茂木健一郎さん連続ツイート第631回【「政局や、人事の話はほどほどにね。」】

茂木健一郎(@kenichiromogi)さん連続ツイート
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第631回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところ感じている「あること」について。

2012-06-21 07:59:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(1)日本のメディアにおける「政治」報道は、「政策」のことではなく「政局」のことばかりだから、「政治部」ではなくて「政局部」だとは、いつも揶揄しているところであるが、そうなってしまう心的動機のようなものは、このところ幾つか見聞できてしまっている。そこには偽りの求心力がある。

2012-06-21 08:00:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(2)ある時、ある衆議院議員の方が、「私たち、毎日政局の話ばかりなんです」としみじみおっしゃっていた。誰と誰がつくのか、党を離れるのか残るのか、連立するのかしないのか、そんな話ばかりを、毎日しているというのである。そして、実際に動きにまで至らないで消えていく。

2012-06-21 08:02:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(3)政局は、人と人とのつながりのことだから、話していて面白い。脳がかっかとしてきて、何か実質的なことを話しているような気分になる。しかも、議員にとっては選挙や人事など、自分の「生存」に関わることだから、興味を持って当然だ。政局には、そうやって人心を惹きつける魔力がある。

2012-06-21 08:03:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(4)ここで起こる現象は、政治部記者が、一つの「メディア」となること。いろいろな政治家に取材し、話を聞いているので、情報のメッセンジャー、ブローカーになる。政治部記者が自分の存在意義を確かめるてっとり早い手段が、政局通になって、「あっちではこう言っていた」などとやること。

2012-06-21 08:05:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(5)しかし、会社の人事の話が当人たちにとっては面白いとしても、外の人間にとってはどうでもいいことであるように、政局の話も結局「永田町」という村社会内部のことでしかない。日本の将来はもちろん、世界の未来にはよく言って間接的な意味合いしかない。だからこそ、政局はほどほどがいい。

2012-06-21 08:06:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(6)政治部記者が、誰と誰がくっついた、切ったはったという政局の話でやる気を出すのと同じくらい、実質的な政策の話で真剣になってくれたら、この国のメディアももう少し変わるだろう。しかし、同じようなことは、日本社会の津々浦々で起こっているだろうから、自省しなくてはならない。

2012-06-21 08:08:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(7)自分のいる組織の噂話は面白いが、もっと大局的な見地に立って、社会の、日本の、世界の将来を議論することができるか。そのためには、まずは「自分」から離れなければならない。村社会の噂話をしているんだったら、政局部記者のことを笑えない。それは、日本人の一つの思考の型なのだ。

2012-06-21 08:09:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(8)「外の目」が入らない村社会では、内部の人事ダイナミクスに関心が行きやすい。政局部記者と政治家の間のひそひそ話の現場に、ロイター通信の外国人記者が一人いるだけで、空気も話の内容も一変する。日本のメディアが政局報道に終始しているのは、永田村の閉鎖性の当然の結果である。

2012-06-21 08:11:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

せじ(9)村民にとって、村の噂話をするのは楽しいことだが、同時に外の風を入れて、ざわざわ、わくわくをしなければ発展はない。消費税の問題が大詰めとなり、日本のメディアは一斉に政局報道に走る。そんな「村社会」の偽りの求心力にだまされずに、大局を見ることが大切。村は所詮、村でしかない。

2012-06-21 08:13:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第631回、「政局や、人事の話はほどほどにね。」でした。

2012-06-21 08:14:27