核実験時代のフランス領ポリネシアでの甲状腺ガンの調査研究結果(F de Vathaire フロラン・ド・ヴァテール氏の論文):甲状腺ガンと妊娠回数の関係

2012年6月23日の市民科学者国際会議でフランス領ポリネシアでの甲状腺ガンの調査研究結果(F de Vathaireの論文)の話が出ているます。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2965871/ この資料の内容紹介が無いので、読んでみました。
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フロラン・ド・ヴァテール氏の論文の要約

junji asakura @junjiasakura

①VathaireのFP論文:120623市民科学者国際会議でフランス領ポリネシア(FP) での甲状腺ガンの調査研究結果(F de Vathaireの論文)の話が出ている。 http://t.co/EpAyXWxS この資料の内容紹介が無いので、読んでみました。

2012-06-25 14:57:40
junji asakura @junjiasakura

②VathaireのFP論文:case-control研究をした結論。 ガンリスクは妊娠回数と被曝量の間に大きな相関がある。 妊娠4回以上の女性は妊娠4回未満の女性と比較して大きなリスクがある。

2012-06-25 14:57:58
junji asakura @junjiasakura

③VathaireのFP論文:VathaireのFP論文:Discussionで仏領ポリネシア(FP)は 1966ー1974のフォールアウトで葉物野菜、雨水の飲料で汚染、魚による汚染はなし。被曝時15歳以下での被曝量で評価は、ERR/Gyが55であり、他の甲状腺研究と比較する。

2012-06-25 14:58:34
junji asakura @junjiasakura

④VathaireのFP論文: 米国の核実験(1946-1958マーシャル諸島)調査論文では、1954年の 核実験では1歳児で6800mGyだった。他の実験でも120mGyの被曝。 甲状腺結節はヨウ素摂取量と相関があったが、被曝量とは相関がない。

2012-06-25 14:58:50
junji asakura @junjiasakura

⑤VathaireのFP論文:ネバダ核実験調査。平均被曝量は120mGyで、8人の ガンが発生。しかし、ERR/Gyは13であった。1歳前の被曝ではERR/Gyが2.4で その後の増加がなかった。

2012-06-25 14:59:13
junji asakura @junjiasakura

⑥VathaireのFP論文:旧ソ連カザフキスタン1949-1962に116回の核実験。 合計甲状腺被曝は1Gy以上であった。2994住人の超音波診断で8人の甲状腺疾患 が確認。しかし乳頭がんと被曝量に相関がない。

2012-06-25 14:59:43
junji asakura @junjiasakura

⑦VathaireのFP論文:Ozyorsk地区では894人の住人で165人 の甲状腺結節があり、Mayak地区の1.4倍だったが、悪性甲状腺疾患は8人 だった。

2012-06-25 15:00:05
junji asakura @junjiasakura

⑧VathaireのFP論文:米国ハンフォード1944-1957年に2.73×10(16乗)のI131 を放出し、数Gyと多量の被曝。1992-1997年に3440人を調査。249人が甲状腺 結節を保有者であったが、被曝量との相関はない。

2012-06-25 15:00:20
junji asakura @junjiasakura

⑨VathaireのFP論文:核実験時代の③~⑦の論文はGyレベルと非常に高被曝だが 被曝量に比して、甲状腺ガン発生数が少ない。 ハンフォード調査では被曝量増加で甲状腺結節が増加しているのは低線量被曝 によると考えられる。

2012-06-25 15:09:41
junji asakura @junjiasakura

⑩VathaireのFP論文:I131被曝量と甲状腺ガンの相関性はチェルノ 事故評価。地区によりERR/Gyが48.7という報告もあるが、 外部被曝でERR/Gyが7.7が国際合意レベル。仏領ポリネシア(FP)での結果ERR/Gyが 55と言う結果とは大きく異なる。

2012-06-25 15:10:05
junji asakura @junjiasakura

⑪VathaireのFP論文:チェルノ評価とFPの結果の違いは、チェルノは被曝後10年。 FPは被曝後30年であり、幼児期被曝後20-40年で甲状腺に影響が出た可能性あり。

2012-06-25 15:10:29
junji asakura @junjiasakura

⑫VathaireのFP論文:低線量被曝は発がんに予想より影響する。チェルノ被曝で ベラルーシよりロシアは低線量被曝であるがESS/Gyは32。ロシア他地区で 中央値は16mGyの被曝でERR/Gyが49のデータがある。

2012-06-25 15:11:01
junji asakura @junjiasakura

⑬VathaireのFP論文:10,834人のイスラエルで 55mGy平均被曝でERR/Gyが20.2というデータがある。チェルノではリスクはヨウ素欠乏と相関があった。 FPにはあてはまらない。FPではヨウ素摂取は十分であった。

2012-06-25 15:11:19
junji asakura @junjiasakura

⑭VathaireのFP論文:FPでは幼児期の被曝と妊娠回数に相関がある。妊娠初期は 母親からのホルモンの影響、妊娠後期で母親からのヨウ素供給を受ける。 母親と甲状腺とは妊娠回数で影響を受ける。

2012-06-25 15:11:37

被曝と妊娠との関係を説明した他の論文

junji asakura @junjiasakura

①妊娠中の被曝調査: チェルノブイリでの妊娠中のI131被曝調査 http://t.co/89Y3Y1De

2012-06-25 17:57:10
junji asakura @junjiasakura

②妊娠中の被曝調査: 全調査者の妊娠初期のI131被曝は2.1mGy、妊娠後期で1mGy。 汚染地域の妊婦は妊娠初期、中期、後期で4.7, 104.2,232.2mGyの被曝。 非汚染地域の妊婦は初期、中期、後期で0.3, 7.0,19.2mGyだった。

2012-06-25 17:57:25
junji asakura @junjiasakura

③妊娠中の被曝調査: 結論:被曝時に妊娠中での甲状腺ガンのオッズ比は高いが、統計的に十分な 数値ではないとしている。

2012-06-25 17:57:37
junji asakura @junjiasakura

④妊娠中の被曝調査:参考として、本資料のDiscussionで他の研究例と比較。 日本の原爆被曝は、妊娠中の被曝データが少ない。データが少ないが 日本のデータは甲状腺結節と被曝との相関性が少ないという結果に 意味がある。

2012-06-25 17:57:49
junji asakura @junjiasakura

⑤妊娠中の被曝調査:米国原爆実験場近くのユタ州データは妊娠中被曝と出生後被曝との差は 特に大きくない。

2012-06-25 17:57:59

妊娠と放射線被曝に関しては、1956年のOxford survey of childhood cancerが有名

http://www.lancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(56)91923-7/fulltext

それに対する疑問点を解説した日本語の簡単な解説記事はこれ
http://www.rerf.or.jp/news/pdf/13thICRRj.pdf