Twitter大学 - わいたんべさんの解説「生卵の安全性」

わいたんべさんは大喜利だけの人じゃない(キリッ
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Y Tambe @y_tambe

生卵の安全性をどうこう言ってる人がいるのか。

2012-07-01 06:53:52
Y Tambe @y_tambe

生卵の場合、ほとんどがサルモネラ中毒なのだけど、その感染様式はある意味、今の牛生レバーを巡る状況と似てる。

2012-07-01 06:55:49
Y Tambe @y_tambe

(1) 病原体の強毒、弱毒の部分が似てる:【ウシの場合】普通の病原大腸菌と腸管出血性大腸菌(O157など)で異なる。後者が強毒性で死亡率高く、ごく少数(10-100個程度)で感染する。前者は100万個程度で感染し、小児などで重症例はあるがその頻度は低い(続

2012-07-01 07:00:15
Y Tambe @y_tambe

続)(1) 病原体の強毒、弱毒の部分が似てる:【トリの場合】普通のサルモネラとサルモネラ・エンテリティディス (SE)で異なる。後者が強毒性で比較的死亡率は高め、比較的少数(100-1000個程度)でも感染する。前者は100万個程度で感染し、小児などで重症例はあるが低頻度(続

2012-07-01 07:03:22
Y Tambe @y_tambe

続)(2) 食材の汚染様式が似てる:【ウシ】病原大腸菌はウシ腸内に常在しており、通常は食肉表面に付着したものが汚染源になるが、生レバーでは内部に存在する菌も感染源になる(続

2012-07-01 07:06:22
Y Tambe @y_tambe

続)(2) 食材の汚染様式が似てる:【トリ】サルモネラはトリ消化管内に常在しており、従前は卵殻の表面に付着したものが主な汚染源だった(オンエッグ感染)。しかしS.エンテリティディスやS.ティフィムリウムは母鶏の胎内で卵内部への感染(介卵感染、インエッグ感染)を生じ感染源になる(続

2012-07-01 07:10:13
Y Tambe @y_tambe

続)【決定的な違い】ただしトリのサルモネラ感染については、(A) 汚染された種鶏(ヨーロッパ由来)の系統を排除。(B) 鶏サルモネラ症ワクチンの開発と導入、によって対策がなされた。ウシの場合、このような対策法がまだ見つかってもいない。

2012-07-01 07:13:52
Y Tambe @y_tambe

@chronekotei まぁもちろん油断しちゃいけませんけどね…卵の殻の外側についてるのが混入する可能性は、生産・流通・販売過程での洗浄・消毒や保存管理が徹底されるようになって、かなり減ってる。厄介な介卵感染も一通りの対策はなされてる。ただSEの感染菌数の少なさは厄介。

2012-07-01 07:19:50
Y Tambe @y_tambe

「普通の生ものの食中毒」よりは怖いです。が、O157ほどじゃないです。あれがとにかく別格なんですよ。 RT @chronekotei その辺はO157同様「運悪く当たっちゃったらアウツ」みたいな感じで、リスク自体はあると謂うことですかね。

2012-07-01 07:30:05
Y Tambe @y_tambe

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2012-07-01 07:32:12

Y Tambe @y_tambe

感染症の歴史から見ると、食中毒って昔はそれほど重要な感染症だと思われてはなかったんですよ…基本的に「伝染しない」から…というより、それが食中毒の定義「だった」から。同じように食べ物や水が感染源になるものでも伝染性のあるコレラや腸チフス、赤痢は別格扱いで、そっちの対策が優先された。

2012-07-01 07:48:38
Y Tambe @y_tambe

ヒトからヒトに伝染するものは、ほっといたらどこまでも感染が拡大する。だからいわゆる「患者の隔離」とかまで駆使して食い止めなくちゃならない。

2012-07-01 07:51:22
Y Tambe @y_tambe

一方で食中毒(というより、食由来感染症)の場合は、原因となる食品を見つけて処分するというポイントが重要。で、そういう対処法の違いもあって、細菌学的観点よりも、法的な視点から区分と定義が行われたのだけど、それが今のO157やノロウイルスなどのようなものでの混乱にもつながってる。

2012-07-01 07:54:14
Y Tambe @y_tambe

また、そういう伝染性の大小と、生死に関わるかどうかの毒性の違いが、また別の問題。例えば、ボツリヌス中毒は食品中で作られる毒素による食中毒で、伝染性はまったくないのだけど、致死率は非常に高い。

2012-07-01 07:56:27
Y Tambe @y_tambe

これまた極端な話をするなら、食中毒であっても「予後が良い(=そのときは苦しくても、命に別状がなく後遺症もでない)」ものであれば、そこまで口うるさくいわなくても…という部分もあるのです。サルモネラ等いわゆる普通の食中毒とか、ノロウイルスにしてもそこまで口うるさく言われないのはそこ。

2012-07-01 08:04:15
Y Tambe @y_tambe

もちろん「口うるさくいわない」とは言っても、「食べたら腹痛起こす」ような食品を店が客に提供するような場合は、品質管理責任が問われますけど。

2012-07-01 08:06:21
Y Tambe @y_tambe

ただ牛生レバーの場合、O157は死亡率が高くてHUSなどの合併症で予後が悪いし、カンピロバクターは通常は問題なくてもギランバレー症候群の原因になりうるという問題が指摘されてる以上、「口うるさくいわなくても…」じゃすまないレベル。

2012-07-01 08:08:44