クジラの肉の輸出入はどうなっているのか2012

「調査捕鯨の是非」という議論に、鯨肉の輸出入という新たな要素が無視できなくなってきました。アイスランド産、これが調査鯨肉を店頭から駆逐するように伸してきています。
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佐久間淳子 @shimanomusume

鯨肉の輸出入が現在どうなっているか、についてまとめます。2010年4月にまとめた http://t.co/lMQsSPST の更新版です。 #iwcjp

2012-06-28 22:29:58
佐久間淳子 @shimanomusume

鯨肉の輸出入が可能な国は限られています。クジラが捕れたとしても、国際条約の加盟状況で輸出入は制限されています。「国際捕鯨取締条約(ICRW)」では、加盟国同士での輸出入のみ認めています。IWCのメンバー国一覧は→ http://t.co/vWgYx9yL #iwcjp

2012-06-28 22:30:07
佐久間淳子 @shimanomusume

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES、ワシントン条約)」では、ヒゲクジラ類の肉は輸出入禁止の対象ですが、生物種毎に留保(従わない)することができます。 #iwcjp

2012-06-28 22:21:55
佐久間淳子 @shimanomusume

CITESにおける輸出入禁止・制限の対象生物種はこちら→ http://t.co/RUfajD79 。Balaenoptera〜で始まる学名がヒゲクジラ類です。規制のレベルは3つに別れている。 #iwcjp

2012-06-28 22:22:26
佐久間淳子 @shimanomusume

CITESでどの国がどの生物種の輸出入規制に留保しているかが一覧できるのはこちら→ http://t.co/gZ2VU8vI#iwcjp

2012-06-28 22:22:40
佐久間淳子 @shimanomusume

日本はICRWにもCITESにも加盟しており、ヒゲクジラ類の輸出入禁止を留保しています。同じ条件を持っている捕鯨国はノルウェーとアイスランド。 #iwcjp

2012-06-28 22:22:49
佐久間淳子 @shimanomusume

ノルウェー産は、2008年にミンク肉5tが輸出されたはずですが、細菌がどうとか、という理由で輸入はかなわなかったように聞いてます。その後は輸出されていません。同国はこのところ500頭前後のミンクを捕獲していますが国内消費向けです。 #iwcjp

2012-06-28 22:22:59
佐久間淳子 @shimanomusume

いまのところ、アイスランドが継続的に日本に鯨肉を輸出しています。 #iwcjp

2012-06-28 22:23:06
佐久間淳子 @shimanomusume

アイスランドは1991年に日本に輸出したのを最後にいったんIWCを脱退していましたが、2002年に「モラトリアムに従わない」という前提で再加盟。2003年から調査捕鯨を開始し、2006年に商業捕鯨を再開。 #iwcjp

2012-06-28 22:23:15
佐久間淳子 @shimanomusume

アイスランドは2009年にナガス125頭、2010年に148頭捕獲し、2008年に日本へ輸出を再開、翌09年は輸出しなかったものの、2009年以降輸出が続いています。2012年4月現在、再開後の輸出総量は2179t。日本が通関したのは4月現在で計1681t。 #iwcjp

2012-06-28 22:23:22
佐久間淳子 @shimanomusume

2011年は909.6tが通関され、日本国内で販売されました。捕獲頭数から推定すると、まだ在庫は1000tくらいあるはず。2011、2012年と捕獲がなされていませんが、輸出は続くと思われます。 #iwcjp

2012-06-28 22:23:30
佐久間淳子 @shimanomusume

ちなみに日本の10大中央卸売市場(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)が年間に取り扱う鯨肉の量(ベーコン等加工品を除く)は2011年が733t。アイスランド産輸入ナガスのほうが多い。 #iwcjp

2012-06-28 22:23:42
佐久間淳子 @shimanomusume

中央卸売市場はもともと調査鯨肉の取扱は全体の1割程度だそうですが、それが2007年以降次第に減り、当時の6割を切りました。 #iwcjp

2012-06-28 22:23:50
佐久間淳子 @shimanomusume

アイスランド産鯨肉の、2011年の通関時の価格の平均は875円/kg。一方、調査捕鯨の肉はというと、2011産北西太平洋のミンククジラとイワシクジラの赤肉の最低落札価格は1400円。ニタリクジラ赤肉は1120円。 #iwcjp

2012-06-28 22:24:17
佐久間淳子 @shimanomusume

ほとんどの部位は、これまで水産紙などで報じられてきた鯨研(共同船舶)提示の卸売価格(2010現在)よりも安く落札されました。もっとも安くなったのはイワシの尾の身で38%、赤肉はミンクとイワシは80%台ですが、ニタリは66%。 #iwcjp

2012-06-28 22:24:25
佐久間淳子 @shimanomusume

鯨研(共同船舶)提示の卸売価格(2010現在)よりも高く落札されたのは、ミンクの赤肉特級・畝須1級で1.04倍のみ。ミンク本皮1級・イワシ本皮特選・1級が1倍。 93%はニタリの赤肉特選のみ。あとは86から52%の間。#iwcjp

2012-06-28 22:24:33
佐久間淳子 @shimanomusume

2011産北西太平洋の調査鯨肉は、調査捕鯨史上初めて入札にかけられましたが、その75%が売れ残りました。再び相対取引で売買されるとのことです。入札結果よりも安くしか売れないと思われます。 #iwcjp

2012-06-28 22:24:41
佐久間淳子 @shimanomusume

ところで、今日(6月28日)発表された5月のアイスランド鯨肉輸入価格は250円/kg。これは2008年の輸入再開後1月に続いて2度目の最安値。どのような赤肉かわかりませんが(胸肉とか小切れとか)、今後入って来る肉もこのように安いものが入って来る可能性がありますね。 #iwcjp

2012-06-28 22:24:48
佐久間淳子 @shimanomusume

アイスランド鯨肉の動向から推測すると、調査鯨肉を高く売るのは難しいと考えられます。 #iwcjp

2012-06-28 22:24:54
佐久間淳子 @shimanomusume

アイスランドは人口約32万人。クジラ、特にナガスクジラは対日本輸出用に捕っているようです。 #iwcjp

2012-06-28 22:25:01
佐久間淳子 @shimanomusume

なお、貿易相手国がIWC加盟国でCITESを留保してあっても、経由国が留保をしていない国である場合は、そこで揉める可能性があります。 #iwcjp

2012-06-28 22:25:08