クローズアップ現代「スペース・ベンチャー 加速する民間宇宙開発」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk 

6月27日に放送されたものを文字起こししています。 進行:森本健成アナ ゲスト:長谷川義幸(JAXA理事)
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> 先月、人類の宇宙開発に新たな歴史が刻まれました。アメリカの民間企業が開発した宇宙船が、初めて国際宇宙ステーションとのドッキングに成功したのです。実現したのは創業わずか10年のベンチャー企業でした。いまアメリカでは民間企業が続々と宇宙開発に乗り出しています。

2012-06-27 19:54:33
とし @toshihiro36

<ナレーション> 一般の人が体験できる宇宙旅行。長期滞在を可能にする宇宙ホテル。背景にあるのはアメリカのしたたかな戦略です。民間企業の競争を促すことによって、宇宙開発の技術革新を一気に推し進めようというのです。

2012-06-27 19:58:43
とし @toshihiro36

<ナレーション> これまでの宇宙開発を大きく塗り替えるスペース・ベンチャー。その最前線を追いました。

2012-06-27 19:59:42

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

森本:ロケットや人工衛星を打ち上げる。人間が月に降り立つ。さらには宇宙と地球を往復し、宇宙ステーションで生活する。宇宙開発によって、次々と夢が現実のものとなってきました。これまでは国がその威信をかけて、多額の予算を投じて進めてきた宇宙開発。その新たな時代のキーワードが民間です。

2012-06-27 20:03:50
とし @toshihiro36

森本:さあ、やってきたのはアメリカの民間企業スペースXが打ち上げた宇宙船“ドラゴン”です。高さ7.2メートル、太陽光パネルの端から端までは16.5メートルあります。この宇宙船を民間としては初めて、国際宇宙ステーションとドッキングさせることに成功しました。

2012-06-27 20:10:25
とし @toshihiro36

森本:地上から400キロ、秒速8キロという弾丸よりも速いスピードで飛行する宇宙ステーション。ドッキングさせるには数センチ単位の精度が求められます。ドラゴンは宇宙飛行士のための食料や実験物資を届けたあと、地球への帰還にも成功しました。その技術力の高さには驚きの声が上がっています。

2012-06-27 20:15:08
とし @toshihiro36

森本:いまアメリカではスペースXのような民間企業が、次々と宇宙開発に乗り出しています。民間の力が切り開く宇宙開発の未来には、どんな可能性が広がっているんでしょうか。まずはスペースXの挑戦と、その背景にあるアメリカの戦略をご覧ください。

2012-06-27 20:19:24

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 国際宇宙ステーションとのドッキングを成功させたベンチャー企業・スペースXです。創業わずか10年、宇宙船からロケットのエンジンまで、自前で開発・製造しています。社員1800人の平均年齢は31歳、航空やITなどさまざまな業界から集められました。

2012-06-27 20:33:59
とし @toshihiro36

<ナレーション> スペースXを率いる、イーロン・マスク氏40歳です。20代で興したIT企業の成功で、巨額の富を手にしたマスク氏。電気自動車や再生可能エネルギーなど、最先端のビジネスを次々と立ち上げてきました。世界に変革をもたらす起業家として、全米の注目を集めています。

2012-06-27 20:39:16
とし @toshihiro36

<ナレーション> そのマスク氏がいま、最も力を入れているのが宇宙開発です。

2012-06-27 20:41:22
とし @toshihiro36

マスク:人類の未来に最も影響を与えるものは何か。私は常に考えてきました。ITやエネルギーさまざまな分野に挑戦してきましたが、宇宙こそ最後のフロンティアだと確信したのです。

2012-06-27 20:44:04
とし @toshihiro36

<ナレーション> マスク氏の成功の背景には、アメリカが打ち出した新たな宇宙戦略がありました。去年引退したスペースシャトル、30年にわたってアメリカの宇宙開発を支えてきました。しかし相次ぐ事故や莫大な運用コストから、財政難に苦しむアメリカは大きな見直しを迫られたのです。

2012-06-27 20:48:28
とし @toshihiro36

<ナレーション> オバマ大統領が打ち出した新たな戦略、それは民間企業の大胆な活用でした。民間企業の宇宙開発への参入を初めて提言した、NASAの前長官・マイケル・グリフィン氏です。もはや国家が巨額の予算を投じて、宇宙開発のすべてを担う時代でなないといいます。

2012-06-27 20:53:11
とし @toshihiro36

グリフィン:民間企業が自分たちの力で画期的な技術開発ができるようになれば、NASAはその企業と契約を結べばいいのです。我々は巨額の予算を使わずに済みますし、宇宙産業の発展にもつながります。これが最も安く効率的な方法だと考えたのです。

2012-06-27 20:57:26
とし @toshihiro36

<ナレーション> 創業わずか10年で、アメリカを代表する宇宙開発企業の一つとなったスペースX。それを支えているのが、ベンチャー企業ならではの柔軟な発想と工夫です。ロケットの中で最も重要なエンジン、これまで高価な専用部品で組み立てられていました。

2012-06-27 21:03:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかしスペースXのエンジンは全く違うものです。

2012-06-27 21:05:05
とし @toshihiro36

担当者:このエンジンに使われているのは、自動車やコンピュータの部品です。新しいものを一から開発するより、すでにある技術を利用する方が合理的ですから。

2012-06-27 21:08:05
とし @toshihiro36

<ナレーション> ロケットの構造もよりシンプルなものにしました。従来のロケットの多くは1段目と2段目で、大きさも推進力も違うエンジンを使っていました。

2012-06-27 21:15:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかしスペースXが使うエンジンはたった1種類。必要な推進力に応じてエンジンの数を増やします。無駄な開発費を抑えることで、大幅なコストダウンを実現したのです。

2012-06-27 21:17:51
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