小池一夫氏の作家・作品論

キャラクター論で有名な小池先生ですが、最近作家や作品に対してのつぶやきが多かったのでまとめてみました。
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小池一夫 @koikekazuo

寝ても覚めてもキャラクターマン! 劇画原作者・小池一夫の公式ツイッターです。

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小池一夫 @koikekazuo

いい物語(はっきり言ってしまえば売れる作品)とは、多数の読者一人一人に「ここには自分の事が書いてある」「自分とこの書き手は同類だ」と思わせる事が出来る作品であると僕は考える。(小池一夫) http://bit.ly/hT6XW0

2011-08-12 21:31:02
小池一夫 @koikekazuo

才能や素質だけで作品が描ける時は限りがある。もう、詰ンでしまった時は、経験で培った職人芸で描くしかない。で、もがいているうちに、新たなアイデアや情熱が湧いて来て、スランプの時に磨いた職人芸が次の創作を補完する。長く物書きを続けるのって、結局はその繰り返し。(小池一夫)

2011-09-16 20:40:10
小池一夫 @koikekazuo

創作は、始まりがあり終わりがありがあるのではない。前の創作の終わりが次の創作の始まりとなるのである。止まず巡るのである。それを続ける根気や集中力が無いと、作家として続ける事は出来ない。もったいない話である。(小池一夫)

2011-10-14 20:00:23
小池一夫 @koikekazuo

作品に中途半端な「照れ」があると、読ンでいる読者の方がもっと恥ずかしい。こンな事描いたら人にどう思われるのか等という作者の都合など、読者にとってはどうでもよくて、突き抜けた作品の方が断然面白い。漫画家にとって「照れ」なンてモノは、捨ててナンボである。(小池一夫)

2011-10-15 21:44:43
小池一夫 @koikekazuo

この作品が、わたしです」作品を創り、世に問うとは、つまるところ、そういう事である。(小池一夫)

2011-10-19 20:59:13
小池一夫 @koikekazuo

自分自身以上のレベルの作品は描けない。例えば、主人公が天才とか知能指数が異常に高いという設定はよくあるが、作者自信がそうでもないから、実際のところ主人公がそれほど賢くないとか、画力不足で、絶世の美女がそれほどキレイじゃないとか。身も蓋もないけれど、それが現実。(小池一夫)

2011-10-20 19:53:56
小池一夫 @koikekazuo

発表した作品や言葉は、発表されたその時点から、作者の意図を越えたところで読まれる。良くも、悪くも。それが、自分の創作を世に問う楽しみでもあり、恐ろしさでもある。表現者は、匿名の悪意に怯ンではいけない。心を鍛えなければ。(小池一夫)

2011-10-22 21:32:19
小池一夫 @koikekazuo

頭のいい人の創作した作品は面白い。馬鹿の描いた作品が面白い訳がない。よって、極論すれば、創作者は、まず賢くあろうと努力をすべきである。(小池一夫)

2011-10-23 15:51:42
小池一夫 @koikekazuo

作家としてやっていける人達は、独自の「世界観」を確立している。どンなに絵や言葉が達者であっても、内容が奇想天外であっても自分の「世界観」を欠いた作品は無個性に映る。頑張ってタトゥーを入れて、髪を金髪にした若者が「ありがちな人」と一言でくくられるのと同じである。(小池一夫)

2011-10-26 16:29:03
小池一夫 @koikekazuo

プロが絶対にやってはいけない事は、読者を侮る事である。「こンなのが読みたいンでしょ」というような意図の透けて見える作品は、結局、読者には受け入れられない。実際のところ、描いている方も楽しくないだろう。書き手もプロなら、読み手も読者という名のプロなのである。(小池一夫)

2011-10-27 16:24:41
小池一夫 @koikekazuo

読み手が心を持っていかれる作品からは、書き手の「集中力」がヒシヒシと感じられる。いくら「才能」があっても、「集中力」がなければ、才能が無い事に等しい。結局、純粋に書くことが楽しめなければ、集中力は湧いて来ないし、持続出来ないって事だろうね。(小池一夫)

2011-12-19 19:42:41
小池一夫 @koikekazuo

作品の中の「心理描写の部分」と「物語自体が進行する部分」のバランスはとても重要である。最近、心理描写の部分が長く、物語がなかなかテンポ良く進まない作品が目につく。漫画は哲学書ではないので、心理描写の部分が多い作品が、人間が良く描けている作品というわけではない。(小池一夫)

