た時には吹き出してしまいました。でもその意味を知ってガリン・ヌグロホは使ったのでしょうかね?それより「俺の靴を盗んだのは誰だ?」と叫んだ少年と武器引渡し要求とのドサクサに発砲、のシーン。暴動の現場って意外にそうなのではと思いました。

2012-06-11 19:35:47
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

@daengkm 私も昨日満員の映画館で鑑賞しましたが、わざと感動的な場面を抑制した、極めてガリン監督らしい理知的な映画と思いました。抑制されすぎていて民族主義映画の王道からは外れており、一般観客のウケがいいかどうか疑問。同じ人道主義を謳った作品なら「ある詩人」の方がベターです。

2012-06-11 19:37:28
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

@daengkm 実は主人公よりもずっと見せ場の多い少年でしたね。随所で「独立革命」の大儀が無学な彼によって茶化されたり客観化されてました。カバヤンあたりが元ネタかもしれません。主人公とその従者の会話にも同じような傾向を見ました。国家英雄の脱英雄化とでもいうのでしょうか。

2012-06-11 19:43:04
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

@daengkm ガリン監督作品の中では中くらいの評価でしょうか。彼が一般観客にもわかる話法で語ったこと、音声と言語に細心の注意を払っていること(これほど多言語が飛び交うイネ映画は初めてでしょう)、正史から漏れやすいマイノリティの視点を導入したことは評価しますが、(続)

2012-06-11 19:48:35
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

@daengkm (続き)如何せん、あまりにも主人公の影が薄く、独立革命期を扱った映画なのにまるで高揚感が画面から感じられないのは民族主義ものとして成功しているとは言い難いと評価します。逆に言えばスハルト時代には絶対撮れなかった作品でしょう。国軍が全然活躍しませんから。

2012-06-11 19:51:37
अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito

@daengkm とおりゃんせには私も困惑しました。歌詞の意味がインドネシア人にわからない限り意味がないと思います。特にスマランでは実際にインドネシア人武装勢力と日本軍との衝突があり、民間人を含む大量虐殺もあったのですから、もう少し丁寧に描いて欲しかった。

2012-06-11 19:55:05
松井和久/Kazuhisa MATSUI @daengkm

@ahmadhito 民族主義的な高揚、国家の名における正義、といったものを冷笑しているかのような描かれ方を感じました。この映画を観てけしからんと怒り出すような時代の空気はもうなくなった、それはインドネシア社会の成熟への流れとも感じています。

2012-06-11 19:55:21
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コメント

अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito 2012年10月21日
東京国際映画祭(TIFF)での上映前後の反応など、まとめを更新しました。
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अह्मद् तोदोरोकि @ahmadhito 2012年10月27日
まとめを更新しました。TIFFで上映されたガリン・ヌグロホ監督作「目隠し」についてのツイートほかも追加。来年はニア・ディナタやジョコ・アンワル作品特集を希望。あるいは四方田犬彦氏の病状回復を祈って、東南アジア怪奇映画比較上映なんてのはどうですか、石坂さん!
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