あさり よしとお氏『宇宙戦艦ヤマト』を語る

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浅利与一義遠 @hologon15

『人口に膾炙するSF』のツイートには、宇宙戦艦ヤマトも含んでる。74年版を勝手に解釈してる自称ファンは多いけど、当時オッサンやオバハンまで観てた(本放送から居たし、再放送で増えた)事実をどう説明してるのかね? そしてソレは、2012年版にはあるの?俺には無いように見えるんだけど。

2012-06-22 21:15:13
浅利与一義遠 @hologon15

ホラを吹くってのは、送り手側の事情なんて一切汲んでくれない、観ている人間の、どの感情の何処に引っ掛けるか?が重要。 偶然で引っ掛る事も無くはないが、それはすぐに外れる。 確実に狙うとしたら、生活に根ざした部分に、完全な同調を求めるか、IFを突きつけて揺さぶるか。

2012-06-22 21:32:41
chaff @chaff1985

@hologon15 そうかなあ?おっさんやおばはんは、裏番組の南伸介・伊東四朗をみていたし、子どもも裏番組の宮崎駿を見ていたと思うけどな~。 僕は、お正月のヤマト甲板餅つき大会の回以外は全話みていたけどね。(「フランダースの犬」第一話放映の日で見せてもらえなかったのだ。)

2012-06-22 21:30:35
浅利与一義遠 @hologon15

@chaff1985 実家ではお笑いオンステージか、ハイジ。ところが暮れに入院して、日曜の晩に病院の休憩室に行ったら、猿の軍団観たいってガキを泣かせて追い払い、ヤマトのチャンネル権を死守してる中年のオッサンが居たのよ。そこで「ヤマトって、大人も観るんだ」と認識した次第。

2012-06-22 21:35:27
浅利与一義遠 @hologon15

見た目の設定が日常から乖離している場合、それの描く図式が普遍的な物に符合していなければ、フィクションは誰かが垂れ流してる妄言。字で書くとありえない状況でも、その関係性が誰の中にでもある、ある形に当て嵌まれば、共感は得られる。(必ず共感と言う形で成果を得ろというのではないがねw)

2012-06-22 21:42:56
浅利与一義遠 @hologon15

それが分かれば、上部構造物を全部取っ払って土台と骨組みだけにするのがフィクションのリバースエンジニアリングと理解出来るはずだけど、これ出来る人間って少ないみたいね。大概、表面上の設定ばっかりつついて、一向に深部に目を向けない。『ロボット物』みたいな括りの分析wがその最たる物。 

2012-06-22 21:47:59
浅利与一義遠 @hologon15

宇宙戦艦ヤマトの場合、家族ってのは重要なキーワード。一番身近な人間が人質にされる訳。もうちょっと広く『同胞』って括りもあるかな?象徴がヤマトだし。その危機感を自己陶酔的な悲壮感に昇華させたのが、その使命とOPの歌詞。 ♪必ずここへ帰って来ると 手をふる人に笑顔でこたえ~ 

2012-06-22 21:59:14
浅利与一義遠 @hologon15

ちょっとぶっ飛ばすと、あとは何をしてるのか、馬鹿にも理解出来る形に咀嚼する必要もある。 日常的な事ならともかく、宇宙の果てへ旅をするなんて、普通の大多数には理解の外。 で、海と船への置換ってのが行われる訳。 上手い手だったとは思うけど、おかげで正しい宇宙の理解は40年遅れたww

2012-06-22 22:03:23
浅利与一義遠 @hologon15

74年版宇宙戦艦ヤマトのスターターキットのまだ半分にも行って無いけど、これだけで2012年版からこぼれた物の姿は、既に見えていると思う。  葉っぱの輪郭を取って、幹を見ていないんだよね。ざっくり言うと。 で、冥王星会戦とか具体例に行くと長くなるし、俺がめんどくさいので、この辺でw

2012-06-22 22:06:39
浅利与一義遠 @hologon15

作品内に一番小さい単位のループを作って、それを同調できる形に昇華させる……ってのが上手く行くと、勝ったも同然。  既にある物の形を模すと、「ある程度は」上手く行くけど、それは縮小再生産に過ぎない。 新たな、より的確に符合するソレを見つける(作る)のが、本来の仕事。

