NHKスペシャル「日本のがん医療を問う」書き起こし #nhk 

6月30日に放送されたものを文字起こししています。 司会:国谷裕子アナ ゲスト:小宮山洋子(厚生労働大臣)     堀田知光(国立がん研究センター・理事長)     天野慎介(悪性リンパ腫患者会・代表) 続きを読む
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> かつてキャプテンを務めていたサッカーチームの試合を、スタンドから見つめる青年がいました。那須広樹さん18歳、去年腎臓にがんが見つかりました。がんは肺などに転移、進行を抑えるために過酷な抗がん剤治療を続けています。

2012-06-30 20:07:56
とし @toshihiro36

<ナレーション> 那須さんの願い…それは海外で開発中の薬を使った治療を受けること。しかし、日本ではその願いはかないません。 5年前に施行されたがん対策基本法。国はがん患者の視点に立って、対策を実施していくと宣言しました。

2012-06-30 20:11:51
とし @toshihiro36

<ナレーション> どこに住んでいても質の高い治療が受けられるよう、全国にがん治療の拠点病院を整備。薬の開発を推し進め、海外との格差も解消されるはずでした。それから5年、国が掲げた理想はどこまで実現されたのか。

2012-06-30 20:16:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今回私たちは患者とその家族、2500人にアンケートを行いました。見えてきたのは今も満足する医療を受けられず、苦しむ患者たちの姿でした。年間70万人が発症し、がんと生きることが当たり前になった私たちの社会。いま何が求められているのか、検証します。

2012-06-30 20:21:54

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

国谷:がんはとても身近な病気です。日本人の2人に1人ががんになり、死亡原因は第1位です。5年前がん対策基本法が施行されるまで、年間70万人が発症するこの病気の医療に対する国家戦略はありませんでした。

2012-06-30 20:31:59
とし @toshihiro36

国谷:住んでいる場所によって受けられる治療に格差があり、しかも情報が非常に乏しいなか、多くの救われるはずの命が救われない深刻な事態が広がっていったのです。私はかつて「日本のがん医療を問う」という晩国を担当したときに聞いた、ある患者の声が忘れられません。

2012-06-30 20:37:09
とし @toshihiro36

がんと共に生きる会元会長・佐藤均(2005年4月):この苦しい思いを他の方に、身内に2度とさせたくないわけですよ。がんになっても安心してきらせるような、そんな世の中にしていきたいですよ。

2012-06-30 20:42:19
とし @toshihiro36

国谷:佐藤均さんはこの番組の2カ月後に亡くなられました。患者自ら治療を続けながら街頭に立って行政や国に求めたのは、がん患者の立場・視点に立ったがん対策です。どこに住んでいても格差のない、科学的根拠に基づいた治療が受けられるようにするために作られた、がん対策拠点病院は、

2012-06-30 20:48:05
とし @toshihiro36

国谷:6年前3つの県で1つもありませんでしたけれども、現在はすべての都道府県に合わせて397か所設置されています。また今では手術とともにがん治療に欠かせない、抗がん剤そして放射線治療の専門医の数も増えています。

2012-06-30 20:53:16
とし @toshihiro36

国谷:またこちらのグラフは、人口10万人あたりのがんで亡くなる方の推移を表したグラフです。平成17年、92.4人でした。国は10年間で2割削減することを目標にしています。胃がん・大腸がん・肺がん・肝臓がん・乳がんという日本人に多い5つのがんを重点的に取り組んできたことで、

2012-06-30 21:00:13
とし @toshihiro36

国谷:一定の成果が上がっています。その一方で拠点病院で提供される医療に格差があったり、また患者数が少ないがんへの対策が手つかずのままになっています。がん対策基本法の施行から5年経って、今夜はあらためて日本のがん医療のあり方を検証していきます。

2012-06-30 21:03:10
とし @toshihiro36

国谷:まずは科学的根拠に基づいて適切な治療を提供するという理念が、拠点病院で徹底されていない実態からご覧ください。

2012-06-30 21:12:30

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 新潟市の拠点病院で血液のがんの治療を受けている女性です。今年3月、呼吸が苦しくなりこの病院に駆け込みました。検査の結果は悪性リンパ腫、すぐに抗がん剤治療を始めなければならない危険な状態でした。

2012-06-30 21:16:27
とし @toshihiro36

石黒医師:悪性の病気で、しかも短期間に進行してしまう病気で…あまり考えている余裕はなく、具合が悪くなる危険性も当然大きいと思います。

2012-06-30 21:18:49
とし @toshihiro36

<ナレーション> 実はこのひと月前、女性は県内の別の拠点病院で診察を受けていました。その病院が作成した診察の記録です。胸に水が溜まっていたことから、悪性リンパ腫の可能性も検討されました。しかしその特定には至りませんでした。

2012-06-30 21:22:03
とし @toshihiro36

女性:水が溜まってると言いながら、何もしないですもんね。「死にませんから大丈夫です」って言われたんです。死にませんと言われたって、そんな簡単に死んだら大変なんだけど。そこまでワーワーということないみたいな言われ方をしたんです。

2012-06-30 21:25:45
とし @toshihiro36

<ナレーション>不安を感じた女性がセカンドオピニオンを求めたのが、いま治療を受けている県立がんセンター新潟病院。県内9つの拠点病院の中で、中心的な役割を担っています。女性の検査結果を見た石黒卓朗さんは、「経験のある医師であればがんと診断できたのでは」と指摘します。

2012-06-30 21:29:45
とし @toshihiro36

石黒:治療の機械を逸したり、上手く診断がつかなかったりすると、命に関わってしまう報告例が多いんですね。

2012-06-30 21:32:45
とし @toshihiro36

女性:びっくりした。(拠点病院で)こうも違うのかなと思って。病気もよくわからなかったし。もうどうなってるのという感じで…どうしようもないというか…

2012-06-30 21:34:57
とし @toshihiro36

<ナレーション> 全国どこでも、質の高いがん医療を提供することを目指したがん対策基本法。その柱となるのが拠点病院の整備でした。内科や外科の医師のほか放射線や抗がん剤治療など専門の知識を持った医療スタッフが、チームを組んで適切な治療を提供すること。それが拠点病院の指定の要件です。

2012-06-30 21:39:00
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