120623 法政大学 日本キャリアデザイン学会 特別研究会「東日本大震災後のキャリアデザインについて考える」 上西充子氏ツイートまとめ

120623 法政大学 日本キャリアデザイン学会 特別研究会「東日本大震災後のキャリアデザインについて考える」 上西充子氏ツイートまとめ
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上西充子 @mu0283

昨日は岩上安身氏をお迎えして「百人百話」のお話をうかがった。直接お話しして、すぐに距離を縮めるフランクさと、ポイントははずさず突っ込んでくる鋭さとを共に感じた。それはそれとして、昨日のお話の若干の抜粋を(録音未確認。メモ起こし。以下42連ツイ)。

2012-06-24 16:45:08
上西充子 @mu0283

岩上要約1:ソ連崩壊の頃に現地で聞き取りを行った。ソ連は均質な人の集まりだと思われていたが、話を聞いてみると、驚くほど多様性があった。それを丸ごと聞き取り、『ソ連と呼ばれた国に生きて』という共著にまとめた。

2012-06-24 16:45:44
上西充子 @mu0283

岩上要約2:(なぜ福島の人は岩上さんに率直に語ってくれたのか)編集でカットした部分や、全面的に削除したものも若干ある。けれど、どんな国でも、人は心のうちをしゃべりたいもの。聞き出した、というよりは、語ってくれるものを聞き取った。

2012-06-24 16:45:58
上西充子 @mu0283

岩上要約3:福島と一括りにせず、地域差を考慮する必要がある。浜通り、中通り、会津。それらの気候、風土、文化は大きく異なる。暖かな浜通りから豪雪地帯である会津に避難した人々は、慣れない雪下ろしに苦労し、馴染んだ気候の地域に戻りたいと願っている。

2012-06-24 16:46:15
上西充子 @mu0283

岩上要約4:地震・津波と原発事故は、まったく別のものと捉えるべき。地震・津波の困難のピークは発生時とその直後。被害は見え、復興の方向も見えてくる。過去の経験があるので、災害の理解も共有でき、復興の方向性も見え、復興が必要だと合意もできる。

2012-06-24 16:46:30
上西充子 @mu0283

岩上要約5:原発事故は全く違う。警戒区域外であれば、すぐには影響も出ない。情報とその解釈が目まぐるしく変わっていく。自分たちがどの程度危険な状況にあるか、見定められない。見定めたとしても家族としての方針が定まらない。

2012-06-24 16:46:44
上西充子 @mu0283

岩上要約6:情報を得たルートはマスメディア、ネット、口コミ。ネット情報に触れたか否かで大きな違い。原発作業者などから得た口コミも大きな効果。

2012-06-24 16:47:00
上西充子 @mu0283

岩上要約7:政治やメディアの反応も含め理解を深めていくと、原発をめぐる底知れない問題の深さが見えてくる。安全保障や核武装の問題まで行き着く。考えなければいけないことのレベルが、原発をめぐっては、とてつもなく大きい。

2012-06-24 16:47:13
上西充子 @mu0283

岩上要約8:いまだ全体像が理解できない。他の災害と比べ、突出して困難な問題。とどまる人も考えることが多すぎて悩んでいる(他方で、まったく気にしていない人も大勢いる)。

2012-06-24 16:47:24
上西充子 @mu0283

岩上要約9:原発事故に関しては、政府も東電も情報を出さずに安全を強調した。それを信じた人は動かなかった。山下アドバイザーの講演も人々をとどまらせる上で大きな効果を持った。

2012-06-24 16:47:37
上西充子 @mu0283

岩上要約10: 4/29 に小佐古氏が涙の辞任。危険情報が既存メディアを通じて届けられたのはこれが初めて。これを見て「えっ!?あぶないの?」と初めて考えた人もいる。

