ArsMagica素晴らしい

goodhuntstalkerさんの『ArsMagica』(アメリカWhiteWolf社(正確にはその前進にあたるLion Rampant社)が作ったヨーロッパ中世ファンタジーTRPG)の素晴らしさについてのツイートを集めました。
12
m.tokuoka @goodhuntstalker

魔法にシステムは必要か ― 西洋ファンタジー界に起こりつつある異変 : Kotaku JAPAN http://t.co/WHtvMgHL ……そういえば昔、「D&Dは魔法の実在を肯定する反キリスト教的なゲームである」って叩かれてたなあ……うんうん……

2012-06-26 13:27:58
m.tokuoka @goodhuntstalker

というわけで、突然ですがArs Magicaの素晴らしさを語りますよ。ちなみに私めはWW時代までしかプレイしてませんのでそのあたりはご容赦。

2012-06-26 13:32:16
m.tokuoka @goodhuntstalker

ArsMagicaはアメリカWhiteWolf社(正確にはその前進にあたるLion Rampant社)が作ったヨーロッパ中世ファンタジーTRPGであります。

2012-06-26 13:32:56
m.tokuoka @goodhuntstalker

よくある感じですね? ですがArsMagica世界は、「もし中世ヨーロッパ世界に魔法や神話や伝承が実在したら」というコンセプトで作られています。なので魔法使いは本当に魔法を使うし、徳の高い僧侶は奇跡を起こすし、伝承に記述されている妖精や妖魔の類はすべて野に存在します。

2012-06-26 13:35:11
m.tokuoka @goodhuntstalker

さて、ここでゲームデザインに興味のある方でしたら、いきなり「そりゃ無理だろ」と思ったに違いありません。だって中世ヨーロッパ世界に、中世ヨーロッパの伝承に、中世カソリック教会の構造、あるいは物価や流通、このあたりを全部設定しないとゲームが成り立ちませんから。

2012-06-26 13:36:50
m.tokuoka @goodhuntstalker

これに対しルールブックは明確な方針を掲げています。「史実と一緒だから調べてね」「決まってない部分は自分で作ってね」。OKOK。

2012-06-26 13:37:24
m.tokuoka @goodhuntstalker

もちろん全部が全部投げっぱなしジャーマンというわけではなく、この架空中世に存在する魔法使いたちの生態・社会・魔法の構造などについては、詳細な設定があります。いや最初は魔法の詳細も「作ってね」なところが多々あったんですがそれはさておき。

2012-06-26 13:39:04
m.tokuoka @goodhuntstalker

AM世界において、魔法使いたちはいくつかの派閥にわかれています。しかし基本的に魔法使い(Magi)は恐ろしく強力であり、そして社会性がなく、かつ主流派である教会からは睨まれています。

2012-06-26 13:40:47
m.tokuoka @goodhuntstalker

かくして魔法使いたちは街から遠く離れた場所に住居を定め、そこで何人もの召使いや従者を雇って生活することになります。

2012-06-26 13:41:59
m.tokuoka @goodhuntstalker

このためArsMagicaでは、プレイヤーは1人あたり3人前後のキャラクターを作ります。まず、魔法使い(Magi)。それから、魔法使いの相棒にして友人的な存在(Companion)。最後に使用人(Grog)です。プレイヤー(あるいまマスター)は状況に応じてキャラを使い分けます。

2012-06-26 13:43:38
m.tokuoka @goodhuntstalker

ですんで、プレイヤー4人くらいでゲームをすると、だいたい20人くらいの「PC」が存在することになります。各人Magi×1、Companion×1、Grog×3くらいですね。もちろん「Magiだけでいいっすか」「Companionだけでもいいですか」的なプレイも可能です。

