-
tentama_go
- 263469
- 35
- 546
- 533

【お知らせ】来週の今日、7月6日(金)13:00から電子出版EXPOはトッパン・ブース内で、京極夏彦さん(小説家)唐木厚さん(講談社)と鼎談します。タイトルは『小説家、編集者視点での電子出版の展望』です。無料です。トッパン・ブースに是非お越しください!
2012-06-29 14:53:26登場人物
京極夏彦 作家
唐木厚 講談社運営責任者新事業プロジェクト部長 講談社ノベルス担当時代に京極夏彦の持ち込み原稿を受け取ったことで有名
紺野慎一 凸版印刷社員 講談社の本によくフォントディレクターとして名前がある。京極氏とは過去に「次世代DTPワークフロー 勝利の新システム」でも組んで仕事をしている
トークショー開始
唐木 「持ち込みの話を頂いたときは手書き原稿だと思って、半年か一年くらいかかるとお返事したのだが、綺麗に組んで印刷してあった
おかげで読みやすかったのと面白かったので一日で読んでしまった
その後の流れは皆さんご存知のとおり」

京極さん「電子書籍には無限の可能性があるが、今のところそれが生かされたためしはないので今の電子書籍は20点。魅力を感じない」言い切ったーw
2012-07-06 13:13:16電子出版EXPOは今年で第16回
紺野 「お二方は電子書籍は読みますか」
唐木 「漫画を読みます。漫画は巻数が多いと場所をとるし、古いものでも電子書籍なら手に入るので」
京極 「そもそも電子書籍って呼び方が嫌い。書籍というのは本であって電子書籍は本じゃない。
本は完成されたメディア。組版にしろフォントにしろ、本の形で読みやすいように努力され、今の形になっている。だから自分の書いたような重いものも多くの読者に読んでもらえる。
最近はそういう見せ方を気にしない編集もいるけど、本はメディアとして完成しているのでまあ、読めるし読んでもらえる。
それなのに電子書籍になると見せ方を考える人はほとんど居ない。
電子書籍には電子書籍の見せ方があるはず。本文に明朝体を使うのだって本のルールでしかないので電子書籍が守る必要は無い
とりあえずPDFにして出しましたなんてそんなのは電子出版ではない」
唐木 「最初はPCで読んでたけど辛くて、タブレットにしても目が疲れるので、今はSonyのReader(電子ペーパー端末)を使っている。良い感じ。
京極さんから見せ方という話があったがそれを一番知っているのは印刷会社さんであって、印刷会社が端末を出すべきだと思っていた。出すんですよね?」
紺野 「あちらに展示してあります。まだ触れませんが」

京極「本を形態を変えて出し直すときに編集、校正を加えないなんてことは無い。それなのに、電子書籍ではそれがまかり通っている。大きな間違い」
2012-07-06 13:24:39京極 「ノベルス、文庫となるときに必ず編集が目を通すし、著者校正も入るのに、電子版ではそれをやらない。自分の作品もやってもらえないところだったが、やらせてくださいと言って校正した。
文庫編集部があるのに電子書籍編集部が無いのはおかしい」
京極 「100年と言おうと思ったけど足りない気がしたので52付け足しました。」
唐木 「でも殆どの出版社はまだそうじゃない?」

唐木「紙の本に比べて電子書籍はコンテンツの最小規模が無いのでそこに可能性があると思っている」 京極「今のところ本にはアルバムばかりでシングルが無い。電子書籍ならシングルが出来る」
2012-07-06 13:27:08唐木 「紙の、単行本ありきの出版では、短編の得意な作家さんが力を発揮しきれない部分がある
こちらも出版ありきで考えるので、できれば連作で、とお願いしてしまう面がある
電子書籍なら短編1つからでも売れるから…」

京極「電子書籍を出したら本が売れないなんで都市伝説より馬鹿馬鹿しい。値付けも本と釣り合わせるのは間違っている」 紺野「個人的には紙と電子の値段が同じというのはおかしいと思っている」
2012-07-06 13:30:11紺野 「その点、『死ねばいいのに』では電子版同時発売、しかも思い切った値付けをされましたね」