2012-01-11 17:59:50
小池一夫 @koikekazuo

作品を作る以前の問題として、一番大事な事は「誰に向かって書くか」という事。そして、その人に向かって、ブレずに書く。全ての人を喜ばす事は出来ないのだ。人生と同じく。(小池一夫) http://t.co/jT6REXRD

2012-01-12 16:41:20
小池一夫 @koikekazuo

作品を作る時に陥り易いのが「観念の袋小路」である。僕達はミクロの世界だと原子のレベルで、マクロの世界だと刻々と膨張する宇宙の果ての事まで常識として知ってる。だから、スランプの時は、膨大な情報が頭の中で渦巻き、原稿用紙の中に何を書けばいいのか分からなくなる。(小池一夫)

2012-01-14 18:17:14
小池一夫 @koikekazuo

魅力的な作品には、一片の狂気、一抹の不安、微かな陰り、そンな、読み手を不安にさせる要素が必ずある。そういえば、実生活でも、そういう人ってモテるよね。生活の安定を強く求めながらも、一方で心の奥深くに潜ンでいる破滅願望をくすぐるのだろう。(小池一夫)

2012-01-16 19:46:55
小池一夫 @koikekazuo

ライヴを堪能しながら、しみじみ思ったのは、表現者は、やはり、自分の世界観を強固に確立した者勝ちだなあ、という事。漫画でも、作者の世界観にどっぷりと浸れる作品が、結局は売れる作品だ。「世界観」とは、「作者の生き様」に他ならない。(小池一夫)

2012-02-02 20:19:26
小池一夫 @koikekazuo

読み手の読解力の無さや感性の乏しさは、創作側の責任ではない。創り手は、どンどン高みを目指すべきである。受け入れられようと、わざわざ自分の方向性を変えたり、レベルを下げたりするべきではない。それは、逆に、読み手を侮る事になる。(小池一夫) http://t.co/jT6REXRD

2012-02-07 20:22:01
小池一夫 @koikekazuo

作品を作り上げている最中は、自分の世界観に酔いしれ一心不乱に描きながらも、どこか頭の片隅に、乾いた冷徹な目で作品を俯瞰する自分が居なくてはいけない。プロとして食べていくという事は、好きなものを好きな様に書くのではなく、売れる作品を「狙って書く」という事。(小池一夫)

2012-04-14 20:55:40
小池一夫 @koikekazuo

表現者は「考える人」であり、「行動する人」である。深く考え、そして、その考えをもとに作品を作るという行動に集中する。また「考える人」たるために、行動し、様々な知識や情報を自分の中に集積するのだ。考えよ、そして、行動せよ。さらに、考えよ。そうして、自分の作品が深化・進化していく。

2012-05-05 21:37:26
小池一夫 @koikekazuo

自分でも怖いなって思うくらい色々な事が上手くいく時がある。でも心配する事はない。それが、ずっと続きはしないから。何をやっても上手くいかなくて、どン底な時もある。それも心配する事はない。ずっと続きはしないから。上手くいったり、下手うったり。でもね、生きてる限り希望が尽きる事はない。

2012-05-10 16:42:11
小池一夫 @koikekazuo

人気のある漫画は、やはり使われている言葉が良い。漫画の技術云々よりも、先ずは、自分の言葉でどンな物語を紡ぎたいのか。そこを明確にして描き始めないと作品はブレてしまう。漫画家は、もっと言葉に自覚的であるべきだ。(小池一夫)

2012-05-15 20:12:56
小池一夫 @koikekazuo

古典は今読ンでも面白く、王道を行くベタな物語もベタであるからこそ万人に受け入れられ、王道たり得るのである。ベストセラーは、普段本を読まない人達が買うからこそベストセラーになるのである。自分だけの世界を描きたい、しかし、売れたい。表現者はいつも葛藤の中。(小池一夫)

2012-05-26 17:26:39
小池一夫 @koikekazuo

表現者は、才能や運や感性の消費を恐れてはいけない。一つの作品を創り上げる時、それらのものを全て使い果たすのだ。すると、一段高みに登れる。見えてくる景色もかわる。そこで得たものを次の作品で、また、最後の一片まで消費し尽くす。その繰り返し。「プロは持続を旨とすべし」これに尽きる。

2012-05-28 20:09:05
小池一夫 @koikekazuo

読者も、作者が書かずにはいられなかった作品、生み出さずにはいられなかった作品には、ちゃンと敬意を表してくれる。物書きだけではなく、あらゆる職業に通じる真理だと思う。(小池一夫)

2012-06-02 21:12:52