2012-06-26 13:45:25
m.tokuoka @goodhuntstalker

さて、ではいよいよ今回のお話の中心、ArsMagicaの魔法についてです。

2012-06-26 13:45:48
m.tokuoka @goodhuntstalker

ArsMagicaの魔法は、原則としてラテン語の組み合わせによって構築されます。動詞が5種類、名詞(目的格だったか)が10種類です。

2012-06-26 13:47:22
m.tokuoka @goodhuntstalker

まず動詞。Creo(我は作る) Intellego(我は識る) Muto(我は変える) Perdo(我は滅ぼす) Rego(我は動かす)。それぞれだいたい何ができるかご想像のとおりです。

2012-06-26 13:48:20
m.tokuoka @goodhuntstalker

続いて名詞。Animal(動物を) Aquam(水を) Auram(大気を) Corpus(肉体を) Herbam(植物を) Ignem(火を) Imagonem(イメージを) Mentem(精神を) Terram(大地を) Vim(魔力を)。

2012-06-26 13:49:37
m.tokuoka @goodhuntstalker

なおAnimalとCorpusがわかれていますが、当時の世界観において人間は動物ではありませんので、これらは分別されます。Animalを対象とした魔術が人間に影響を与えることはありえません。

2012-06-26 13:50:33
m.tokuoka @goodhuntstalker

これらはそれぞれスキル扱いとなり、それぞれの魔法使いごとに得手不得手が出ます。

2012-06-26 13:50:59
m.tokuoka @goodhuntstalker

で、実際の魔法はというと、この動詞+名詞で形成されます。例えば相手の心を読みたいなら「Intellego Mentem」。火の玉を作りたいなら「Creo Ignem」といった調子。

2012-06-26 13:52:02
m.tokuoka @goodhuntstalker

魔法はSpontaneous(即興) Formuraic(定式)、Ritual(儀式)にわかれ、Formuraicはいわゆる「呪文」的なものとして、動詞+名詞の組み合わせで一定の効果を常に挙げるものです。Spontaneousはアドリブが効きますが効率は落ちます。

2012-06-26 13:54:30
m.tokuoka @goodhuntstalker

魔法についてもうひとつ面白いのは、Requisiteという概念です。

2012-06-26 13:55:32
m.tokuoka @goodhuntstalker

例えば、Creo Imagonemとやれば「我は作る、イメージを」なので自在に幻影を作ることができる……と思いきや、そこで創られるイメージには他の素養が「上限」として引っかかってきます。例えば動物の幻影を作るなら、Animalがないと某白澤さんみたいなことになります。

2012-06-26 13:57:22
m.tokuoka @goodhuntstalker

また大原則として、魔法はそれ単体で「永続するもの」を作り出せません。なのでMuto CorporemないしCreo Corporem(これすごく危険な魔法)で怪我の治癒をしても、基本的なDurationである夜明けまたは日没を契機に魔法は霧消します。

2012-06-26 14:00:04
m.tokuoka @goodhuntstalker

持続するものを魔法で作る場合は、Visと呼ばれる魔力を外部から引っ張ってこないといけません。このためVisが発生する場所(だいたいご想像いただけるような「神秘的な」場所)は、魔法使いにとって垂涎の場所となります。

2012-06-26 14:01:13
m.tokuoka @goodhuntstalker

このように制限はあるものの、やはり魔法の威力は絶大です。そして絶大でありながらも、どうしても魔法では越えられない壁があります――それがルールブックに明記してある魔法の大原則のひとつ「神と悪魔の計画を見破れない・神と悪魔の力を越えられない」であります。

2012-06-26 14:02:43
m.tokuoka @goodhuntstalker

ヨーロッパじゅうの奇人変人を煮染めたような魔術師たち、その唯一の友であるコンパニオン、そして従者たちによる共同体と、その共同体が集う「派閥」、忍び寄る悪魔の誘惑に、教会との避けがたい軋轢、イスラーム勢力との衝突、プレスター・ジョンの国の噂、エトセトラ、エトセトラ。

2012-06-26 14:05:10