哲学クラスタ、十蘭とぼろんじが選ぶ夏の文庫百選。後編
もいっちょSFを。ウィリアム・ギブスン&ブルース・スターリング『ディファレンス・エンジン』 ハヤカワ文庫 「もしも蒸気機関がそのまま発展していたら?」というIF世界を描くスチームパンクの代表作。現実との交錯点もあってリアルさを産んでいる。上下二巻で53
2010-07-04 00:15:59なんか今まで出してなかったね。『背教者ユリアヌス』辻邦生中公文庫全3冊。大傑作。必読。とにかく読んでみて下さいな。辻邦生はローマから日本まで本当に範囲が広い。塩野と一緒にされては困る。56
2010-07-04 00:17:59@juranic 出すと思ったよ。みなさんちなみに国内を扱ったものでは『安土往還記』『西行花伝』などもオススメですよ。僕らの最大級に勧める作家の1人。
2010-07-04 00:20:02では三島由紀夫 『豊饒の海』四部作。三島の絶筆にしておそらくトップの作品の一つ。4代にわたる主人公と、それを見守るもう1人の主人公の悲劇。三部から第四部中盤まで中だるみするけど最終場面はおそらく愕然とするシーンになるだろう。
2010-07-04 00:24:30『ドゥイノの悲歌』リルケ作。岩波文庫。註がすごいんですよ註が。詩もどこまで掘り下げてもそこが見えないくらい深いしね。最近復刊されたので入手は簡単なはず。61
2010-07-04 00:26:05@b0r0nji やはり三島は豊饒の海からが最適だよね。新潮文庫の夏の100冊だと『仮面の告白』とか入ってて、挫折させたいのかと思ってしまう。
2010-07-04 00:28:02バルザック『セラフィタ』 両性的で天使的な人を軸にある男女の関係を描いた作品。両性的という要素がまだ猟奇性を帯びない時代の神秘的なお話。信仰の話題になるのでキリスト教の知識がないとちょっと辛いかも?
2010-07-04 00:31:16ではフランス文学で続けよう。ネルヴァル『暁の女王と精霊の王の物語』中村眞一郎訳。 これも角川リバイバルに収録。一時期幻想文学にはまっていたときに特に好きだった一つ。『火の娘』もオススメだが個人的主義でこっちを推す。64
2010-07-04 00:38:59美しき言の葉シリーズ『細雪』谷崎潤一郎、新潮で読んだけど、中公にもあったと思う。何も起こらないのに文章力で引き込める数少ない小説。数の都合上新潮文庫の全3巻でカウントしようw65~67
2010-07-04 00:41:31一応専門だからカントもあげておこう。『永遠平和のために』岩波文庫 宇都宮訳 これがオススメというかこれ以外に勧められる訳が文庫にないというのが実情。篠田訳は避けるんだよ!
2010-07-04 00:43:28『小栗虫太郎集』、創元推理文庫、アンチミステリの雄『黒死館殺人事件』収録。ポケミスが除外ならこれでしょうな。他にも『後光殺人事件』や『聖アレキセイ寺院の惨劇』など小栗の面目躍如たる傑作が揃っている。中学生の時に読んで人生街道踏み外したwww69
2010-07-04 00:46:33ミステリと来たか!では『江戸川乱歩短篇集』 岩波文庫。岩波も乱歩なんて出す時代なんだねぇ。代表作がそろい踏みで定番にしちゃっていいんじゃないかな。ミステリからホラーまでバランスよくそろってると思う。70!
2010-07-04 00:50:06『犬神博士』夢野久作、夢野なら『ドグラ・マグラ』というステレオタイプがあるから、あえてこれを選ぶ。最近角川文庫で復刊された。福岡の乞食芸人と愉快な仲間達。新聞連載だった上、バカ話だから、笑いながら読める。
2010-07-04 00:56:39