2012-06-24 16:47:54
上西充子 @mu0283

岩上要約11: 7/28に児玉氏が衆議院厚生労働委員会で意見陳述。現状を批判し、除染の必要性を主張。

2012-06-24 16:48:07
上西充子 @mu0283

岩上要約12:強い地縁・血縁の中で生きてきた人が多い。そういう人は個人的な判断では動けない。4月(中下旬?)、学校が始まったことが大きな節目だった。緊急避難していた人も、学校の再開に合わせて戻った。

2012-06-24 16:48:19
上西充子 @mu0283

岩上要約13:夏休みには一時疎開や保養など、全国で多数のプログラムが展開された。それをベースに、夏休み後の9月に避難の1つの節目があった。

2012-06-24 16:48:31
上西充子 @mu0283

岩上要約14:年末年始を挟んでも、県外流出は止まっていない。福島には200万人が住んでいたが、そのうち2%、4万人が県外に移転した。その多くは子育て世帯。高齢化が進行していく。県内移動も多い。16万人ぐらいと推測。線量の低いところへの移動。

2012-06-24 16:48:45
上西充子 @mu0283

岩上要約15:人口流出により、自治体・共同体が崩壊しつつある地域もある。一方でいわき市のように、人口が増え、経済が潤い、不動産価格が値崩れしていない地域もある。地域によって明暗の差が大きいが、表立っては語られず、メディアにも載らない。

2012-06-24 16:48:57
上西充子 @mu0283

岩上要約16:「隣組」が生きており、用水路の補習などに「人足(にんそく=人手=男手)」を出すという慣習が残っている。隣組を乱すことが負担。共同体から離れる苦しみ。避難することは他の人を見捨てたことになるという苦しみ。

2012-06-24 16:49:11
上西充子 @mu0283

岩上要約17:将来苦しむことになるとしても他の人と同じように苦しむならその方がいいと考える人もいる。夫婦の間でも避難したい者と残りたい者で考えが違うこともある。高齢者は住み慣れた地を離れたくない思いが強い。

2012-06-24 16:49:24
上西充子 @mu0283

岩上要約18:祖父母が孫のために避難を進める例もあるが、見捨てていくのかと問う例もある。自分と自分の家族の決断だけでは避難は難しい。シングルマザーなど、身軽だからこそ避難できたケースもある。

2012-06-24 16:49:38
上西充子 @mu0283

岩上要約19:他には、プラスの要素を持っている人が動きやすい。知的能力が高い、現金がある、人の助けが得られる、等々、恵まれている人が動きやすい。

2012-06-24 16:49:53
上西充子 @mu0283

岩上要約20:土地のしばりは大きい。先祖伝来の土地。また、借入金が残る土地は手放せない。農家も動けない。公務員や教員も動きにくい。また、公務員や教員には、上に従わなければいけないという圧力、発言できないという圧力が強い。

2012-06-24 16:50:05
上西充子 @mu0283

岩上要約21:年をまたいでも、残って葛藤している人の状況は変わらない。保障は少なく、生活再建のためのお金が少ない。情報も収集しきれず、分析しきれず、情報収集・分析をもとにした決定もしきれない。疲れて考えるのをやめる人もいる。

2012-06-24 16:50:19
上西充子 @mu0283

岩上要約22:「同じ」であることが大事にされる風土の中で、保障をめぐる金額のわずかな違いなどで分断がおきている。現金収入が少ない会津に現金収入がある浜通りの人々が避難者としてやってきて、受け入れ側が複雑な思いを抱いている例もある。

2012-06-24 16:50:40
上西充子 @mu0283

岩上要約23:離れた人には「意思決定をした」という一区切りがあり、達成感がある。残っている人の中には、残ると決めた人、出るとは考えられない人、区切りがついていない人がいる。区切りがついていない人は、新たな情報により疑問が再浮上する。

2012-06-24 16:50:54
上西充子 @mu0283

岩上要約24:離れた人の中にも、職が見つかっていない人もいる。避難先の住宅には1年、2年といった期限がある。そのため、戻る人も増えるかもしれない。

2012-06-24 16:51:08