2012年6月23日

共謀共同正犯の要件についての指摘

受験王(@juken_law)さんによる共謀共同正犯の要件についての指摘
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受験王 @juken_law

質問が多い共謀共同正犯の要件について少し指摘しておきます。当てはめでは「役割の重要性」を指摘しろとか予備校では言われていたりしますが、これがどういう共謀共同正犯の要件でどういう事情かはあまり解説されてないようです。

2012-06-23 00:36:39
受験王 @juken_law

共謀共同正犯で役割の重要性を指摘した代表学説は西田説ですが、正犯性の観点から主張されたものです。簡単にいうと従来の見解は「実行行為者=正犯」で、これでは共謀にしか参加しない場合、正犯性を認められません。

2012-06-23 00:37:23
受験王 @juken_law

そこで、共謀共同正犯を理論的に肯定するために、これを客観的に正犯(実行行為者)といえる程度の実質を備えている場合には形式的に実行行為を分担していない場合でも正犯とすることで、共謀共同「正犯」も肯定するわけですね。そこで西田説は準実行共同性反論とか言われたりもします。

2012-06-23 00:38:51
受験王 @juken_law

つまり、簡単に言うと実行の分担に準じるような「重要な役割」をしているのなら正犯性を肯定していいと主張するわけです。西田説は実質的客観説(正犯性を実質的かつ客観的に判断する)に位置づけられる1つの考えです。

2012-06-23 00:39:19
受験王 @juken_law

西田説は、正犯性の判断に客観的要件として重要な役割等を考慮要素とするわけで、これは正犯性判断の客観的要件のうちの下位基準にすぎません。西田説の意義は極力客観的に正犯性を判断しようとする点にあります。

2012-06-23 00:39:47
受験王 @juken_law

これに対し、判例は正犯意思を中心に正犯性を区別しているというのが従来の理解です。主観説と言われたりもします。ですが、重要な役割等が予定されているといった事情は正犯意思を有していただろうと推認する重要な間接事実になるので、判例においても考慮されます。

2012-06-23 00:43:03
受験王 @juken_law

以上がおおまかな従来の考えです。理論的には西田説≠判例といえますが、考慮事情も結論も相違しないと言われたりします。これに対して、判例を理論的に論じる学説としては、前田、大谷、島田説等があります。

2012-06-23 00:44:03
受験王 @juken_law

共謀共同正犯判断基準について、裁判実務家の見解は、要件の位置づけに多少の違いはありますが、「自己の犯罪」か否かという点を中心に判断するという点は一致しています。

2012-06-23 00:44:57
受験王 @juken_law

その上で、①意思の連絡(≒共謀)②正犯意思を要件とし、加えて③共同正犯という評価を支えるだけの何らかの客観的事情(犯行への寄与・役割の重要性等)を1つの要件とするかは争いがあります。近時の学説の影響から③も注目されつつあります。

2012-06-23 00:46:11
受験王 @juken_law

とはいえ、③は、独立の成立要件とするか、②を判断するための重要な間接事実とするかは別としていずれにしても考慮されます。したがって、③はいずれにしても考慮しなければなりませんが、その位置づけをどう考えるかは予め決定しておくべきでしょう。どっちでもいいです。

2012-06-23 00:46:32
受験王 @juken_law

どちらでもいいですが、ただその位置づけに従って当てはめをしなければならない点に注意です。例えば、「~だから実質的に実行行為を行ったと同視できる」といった評価をするのか、「~だから正犯意思を有していたと推認できる」と評価するのかで同じ事情を使っても立場は異なります。

2012-06-23 00:47:25
受験王 @juken_law

結局、規範的に「共同して犯罪を実行した」(刑60条)といえるかの判断なので、そこを忘れずに正犯性の判断枠組に当てはめて下さい。

2012-06-23 00:48:30

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