アニメ監督・錦織博氏、CG・デジタル作画技術を活用するための今後の考え方について語る。

錦織博 @nishiki_hiroshi

CGとかデジタル作画の技術が、あまり観客やファンからの評価に直接的に繋がりにくいのは残念だけど、これからは、ご飯やパンのように自然に食卓に並んでいるもの、と考えた方が良いのかもしれません。

錦織博 @nishiki_hiroshi

CGやデジタルの技術が作品のクオリティ感を上げるためのオプションであるという考え方は通用しなくなっていると思います。一方で作業効率を上げるためのツールとなっていくのは違うはず。ご飯などの主食のように、作品を根本で支えながら質を向上させていくというのが自然な流れかなと感じています。

錦織博 @nishiki_hiroshi

CG技術を主食のように自然に置きつつ、その上で目を見張るようなCG表現や新しい技術を盛り込んで観客を驚かせる、というのがこれからのアニメの方法論かなと思っています。

錦織博 @nishiki_hiroshi

CG技術をベースにしてアニメ制作をするには、CGをこれ迄のスペシャルカットとしての扱いから、通常のワークフローに落とし込む必要があります。そのためには背景美術や撮影との連携が必要で、CGレイアウトを美術が担当したり、CG作画での仮コンポジットなどの作業も入ってくるでしょう。

錦織博 @nishiki_hiroshi

作品傾向によって、色々な組み合わせやメリット、デメリットがあると思います。手書きの良さ、CG技術の凄さと両極端に考えるのではなく、これからのベーシックな技術と制作方法をつくる基礎として、具体的に試作や導入をしていこうと思っています。良い考えやアイデアなどありましたらお教え下さい。

トレード教育のシバイヌおやびん @yasutaketin

@nishiki_hiroshi レイアウト、素材作成の段階から奥行きのあるコントロールができますよね。使う3Dソフトの種類やフォーマットが統一されていると考えやすいなと思いました。

トレード教育のシバイヌおやびん @yasutaketin

@nishiki_hiroshi アニメでもゲームでも、背景美術に関して3Dで構成してのちペインティングして仕上げる動きは出てきていましたね。

錦織博 @nishiki_hiroshi

@yasutaketin すでにCG美術などは出てきていますが、作画やCG、撮影との連携をしているのはあまり聞きませんね。それぞれの特性を突き詰めていくと連携せざるを得ないと思うようになりました。

錦織博 @nishiki_hiroshi

@yasutaketin 美術、作画、CGを連携出来ると、結構色々と工程を短縮出来るし、違う表現も出来るのです。デメリットはアニメ業界が短絡的な作り方に流れてしまうことですね。(苦笑)

Toshiyasu Otsuka @toshi_otsuka

@nishiki_hiroshi 良い例えですね！

Toshiyasu Otsuka @toshi_otsuka

@nishiki_hiroshi 一連のCG技術のお話、興味深いです。３Dアニメーションとはまた話が違うんですよね？

錦織博 @nishiki_hiroshi

@toshi_otsuka 　２Ｄのアニメでも、３Ｄに対する割合や要求が増えているわりには、ＣＧ業界との連携が出来ていない感じです。完全に３Ｄのアニメのようにワークフローが確立していないので、ＣＧカット用にそれぞれ対応する形になっています。まだまだこれからですね。

石井朋彦 @icitomohiko

@nishiki_hiroshi 仰るとおりですね。スペシャルカットのままでは、2D、3D双方の垣根は絶対に埋まらない。どちらも主役をはってゆくという意思が次の表現を生むと強く思います～

錦織博 @nishiki_hiroshi

@icitomohiko 　ありがとうございます。００９では神山監督とともにたくさんの壁を乗り越えてこられていると思います。作品を残すことがまず大切な一歩ですよね。

石井朋彦 @icitomohiko

@nishiki_hiroshi 現場とスタッフ、そしてお客さん中心主義を貫いてゆきたいですね！

錦織博 @nishiki_hiroshi

@toshi_otsuka 　なるほど。そうかもしれません。３Ｄアニメの派生と考えた方が考えやすいですね。