10周年のSPコンテンツ!

2012年6月24日 片岡剛士さん、経済運営の誤りを解説

「円のゆくえを問いなおす」(ちくま新書)で円高デフレ問題を明快に論じた片岡剛士さんが、日本経済のデフレ突入から現在までを端的に解説されていたのでまとめました。 「トークイベント前の片岡剛士さん、家計と財政の違いや現在のデフレ問題を語る」http://togetter.com/li/325343 も参照下さい。
経済 不良債権 不況 消費税 日銀 デフレ 日本経済 バブル崩壊
54

ご紹介

マイナビ新書 @MYNAVI_SHINSHO
6月28日(木) 片岡剛士さん×田中秀臣さんトークイベント<br />「円高・デフレ・失われた20年は自然現象ではない!」|新着情報 - リブロ | 池袋に本店を構える本屋 http://t.co/ltzquTmi
いわき @s_iwk
片岡剛士「円のゆくえを問いなおす」 http://t.co/NHdnmGLv >今週号の週刊エコノミストで原田泰さんが書評を書いていた。「深刻な円高とデフレが続くのは天災ではなく、誤った金融政策のもたらす人災であるという筆者の主張は説得的である」と。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
ありがとうございます!@miki_stock QT: @goushikataoka 「円のゆくえを問いなおす」拝読しました。リフレ派への理解が深まる良書でした。ネットのリフレ派kendochorai氏と一緒にトークライブ参加予定です。楽しみにしています!

本題:日本経済の現状解説

片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
過去20年程度の経済停滞とかデフレがなぜ生じたのかという点について、最近ある方に聞かれたのでざっと僕の所感をつぶやいておきます。詳細は『日本の「失われた20年」』等をご覧ください。

問題の発端:バブル崩壊あるいは日銀の過剰引き締め(1989~90年代初頭)

片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
①「デフレの発端」という意味で一番大きいのは、バブル崩壊により株価・地価が継続して下落を続け、それにより信用機能が麻痺してしまったこと、バブル崩壊に対する政策対応のまずさにあると存じます。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
①’ 株価や地価といった資産価格 の下落に加えて当時は原油価格が90年の湾岸危機により暴騰したことで交易条件が急速に悪化したことも影響しました。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
②株価の下落は90年1月から、地価は92年から下落・停滞を続けましたが、バブル崩壊をもたらしたのは当時の三重野康 日銀総裁(平成の鬼平)がバブル潰しとも言える強烈な引き締め策を行った事が影響しています。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
②’ 政策金利(公定歩合)の引き 上げは、89年4月から90年9月まで続き、政策金利が下落に転じたのはさらに1年ほどの後の91年7月の事です。つまり株価の 下落から1年半(!)もの間、日本銀行は政策金利を下げるという行動に出ることはありませんでした。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
②’’余談ながら、この政策対応の 遅さはFRBが2007年7月に株価下落が生じた1ヶ月後には政策金利を引き下げていたことから考えても遅すぎます
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
③株価と地価がともに下落を始める92年に入ると、金融システムの健全性が大きく損なわれることになります。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
③’ というのは、日本の金融システムの中心にあった銀行融資は土地の担保価値の安定性に依存していたので、地価の急落と、株価や交易条件の悪化による企業収益の急減が同時に生じることで金融システム、つまり信用機能が麻痺してしまうことになったというわけです。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
③’’ 信用機能が麻痺すると、投資が停滞したり、不良債権が拡大していくことになります。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
④ そして債券や外貨といったリスク資産すべてに売り圧力が生じることになり、92年に入ると景気後退が始まります。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
④’ 本来ならば、こういった資産価格低下を相殺するために強力な金融緩和や、自己資本不足に陥りかけている銀行への資本注入が行われるべきでしたが、当時は資本注入はなされず、さらに金融緩和のスピードも不十分なものにとどまりました。こうして景気後退は激しいものとなります。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑤ 93年に入ると一旦急激な景気後退は鎮静化しますが、この時点でも日本銀行は「過度の低金利」がバブルをもたらす可能性を懸念していました。94年に入ると長期金利が上昇していきますが、日銀はこれを放置します。こうしてGDPデフレーターは94年後半ごろからマイナスに転じて今に至ります

デフレにともなう円高の亢進:製造業の苦境、景気のさらなる弱体化

片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑥ 日本がデフレに陥ったこと(つまりデフレ期待が持続するようになったこと)で、米国等の世界と日本のインフレ率の間には大きな乖離が生じることになりました。これはドル/円レートが持続的に円高圧力を受けることを意味します。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑥’ これはドル/円レートが持続的に円高圧力を受けることを意味します。95年に米国は強力な金融緩和を実施しますが、95年には1ドル=79円台まで上昇します。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑥’’ 実証研究では、1ドル79円という円高を、同時期の実質実効為替レートで判断すると、購買力平価を78%も上回っていたという結果が得られています。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑥’’’ 極度に上昇した為替レートは輸出製造業の国内生産の圧縮のみならず、輸出製造 業の設備投資の停滞(対外直接投資の進展)や、輸入競合産業の競争力低下をもたらします。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑦ 輸出製造業とは、日本の比較優位産業・基幹産業でもあり、生産性を牽引する産業でもあります。これら産業の国内生産の圧縮や空洞化が生じることで日本全体の生産性も低下します。
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka
⑦’’ さらに円高は93年以降の景気回復を脆弱なものとさせました。消費税引き上げが97年に行われることが決まったことで96年には駆け込み需要が発生しますが、97年には反動減が生じるとともに、アジア通貨危機が生じます。
残りを読む(21)

コメント

杉山真大@震災被災者 @mtcedar1972 2012年6月24日
@goushikataoka そうなると、そもそもの発端となるバブル・具体的には不動産や株式に於ける投機的活動による価値の高騰はどう見るべきなんでしょうかね?少なくとも、それによって不利益を被った人々も少なからずいる訳で・・・・・
yasudayasu @yasudayasu_t 2012年6月24日
為参考 http://www.esri.go.jp/jp/others/kanko_sbubble/analysis_01_12.pdf図表12-15 金利ギャップ。緩和が遅く、バブル崩壊後も経済状況対比では引締環境が続いた。人口減少による自然利子率低下が見えていたのだから、本来はむしろ(期待)インフレ率を引上げるような政策が必要なことが明らかだったのに。期待インフレが2%もあれば、自然利子率のマイナス化も足枷にならなかった。
しょうた @matsui_s 2012年6月25日
消費税と税収の関係の部分は、減収の理由を消費税増税だけに帰すように書くのはちょっと疑問。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする