東電撤退問題についてFlying Zebraさんの連続tweetまとめ
福島事故での東電の「撤退問題」について、日経新聞は当初から偏向報道や事実誤認が酷かった滝純一編集委員だけでなく、今朝のコラム大機小機でも横風記者が東電の言い分に懐疑的な記事を書いている。関係する報告書類をちゃんと読んでいるのか疑わしい。
2012-06-27 12:23:35東電の事故調報告書はもちろん東電の視点からの報告だが、この撤退問題については社内の聞き取りだけでなく、国会事故調を含む国会答弁をエビデンスとして引いている。これを読めば、閣僚が国会で偽証したのでない限り事実関係は明らかだ。少し紐解いてみたい。
2012-06-27 12:23:59東電の事故調報告書はhttp://t.co/5UEzuPFkで公開されている。撤退問題については本編のp74から10ページを割いて説明されているので、興味のある方はご一読をお勧めする。まず、事実関係を時系列で整理し、次にエビデンスを確認する。
2012-06-27 12:25:233/14午後、収束作業に直接関係しない者を一時退避させることを本店と発電所で協議、社長が海江田大臣に電話で連絡した。大臣は全員撤退と受け取り、その認識が官邸内で共有された。その後官邸から直接発電所の吉田所長に電話し、撤退の意思がないことを確認した。
2012-06-27 12:26:3015日未明、清水社長が官邸に呼ばれて真意を確認されている。ここで清水社長は明確に撤退の意思を否定し、菅総理(当時)も了解している。この時点で管氏が了解したことは、記憶の新しい4/18、4/25、5/2の参院予算員会での答弁で確認できる。なお、管氏は夏以降には話の内容を変えている。
2012-06-27 12:27:40同日のその後、東電本店に設置された対策本部に管氏が到着、10分以上にわたって激昂して激しく糾弾、撤退を許さないことを明言した。ほんの1時間少し前の会話の内容を忘れたかのような態度に、清水社長は大きな違和感を持ったと証言している。
2012-06-27 12:28:30以上が14日、15日の経緯だ。続いて公式な答弁記録と新聞のインタビュー記事から官邸側が当時どう認識していたを検証する。14日の清水社長からの一時退避の連絡について、海江田大臣が全員撤退と受け取った事は多くの証言で確認できる。
2012-06-27 12:29:2315日未明に清水社長が官邸に呼ばれた際に全員撤退ではないと明言したことに対し、海江田大臣は「電話で受けた話とちがうのでびっくりした」と5/17の国会事故調で答弁している。つまり海江田氏は電話の時点では全員撤退と理解したが、官邸での清水社長の話でそうではないことを認識した。
2012-06-27 12:30:07官邸での清水社長の話については、管氏も「撤退という意味ではない」ことを確認したと複数の答弁で述べている。これは、管氏が東電本店で有名な演説をぶる1時間ほど前の事である。これについて、管氏は9月の新聞インタビューでは撤退の意思が不明確だったと証言の内容を変えている。
2012-06-27 12:30:555/28の国会事故調の答弁では、「自分が撤退はあり得ないと言った時に、そんなことは言っていないという反論がなくそのまま受け入れられた」としている。4/18、25、5/2の予算委員会での答弁とは食い違うが、この時点でも清水社長に撤退の意思がなかったと認識していたことは示されている。
2012-06-27 12:31:44一方、別の角度から関わっていた保安院については、9/28の会見において、「保安院としては撤退と言うことではなく、必要な人は残して一時退避すると理解した」と述べている。
2012-06-27 12:32:34以上から、14日に電話を受けた時点では官邸側が全員撤退と受け取っていたが、実際には撤退の意思も撤退を検討した証拠もなく、15日未明に清水社長が官邸に呼ばれた際にその誤解は解消し、官邸側も東電に撤退の意思がないことを確認したことは明らかだ。
2012-06-27 12:33:14そうすると、その直後の管氏の激昂した演説は意味不明だ。清水社長も強い違和感を覚えたと証言している。ここから先は憶測による私見だが、管氏が冷静な判断力を失い、整合の取れない行動をしてしまったと考えると無理なく説明できる。
2012-06-27 12:33:58原子力発電所の運転員は、定期的にシミュレーターを使って現実にはあり得ないような様々な事故に対する対処訓練をしている。東電の経営者や管理職の全てがそうした訓練を経験しているわけではないが、非常事態を想定した検討は日常的に行っている。
2012-06-27 12:35:03一方、管氏は市民活動家出身の政治家で、長らく万年野党を率いてきた。巨大な「敵」を相手に勇ましく糾弾する事には慣れていても、自らが全責任を背負う指導者として力を発揮することは遂になかった。突然の緊急自体とのし掛かる重い責任に、冷静さを失ったのはある程度仕方ないかもしれない。
2012-06-27 12:35:39管氏が当時真剣に取り組み、命を賭けて責務を全うしようと覚悟していたことは想像に難くない。彼自身と日本国民にとって不幸だったのは、彼が国を率いるリーダーとしての資質を欠いていたことだろう。意思決定の最高責任者が冷静な判断力を失うのは致命的だ。
2012-06-27 12:37:11官邸での清水社長との会談から本店対策本部での演説までの間に管氏の心中でどんな葛藤があったかは誰にも分からない。恐らく本人も分かっていないのではないだろうか。その後の本人の証言から客観的に言えることは、彼の言動には整合性がない、という厳然たる事実だけである。
2012-06-27 12:39:16官邸関係者の具体的な発電内容は東電事故調報告書の別紙1に纏まっている。出典(議事録等)も明示されているので、ぜひ各自でご確認頂きたい。確認した上でなお東電の主張を否定できるのであれば、私が何か重大な見落としをしているかもしれないのでぜひ教えてほしい。
2012-06-27 12:40:00うげげ。もしかして全部間違ってました?RT @ginoxiu: @f_zebra 賛同します。ところでその管とは、菅のことですよね。つまらんやつのことですが。
2012-06-27 12:57:12orz…RT @Slight_Bright: @Butayama3 @f_zebra ただ一点、官邸に居たのは菅氏であった、と言う事が悔やまれる…か。
2012-06-27 12:57:51