農作業時の吸入による内部被曝量:『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』よりの推計結果

農作業時の被曝については内部、外部とも情報が少なく、これまで探してもなかなか見つかりませんでしたが、チェルノブイリ事故後のスウェーデンの放射能対策をまとめた「スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか」(2012年2月、共同出版)に出ている農作業時の吸入による内部被曝量の推計結果を共訳者のお一人、佐藤吉宗(@yoshisatose )さんがTwitterでご紹介下さっているのをお見かけしましたので、関連議論とともにまとめさせていただきました。 ここにあげられている例は畜産農家が家畜の飼料から巻き上がるほこりを吸い込んだ場合を想定していますが、土ぼこりと読み替えることもできるでしょう。
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力工デ@中の人(色々と環境問題勉強中 @55_kaede_55

飯館でマスクする必要は、もうあんまりないんじゃないか?特殊な作業するならともかく。内部被曝するほどないでしょ。定着してるし。

2012-06-24 23:33:49
Yoshihiro Sato @yoshisatose

RT @55_kaede_55 スウェーデンの農業試験の試算パラメータで、牧草を扱う牛舎ないの作業8時間で、吸引する内部被曝が預託実行線量で1msvになるには、周囲の藁が500万bq/kgくらい汚染されてないとならんらしから…飯館の環境でも流石に500万超える所はないだろ…

2012-06-24 23:45:23
Yoshihiro Sato @yoshisatose

↓ 拙著(訳)の『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』に登場する実験結果です。補足すれば、1日8時間労働で1年間、畜産業に従事した場合に、飼料から巻き上がる埃の吸入による被曝線量が1mSvに達するためには飼料の汚染度が500万bq/kgくらい必要、というもの。

2012-06-24 23:48:34
Yoshihiro Sato @yoshisatose

さらに、実験において仮定された埃の濃度は適切な労働環境と認められる最大値であり、通常の農作業よりも相当高い値であるため、実際にはさらに高い汚染度が必要となります。感じる印象に反して、埃による内部被曝はそれほど高くないことが理解できる実験結果です。

2012-06-24 23:52:43
カーリングおやぢ @curlinggubbe

@yoshisatose 内部被爆の問題はその吸引量、摂取量よりも放射線源が組織と密着してしまうことにあるように思います。放射線のエネルギーは距離の2乗に反比例し減少するとされますが、内部被爆は距離0です。全く減衰しないものが組織に照射され続けます。

2012-06-25 00:23:52
Yoshihiro Sato @yoshisatose

その考え方は既に否定されていると存じます。例えば、学習院大学田崎教授のhttp://t.co/OW75k6KLhttp://t.co/yzOQGEFh をご覧くださいRT @curlinggubbe 内部被爆の問題はその吸引量、摂取量よりも放射線源が組織と密着してしまうこと

2012-06-25 00:38:32
Yoshihiro Sato @yoshisatose

先ほどの「1mSv」という線量は、そのような点も考慮して算出された実効線量であり、外部被曝の実効線量と比較可です。 RT @curlinggubbe 放射線のエネルギーは距離の2乗に反比例し減少するとされますが、内部被爆は距離0です。

2012-06-25 00:42:23
son_in_law @son_in_law

「距離の二乗に反比例」は見込む立体角が4πより十分小さい場合にのみ成立する近似。距離ゼロまで成立するものではない。 RT @yoshisatose RT @curlinggubbe 放射線のエネルギーは距離の2乗に反比例し減少するとされますが、内部被爆は距離0です。

2012-06-25 00:48:28
カーリングおやぢ @curlinggubbe

ご紹介のサイト見ました。私が指摘したかったのは右のようなことではなく、線源そのままのエネルギー照射になる、ということです。>「距離の二乗に反比例」の法則を使って「内部被ばくなら一億倍も危険だ!」とする論法は間違っているということを書きたかったのだ。@yoshisatose

2012-06-25 07:41:20
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@curlinggubbe その点に関しては、2つ目のツイートで返事したように、その点を考慮した上で内部被曝の実効線量が算出されています。

2012-06-25 07:59:08
son_in_law @son_in_law

何度も邪魔してすみません。おっしゃる通りですね。ただ、お肉の線減衰係数は0.08cm^-1程度ですので、半分以上は吸収されずに体外へ突き抜けます。全て想定済みです。 RT @curlinggubbe 線源そのままのエネルギー照射になる @yoshisatose

2012-06-25 10:42:59
カーリングおやぢ @curlinggubbe

twitterで議論は無理なので、ともかく先生の訳書を見てみることにします。よく、被爆による発癌の議論の件で抜け落ちている、あるいは無視される点が人体の個体差についてです。癌になりやすい遺伝子を持つ人々がいる訳で、数値による安全域はあくまで目安と思います@yoshisatose

2012-06-25 07:53:26
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@curlinggubbe 個体差があるとして、では平均的な人に対する目安の2倍の幅を取るのか、5倍の幅を取るのか、それとも10倍の幅を取るのか、それとも100倍? あまりに大きな幅を取りすぎると、現実にはありえない危険まで考慮しろということになり、一部で見られる極論に至る。

2012-06-25 08:05:50
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@curlinggubbe 「数値による安全域はあくまで目安」は確かにそうですが、数値を使った定量的な議論は重要です。

2012-06-25 08:10:16
カーリングおやぢ @curlinggubbe

@yoshisatose そこがね、今の医学でも全てはわかってないのですよ。平均的な個体ってなんでしょう?先生も私もだれでも何らかの脆弱遺伝子をもっているかもしれないし。トンデル論文もそうだけど、公衆衛生はどっかで線引きをするが、イコール線引き以下は個々の安全とは限らない。

2012-06-25 08:19:28
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@curlinggubbe 「分かっていない」と言っても「影響の大きさが全く見当付かない」というわけではなく、福島でいま問題になっているような汚染による影響のオーダーが小さいことは分かっているでしょう。「全ては分かっていない」と言ってありもしないレベルの話をするのは非現実的です。

2012-06-25 08:26:24
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@curlinggubbe いずれにしろ、今回私がツイートした話は、現実よりも相当に安全寄りの厳しい条件を仮定しても、農作業における埃の吸引による内部被曝は一般に防護の基準とされる1mSvを上回るとは考えにくいということです。

2012-06-25 08:29:40
Yoshihiro Sato @yoshisatose

@curlinggubbe 「公衆衛生はどっかで線引きをするが、イコール線引き以下は個々の安全とは限らない」 ← では、具体的にはどうすれば良いのでしょうか? そもそも、どのような被曝量の水準を想定しながら話をしておられるのか知りたいです。

2012-06-25 08:38:29
son_in_law @son_in_law

そうですね。それが所謂LNTですね。しかしおっしゃるように参考となる線は引かざるをえない。そこはもう科学ではなく、社会との合意で決めるしかない領域ですね。 RT @curlinggubbe 線引き以下は個々の安全とは限らない @yoshisatose

2012-06-25 10:44:48