ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会 File.5 漂流する路上生活者」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

NHK・Eテレで6月18日に放送されたものを文字起こししています。 司会:山田賢治アナ ゲスト:倉田真由美(漫画家) 湯浅誠(反貧困ネットワーク・事務局長)
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 東京・新宿のオフィス街で、毎週日曜日に行われる炊き出し。300人を超えるホームレスの人たちが列を作ります。最近特に目立つのが、若い世代の姿だといいます。生活の基盤ともいえる家を、突然失ってしまうかもしれない。そんな住まいの貧困が、日本社会に広がりつつあります。

2012-06-19 15:28:50
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 26歳のこの男性、派遣社員としてコールセンターで働いています。3か月ごとの契約更新という不安定な雇用です。去年、親子関係のこじれから実家を出ざるをえなくなったという男性。アパート暮らしも考えましたが、貯金がなく諦めました。

2012-06-19 15:34:24
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> そこでたどりついたのが、シェアハウスと呼ばれる共同住宅。個室以外のキッチンやリビングは共同で使います。家賃は月々5万9000円。敷金や礼金などの初期費用は必要ありません。こうしたシェアハウスは、不安定な働き方をせざるを得ない若者の住まいの受け皿となっています。

2012-06-19 15:38:41
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> この会社が所有するシェアハウスは、現在50棟。10年前に比べて5倍に急増しています。シェアハウスの契約は入居者の雇用が不安定なことから、数カ月単位で繰り返されます。仕事を失うかもしれないという将来への不安から、男性は3か月の契約を選びました。

2012-06-19 15:44:25
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> ひとたび家を失えば住所がないため安定した仕事を見つけるのは容易ではありません。なかなか路上生活から抜け出せず、心身ともに追い詰められていきます。住まいを失うことで、貧困の悪循環に陥る働き盛りの世代の人たち。シリーズ貧困拡大社会、6月は住まいの貧困問題を見つめます

2012-06-19 15:50:27

ここからスタジオです

とし @toshihiro36_sub

山田賢治アナ:ハートネットTV・シリーズ貧困拡大社会、今月は住まいの貧困をお伝えしていきます。ゲストをご紹介します。漫画家の倉田真由美さんです。よろしくお願いします。まずは住まいの貧困という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

2012-06-19 15:56:53
とし @toshihiro36_sub

倉田:私自身のことなんですけど、20代のときに住んでたアパートの家主さんが破産されて、アパートが競売にかけられることになったんですね。「すぐに出ていってください」って言われたんですけど、そのときはギリギリで生活してたんで…貯金もないですし、引っ越し代もなくて途方に暮れたんです。

2012-06-19 16:01:53
とし @toshihiro36_sub

倉田:本当にどうしようって。 住まいってやっぱり普段は意識しないんですけど、あるのが当たり前とおもってるから。でもいざなくなると、初期費用がかかりすぎるんですよね。衣・食・住で他の衣とか食に比べて、お金が一気にかかるから。ちょっと一人ではどうしようもなくなることもありえますよね。

2012-06-19 16:07:27
とし @toshihiro36_sub

山田:もうひとりゲストをご紹介します。反貧困ネットワーク事務局長、湯浅誠さんです。よろしくお願いします。住まいですけれども、やはりせーフティネットで一番大切なところだと思うんですよね。

2012-06-19 16:14:31
とし @toshihiro36_sub

湯浅:雨露をしのぐというだけじゃなくて、暮らしを支える器みたいなものですからね。その容器がなくなっちゃうと、暮らしが全部成り立たなくなってしまう。倉田さんがおっしゃったように、当たり前と思っているものなので…あんまり普段はありがたみを感じないんですが。

2012-06-19 16:32:35
とし @toshihiro36_sub

湯浅:いざ、失ってみると大変だというものだと思います。

2012-06-19 16:33:17
とし @toshihiro36_sub

山田:その住まいの貧困をきょう見ていきますけれども、まずはこちらをご覧ください。こちらの図ですが、住まいの不安定さを表したものです。図の上が住まいの安定していることを示していて、つまり家がある人なんですね。いちばん下がいわゆるホームレスの人たち。

2012-06-19 16:42:44
とし @toshihiro36_sub

山田:注目すべきは家がある人とホームレスと、どちらかと考えがちなんですけれども...その中間層が...湯浅さん、あるということですね。

2012-06-19 16:46:54
とし @toshihiro36_sub

湯浅:そうですね。一般的には家があるかないか、1かゼロかと考えられがちですが...働き方に安定した雇用と失業、その間に不安定な雇用・非正規雇用があるように…家にも安定して住める家と全くない状態の間に、あるんだけど不安定あるいは雨露はしのげるけど自分の住まいとはいえない…

2012-06-19 16:54:26
とし @toshihiro36_sub

湯浅:そういうグレーゾーンがあって。この10年間ぐらい、ここが広がってきてるんじゃないかというのが私たちの感触なんです。

2012-06-19 16:56:02
とし @toshihiro36_sub

山田:こうした住まいの不安定さを抱えている人たちは、いったいどんな暮らしをしているんでしょうか。取材会いました、ご覧ください。

2012-06-19 16:59:38

VTRが流れます

とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 東京・新宿で週1回行われる炊き出し。用意された700人分の食事は、30分も経たずにすべてなくなりました。私たちはここで一人の男性に出会いました。三浦昭雄さん40歳です。ひと月ほど前、住み込みで働いていた建築現場の仕事を失い、路上で生活するようになりました。

2012-06-19 17:06:07