NHKスペシャル「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」書き起こし #nhk

6月23日に放送されたものを文字起こししています。
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> 子供を産みたいのに産めない、いま不妊に悩む人たちが増えています。いったいどのくらいいるのか、ご存知でしょうか。不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は、6組に1組に上ります。体外受精の件数は年間21万件。5年で倍増し、世界で最も多くなっています。

2012-06-24 10:44:09
とし @toshihiro36

<ナレーション> 急増する不妊、その原因は卵子の老化。年を重ねるほど卵子の質が低下するのです。直面しているのは30代後半から40代の女性たち。その多くが治療を始めるまで、卵子が老化する事実を知りませんでした。最新の医療を用いても、なかなか妊娠できないケースが相次いでいます。

2012-06-24 10:49:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 各地のクリニックではこの新たな事態に頭を悩ませています。背景に何があるのか。私たちは不妊治療を経験した8000人と、全国の医療機関にアンケートを行いました。浮かび上がってきたのは、女性の社会進出が進む一方で、妊娠・出産を考慮してこなかった社会の姿です。

2012-06-24 10:54:13
とし @toshihiro36

<ナレーション> いま卵子の老化による不妊は、先進国共通の課題です。とりわけ日本では対策が遅れ、深刻な事態に陥っていると指摘する専門家もいます。私たちの社会を映し出す、卵子老化による不妊。どう向き合ってゆけばよいのか考えます。

2012-06-24 10:59:34

ここから本編です

とし @toshihiro36

<ナレーション> 鳥取県米子市、ここに全国から患者が集まってくる、不妊治療専門のクリニックがあります。日本の不妊治療のさきがけで、20年近い実績があります。ここには子供が欲しくてもできないという女性が、連日100人以上訪れます。

2012-06-24 11:04:18
とし @toshihiro36

<ナレーション> 院長の見尾保幸さんです。体外受精によって、不妊に悩む3000組の夫婦の妊娠・出産を成功させてきました。見尾さんは日々の治療の中で、卵子の老化に直面しています。クリニックでは35歳を超えてやってくる患者が年々増え、今では7割を占めるようになりました。

2012-06-24 11:08:35
とし @toshihiro36

<ナレーション> この日訪れたのも41歳の女性です。自然に妊娠することが難しいため、体外受精を行うことになりました。モニターに映し出される卵巣、黒く見える部分が卵胞です。通常はこの中に卵子が入っています。専用の針を使って吸い出し、素早くシャーレの上に移します。

2012-06-24 11:14:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> 卵子が見つかりません。年齢を重ねると、卵子のない空の卵胞が増えてしまうのです。15分かけて卵子を採取しました。夫の精子と受精させます。卵子の老化による影響が顕著に現れるのはこのあとです。

2012-06-24 11:22:11
とし @toshihiro36

<ナレーション> これは20代の女性の受精卵です。活発に細胞分裂を繰り返し、やがて胎児へと成長していきます。

2012-06-24 11:26:19
とし @toshihiro36

<ナレーション> こちらは40歳の女性(の受精卵)。受精から4日で、3つのうち2つの成長が止まってしまいました。30代後半から、こうした卵子の割合が増えていくのです。

2012-06-24 11:29:20
とし @toshihiro36

<ナレーション> 体外受精で出産できるのは35歳で16.8%ですが、40歳になると半減し8.1%。45歳では0.5%まで下がります。 卵子は女性が生まれたときから体の中にあります。男性の精子が日々生み出されるのと違い、卵子は新しく作られません。

2012-06-24 11:34:18
とし @toshihiro36

<ナレーション> 女性が年齢を重ねるほど数も減り、質も低下していくのです。

2012-06-24 11:35:36
とし @toshihiro36

見尾医師:受精した卵が持っている生命力が、若い方の卵に比べれば弱い。なかなか思うように妊娠していただけない。治療効率が悪くなるということが、現実に日々突きつけられるわけで。我々はそういうものと必死で闘っているという感じですかね。

2012-06-24 11:39:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 自分の卵子が老化している。その現実を多くの女性が、診察室で初めて知らされます。卵子の老化による不妊はどれくらい広がっているのか。今回、NHKが行ったアンケートです。治療を始める患者のへ近年例を聞いたところ、10年前は35歳以上だったと答えた医療機関が20%。

2012-06-24 11:44:51
とし @toshihiro36

<ナレーション> それが今では77%に上っています。こうした患者たちの53%が体外受精をすれば45歳まで妊娠できると考え、50歳までできるという人も17%に上っていました。卵子の老化を知らないまま不妊に陥ってしまう人たちが急増している実態が、初めて明らかになったのです。

2012-06-24 11:49:45
とし @toshihiro36

<ナレーション> 卵子の老化による不妊は、患者を肉体的にも精神的にも追い詰めます。見尾さんのクリニックに通う川口さおりさん、40歳です。2年前ここに来て、初めて卵子の老化を知りました。体外受精を前に、毎日卵子を採取しやすくするための注射を打たなけれはなりません。

2012-06-24 11:55:32
とし @toshihiro36

<ナレーション> これまでに子宮に戻した受精卵は6個、いずれもうまくいきませんでした。

2012-06-24 12:36:26
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