現代社会

現代社会のおはなしを超ざっくりと。「大きな物語」無き後の世界について。
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安見瑛 @Akira_Ei

書籍名にポストモダンとありますが、そのポストモダン(現代の後)を考えるにはまず「現代」ってなんぞやと考えましょう。現代とは何か。もっといえば「現代社会」とは何か。ポイントは現代社会の人々=「文化の消費者(大衆)」であるという点です。 #現社

2012-07-04 00:06:36
安見瑛 @Akira_Ei

公共問題にかかわる自由・平等・自律的な「市民」 ↓ 公衆(文化を議論する人たち。本を読む人たち) ↓ 大衆(文化消費。マスメディア見るよ) ・・・・と変化してきました。大衆になったのは19C後半。 詳しく知りたい人は「ハーバーマスの問題関心」「タルド」あたりでggってね #現社

2012-07-04 00:12:02
安見瑛 @Akira_Ei

「大衆」のが成り立つのに必要なもの。 ①マスメディア(マス・コミュニケーション)の発達 ②大衆民主主義(みんな平等。普通選挙) ③大衆文化・大量消費(みんなが大好き。みんなが使う) この3つ。まぁ「みんなが」っていうのが鍵ですかね #現社

2012-07-04 00:18:07
安見瑛 @Akira_Ei

重要なのが①マスメディアの発達。 テレビやラジオみたいに、視聴者が「受け取るだけ」なものが増えたことで、大衆が消費者(テレビ見るだけでいいや層)になったんです。いやテレビ見てラジオ聞くだけで流行の話題についていけるヨ的な。与えられた情報の消費(消費者)の完成です。 #現社

2012-07-04 00:22:17
安見瑛 @Akira_Ei

こうして大衆が成立し、「みんな同じ=誰でも一緒=不特定多数」な社会になりました。 不特定多数ってイイですよね、身分や出身地域、家族構成にとらわれない。おれはじゆうだ!………と思うじゃないっすか。でも自由ってことは何でも自分で決めなきゃならない。これもまた面倒なんです。 #現社

2012-07-04 00:28:59
安見瑛 @Akira_Ei

「みんな20歳で結婚しましょう」って決まってたらわざわざ考える必要はない。でも今は自由だから考えなくてはならない。 ここで「自由になりたい!(個性への欲望)」と「みんな結婚してるしそろそろ結婚しようかな(大衆への同調)」という、矛盾する2つの考えが生まれることになります #現社

2012-07-04 00:32:05
安見瑛 @Akira_Ei

【余談】フロムは『自由からの逃走』のなかで、ナチズムの拡大の原因は「自由って大変だよねorz」にあると語っています。「自由って大変だな」「偉い人=ナチズム(外圧的権威)に従っておくって楽だよね(=心理的安定)」「偉いひとの言うこと守ろうず(権威主義)」ってな感じでした。 #現社

2012-07-04 00:36:42
安見瑛 @Akira_Ei

「大衆社会とはなにかをざっくりと(概要)」おわり。 文化消費と個性⇔大衆同調ね(超ざっくり)。 「大衆社会の語られ方(大衆社会論)」入りまーす #現社

2012-07-04 00:48:21
安見瑛 @Akira_Ei

大衆社会の語られ方。現代の(大衆による)社会問題の原因を、それぞれ ①人間の価値観(価値志向アプローチ。代表リースマン)  ②社会の仕組み(構造志向的アプローチ。代表フロム、ミルズ)  だと考えた人たちがいました。 #現社

2012-07-04 00:55:00
安見瑛 @Akira_Ei

なんか順番にやってたら語りたいところとズレてきたのでざっくりいく(白目) #現社

2012-07-04 00:55:50
安見瑛 @Akira_Ei

①社会問題の原因は人の考え方の変化にあるよ派(リースマン)。 「とりあえず身分制の慣習に従っておこうず(伝統志向型)」→「パパママが勉強して身分超えなさいって言った(内部指向型)」→「親より同輩のなかでウケるのが大事だよね(他人指向型)」って変わったんだってさ。 #現社

2012-07-05 23:51:03
安見瑛 @Akira_Ei

②社会問題の原因は社会の仕組みそのもののせいだよ派(ミルズ) 中央集権されてくなかで唯の平民1個人と超エリートに偏ってったよ。偏ってるから、凡人が集まっても無力と思ってしまう→「じゃあなにもしなくていいかな(無力感・無関心)」っていう思想が生まれてしまう・・・んだってさ #現社

