4号機使用済燃料ピット（SFP）

↓↓↓これは間違い。SFで臨界に達するのは非常に難しい。但し、4号炉SFPには、新品の燃料があるので、可能性はあるものの、ラックが健在なので極めて低い。また、中性子吸収剤の硼酸が存在している。なお、温度が上がって、沸騰すると、減速しなくなるので臨界は全くあり得ない。

2012-06-19 17:47:44

↓↓↓SFPが怖いのは、冷却が止まり、2週間以内に冷却再開できなかった場合、空だき状態になり、燃料棒が溶解、破損すること。これは非常に怖い。臨界は頭から外さないとおかしな事を言う羽目になる。

2012-06-19 17:51:09

↓↓↓なお、千本を超える核燃料が溶融すると、格納容器も無いので、東日本は壊滅してしまう。但し、3.11の時と比べて、崩壊熱量が非常に小さくなっている(それでも1MW弱ある)ので、当時冷却喪失から数時間で炉心溶融に至ったのにたいして、SFPは2～3週間の余裕時間がある。

2012-06-19 17:59:46

↓↓↓4号炉SFP最大の懸念は、SFP自体の崩壊であって、それが起こると非常に厳しい事になる。消防車などによる放水で対処するのだろうが、それで何とかなるかは分からない。だからこそ、4号炉SFPは補強されており、燃料撤去が最優先となっている。今秋から撤去開始の予定。

2012-06-19 18:02:48

ちなみに、RBMK炉は、黒煙減速軽水冷却炉なので、水が沸騰しても減速能力には変化無いので軽水炉と違って、水に異変が起きても自律的に核反応が抑制されない。それどころか低出力域ではヴォイド効果は正(沸騰すると出力が上がる)で、基本設計から反応度制御の受動安全性に欠陥があった。

2012-06-19 18:09:21

反応度事故は、第一世代炉で有名なSL-1事故を経験しており、第二世代炉では暴走だけは起こさないように設計されている(絶対に起こらないわけではない)。実際に原子炉を暴走破壊する実験は米国でも日本でも行われている。米国のそれは特にアイダホの砂漠で派手に行われた。

2012-06-19 18:13:33

第二世代炉は、その知見をもとに設計されており、暴走は全出力領域で起こらないようになっている。RBMKはそこに欠陥があり、運転ルールで欠陥を補っていたが、現場が欠陥を知らなかったために事故を起こしている。

2012-06-19 18:15:04

(微調整) 一方で、第二世代炉は、冷却剤喪失による炉心溶融に関しては知見が足りない部分があり、多重の冷却系など設計余裕を取ったものの、思っていたよりもずっと炉心溶融が起きやすかった事が後に判っている。その重大な契機がスリーマイル島事故。福島も、より深刻な炉心溶融事故。

2012-06-19 18:28:37

第三世代炉では受動安全性という形で冷却剤喪失に対する耐性を高めているが、第三世代+炉でほぼ完全な受動安全性を取り込んでいる。但し、受動安全性といっても、あくまで時間稼ぎで、AP-1000の場合は3日程度は無人で持つという設計。その間に緊急体制を整える。

2012-06-19 18:20:42

たったの3日でも、津浪後僅か1時間強でオペフロに入れなくなり、数時間で炉心溶融に至った初期型の第二世代炉とは雲泥の差で、たとえば、福島の場合、3日間、勝手に冷却を続けてくれていたら余裕で収束できた。時間稼ぎが出来るか否かが鍵。

2012-06-19 18:23:59

但し、第三世代+炉でも、水とバッテリだけは死守しないとどうにもならない。水は3日は持ち、3日後迄に貯水槽に補給すれば良いが、バッテリが生きている数日の間にDGなり外部なり交流電源を接続しないといけない。

2012-06-19 18:26:37

空だきになると、本来融点の高い酸化物燃料から酸素が引き抜かれて、融点が千度以上下がってしまう事に気がつくのが遅すぎた。水ジルカロイ反応は強烈で、ジルカロイが水と酸化物燃料から酸素を引き抜き(還元し)、それが発熱反応であり、燃料は還元されて融点が大幅に下がって溶けてしまう。

2012-06-19 18:49:57

これが軽水炉最大の弱点。超高温ガス炉など克服する技術はあるが、いまだ研究段階で、実用化は遥か先。南アフリカで実証炉建設の話はあったが、止まっている。軽水炉の経済性がそれだけ高いという事。(但し、あくまで大きな事故を起こさない限りにおいての話。)

2012-06-19 18:52:43

@kei_sadalsuud 一部補足があります。SFPの中のSFは、既に崩壊熱量が減った状態で原子炉から移されているので、3.11の時点でも冷却が止まっても一週間程度は持ちます。すぐに溶けてしまうのは、運転中の原子炉を止めた直後の状態です。

2012-06-19 20:49:45