2012-06-22 22:18:42
shachi@江古田,東京 @shachi

@hologon15 みゅ? なに、2012ヤマトでも見たの?w

2012-06-22 22:16:42
浅利与一義遠 @hologon15

@shachi 2012ヤマトに対し、1974ヤマトを語る人間が、あんまり浅い事しか言わんので、ついww

2012-06-22 22:19:45
坂井孝行 @takayuk

@hologon15 自分は2話のパーツに引っかかったんですが、偶然だったのかもしれないとちょっと考えていたものですから、詳細うかがえてありがたかったです。2199は今日性を獲得できていないというまとめ方でよろしいんでしょうか?

2012-06-23 03:05:09
浅利与一義遠 @hologon15

@takayuk 74年ヤマトが、戦争の記憶を持つ人を取り込めたのには、時代がありました。無念と悲しみを背負った赤錆の山が、今度は『全人類を救う』大義を得て新生するカタルシスは、戦後30年だから出来たと言えます。その再現は無理としても、では今回赤錆の大和は何を背負い何になったか?

2012-06-23 08:09:18
坂井孝行 @takayuk

@hologon15 自分はそこに弱者が弱者を叩く追いつめられた世界、を代入して感じ入ったのですが出発前の地下都市描写以外ではそれもあまり見られず、早とちりだったかしらと。

2012-06-23 09:26:37
浅利与一義遠 @hologon15

@takayuk 地下都市でじわじわと死を待つ重苦しさと、その重圧を受けているのは、我々の家族であるという事が、記号としてしか描かれていない事から始まって、全てのタガが緩んでしまっているように感じます。使命がお題目になってしまっては、そこから先は何をやってもふにゃふにゃ。

2012-06-23 09:38:20
浅利与一義遠 @hologon15

@takayuk 追いつめられると言えば、冥王星会戦という乾坤一擲の勝負に、完膚なきまでの敗北を喫するというのも、それの条件。実は作戦でしたってのは最大級の悪手。あのくだりは、サーシャの宇宙船すら阻止出来ないふがいなさと、恒星間航行能力が無いという三重のネガ要素を描く、重要な伏線

2012-06-23 09:47:42
浅利与一義遠 @hologon15

冥王星会戦で乾坤一擲の作戦も完膚なきまでに叩きのめされ、刀折れ矢尽き、目の前を通り過ぎる宇宙船も阻止できず、恒星間航行は夢のまた夢と思い知らされた挙句に、帰って来た地球は海も干上がり真っ赤ッか。 序盤には一切の希望など無く、すぐそこに迫った死に抗う術など無いと徹底的に描写している

2012-06-23 13:10:58
浅利与一義遠 @hologon15

そして人類が細々と生き延びる地下都市も、上層部は汚染で廃墟となり、深部のみが辛うじて生きている状況。これが重要なのに、実写版では平たい地下街を描き、2012年版では設定として踏襲しているだけで意味付けを忘れている。縦方向の棒グラフ状に生があるから、あと何日が実感されるというのに!

2012-06-23 13:15:38
浅利与一義遠 @hologon15

その八方ふさがりの中、一縷の望みとして往復29万6千光年という、人類には想像すら出来ない旅を課される。 要するに、北海道の田舎町から出た事も無い小学生が、おかあさんが死んじゃうってんで、電車とフェリーを乗り継いで、ひとりで鹿児島までおつかいする、その使命と不安と浪漫が74ヤマト。

2012-06-23 13:26:17
浅利与一義遠 @hologon15

74ヤマトの序盤は、これらの要素が詰め将棋みたいにフォーマットされ、宇宙だのエスエフだのに興味の無い層まで、その旅に引っ張り込んでいた。それを踏襲しろとは言わないが、では今度のやつには何があるのだろう?平凡な日常を生きる人間の意識を、宇宙の彼方イスカンダルへ連れて行く仕掛けは?

2012-06-23 13:37:27