2012-07-05 23:51:20
安見瑛 @Akira_Ei

この二つが現代社会を考える古典です。他には「マクドナルド化」や「合理化」や「官僚制」があります。ウェーバーさんは「合理化によって経済は資本主義、行政は官僚制になったよ。一端合理化したら非合理的な状況には戻らないよ(不可逆性)」と言いました。 #現社

2012-07-06 00:00:46
安見瑛 @Akira_Ei

マクドナルド化とは。簡単な作業、客が列に並ぶ(効率性)。どれだけ売れたかも数でパッと見てわかる(計算可能性)。どこでも同じ設備・同じマニュアルだから味も一緒(予測可能性)。並ぶライン作りや機械導入(制御)……こうして、超合理的なのを求めるのがマクドナルド化です(ざっくり) #現社

2012-07-06 00:06:45
安見瑛 @Akira_Ei

あと「ディズニー化」っていうのもあります。楽しい経験・特別な場所の演出(テーマ化)。抱き合わせ商法・キャラ商品(ハイブリッド消費・マーチャンダイジング)。笑顔を振りまき職場=劇場と考える(パフォーマティブ労働)。ルールが守れないならお帰り願います(管理)。ディズニーですね #現社

2012-07-06 00:15:08
安見瑛 @Akira_Ei

ディズニー王国はゴミ拾いを「夢のかけらを集めています」というこの一文がまんまパフォーマンスだとおもいますねマル #現社

2012-07-06 00:16:52
安見瑛 @Akira_Ei

「現実」の反対は「夢」「理想」「虚構」。高度経済成長期前は、生活の豊さという「理想」を追い、高度経済成長期には、電化製品に囲まれた幸せで近代的な核家族という「夢」を追った。高度経済成長期後は、人々は「虚構」に生き、日常を演出するという生き方を取った。 #現社

2012-07-06 00:25:34
安見瑛 @Akira_Ei

「アメリカ民主主義こそ理想!」「いやいや共産こそ理想!」「豊かな生活って理想だよね!」→「しあわせ家族を持つ夢」「電化製品があると幸せだわ夢みたい」→「ホンネでいえば家族って疲れる。でも、仲良い"家族"を演技しなくちゃ……」だよ。詳しくは見田宗介『社会学概論』をどうぞ。 #現社

2012-07-06 00:30:29
安見瑛 @Akira_Ei

で。これを踏まえて東浩規『動物化するポストモダン』入ります。 18C後半~20C半ばには、近代国家を成立・運営させるという責務があったんだ。人間の理性、理念、国民国家、生産成長など、人々が共同してみることが出来た「大きな物語」があったんです。 #現社

2012-07-06 00:35:53
安見瑛 @Akira_Ei

【余談】ロマン主義国家擬人化と「大きな物語(国民国家)」についてはまた機会があれば。 #現社

2012-07-06 00:42:41
安見瑛 @Akira_Ei

この「大きな物語」が終わったのが「虚構の時代」。1970年代以降、大きな物語を失った人たちは、自分なりの消費を行うことでアイデンティティを保とうとした「新人類」と、「オタク」、「現実へなかへの虚構への逃避」を行いました。この3番目の例としてはオウムが挙げられるそうです。 #現社

2012-07-06 00:46:58
安見瑛 @Akira_Ei

ここでいう「オタク」には、虚構重視、コピーがオリジナルと同価値を持つようになり、”物語消費”をする、という特徴があるそうです。 #現社

2012-07-06 00:55:50
安見瑛 @Akira_Ei

物語消費とは。今でいう考察厨。作品1つ1つから、その作品の背景やシリーズ全体について考える。エヴァンゲリオンの背景にある聖書の考察するよ的な。ダクソがアーサー王伝説を踏まえているよねと考える的な。これらは「大きな物語」を補おうとして出てきたものだそうです。 #現社 

2012-07-06 01:01:37
安見瑛 @Akira_Ei

(個人事)考察厨だと自認していたら実は研究対象になっていたという驚き。ついでに自称考察厨の僕としては「大きな物語がなくなったから考察厨になった」と言われてもそんな実感は全くありませぬ。ほかの新人類や逃避の方々には自覚があるのだろうか。若干気になるところではある。 #現社

2012-07-06 01:05:19
安見瑛 @Akira_Ei

あとコジューヴ(アメリカ)さんが言うには、日本には物語なんてないことを内心どこか分かっていても、それでもなおあえて裏設定を捏造する(スノビズム)があるそうです。 #現社

2012-07-06 01:09:16