中小企業のための銀行交渉力向上講座(入門) かけひきテクニック30①

税理士という立場で銀行との交渉力をしてきた経験から、中小企業における銀行交渉力アップ法をまとめてみます。第1章は中小企業でも自分でできる「銀行さんとのかけひき」で全30問30答を予定しています。 1.銀行借入(融資)とは 2.銀行融資(借入)について基礎から学びたいがどうすれば良いのか 3.まずは何をすればよいのか 4.どのような流れで融資を受けられるのか 続きを読む
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Ryota Matsunami @maznami

銀行との交渉力の高め方:①まずは「かけひきの仕方」を学ぶ→②次に「銀行の仕組み」を学ぶ→③最後に「体力を付けてどんな銀行でも貸したがる会社にする」。③→②→①の順で進められれば理想的ですが、実際問題この順でしか進めようが無いのが現実。

2012-07-07 08:40:17
Ryota Matsunami @maznami

【1.銀行借入(融資)とは】企業経営においてもっとも大切なのは資金繰りです。いくら利益が出たとしても、肝心な時に手元資金がなく、身動きできないような経営では仕方がありません。ところが、どんなに素晴らしいビジネスモデルを持っていても、日本国内で企業を経営する限り、(cont

2012-07-02 16:02:44
Ryota Matsunami @maznami

広く資本金をあつめてビジネスを行うことは、一部の上場企業を除いて難しいのが現実です。とくに中小企業において、上場のハードルは高く難しいのが現実です。しかし、企業経営を行うにあたっては、ビジネスサイズに応じて一定の資金が必要となることはいうまでもありません。(cont

2012-07-02 16:12:18
Ryota Matsunami @maznami

そのギャップを埋めているのが、銀行借入(融資)です。銀行が預金者から資金を集め、企業に貸付けるモデルを間接金融といいます。金融機関にビジネスモデルや決算書を提出・説明するのは、上場企業が株主総会で株主に対して説明し資金調達するのを、間接的に行っているだけのことなのです。

2012-07-02 16:23:31
Ryota Matsunami @maznami

銀行借入というと借金(しゃっきん)のイメージが強いのは理解できますし、そういった一面があるのも事実です。しかし、銀行からビジネスモデルの審査を受けた、資本金に代わる正当な資金であるということを意識することで、単なる「借金」ではないと考えると意識も変わってくるのではないでしょうか。

2012-07-02 16:39:17
Ryota Matsunami @maznami

【2.銀行融資(借入)について基礎から学びたいがどうすれば良いのか】結論から申し上げますと、わざわざ銀行融資(借入)について基礎から学ぶ必要はないと思います。その時間があるならば、むしろ、原理原則を抑えた上で実行し、「習うより慣れろ」を実感して頂きたいと思います。(cont

2012-07-02 17:06:14
Ryota Matsunami @maznami

私のような仕事をしていると、銀行に対して過度に「憶病」であったり、「敵対視」していたりする企業に巡り合うことがあります。しかし、このような態度は間違いです。銀行は私たち企業のパートナーであり、「対等な関係」を構築しようと努力する企業に好感を持ってくれるものなのです。(cont

2012-07-02 17:15:22
Ryota Matsunami @maznami

原理原則は、「借入(商品)の種類を知る」「銀行の種類と役割を知る」「銀行の組織を知る」「銀行への説明の仕方を知る」「銀行との関係構築の仕方を知る」の5つにまとめられます。どうでしょう?売上先や仕入先との取引となにも変わるところがないことがお分かり頂けますでしょうか。(cont

2012-07-02 17:31:33
Ryota Matsunami @maznami

つまり、銀行融資(借入)は座学で学ぶものではなく、情報を集め実践することによって、初めて意味を持つものなのです。逆に勉強したのに「勉強したけれどもこれは正論で、当社にあてはまらないのではないだろうか?」という疑問がわいてしまい、実行に移せない会社さえお見受けします。(cont

2012-07-02 17:45:36
Ryota Matsunami @maznami

それよりも、いくつもの企業を顧問先に持つ会計事務所から、「ほかの会社はどうしているのか」「当社にあった銀行はどこなのか」という情報を引き出して、実践してみることの方がいかに役に立つか、お分かりいただけますでしょうか?

2012-07-02 17:47:38
Ryota Matsunami @maznami

【3.まずは何をすればよいのか】①借入をしたことがない。②借入はあるがもっとうまくできないか。③銀行の態度が硬化している。と、いったように、どのような状況にあるのかによって、まず何をすべきかは異なります。①であれば、まずは誰かに銀行を紹介してもらう。(cont

2012-07-03 20:43:45
Ryota Matsunami @maznami

知り合いがいなければ、とりあえす商工会議所や会計事務所に相談してみて下さい。それさえなければ、日本公庫の国民生活事業部に連絡をしてみるのも一つだと思います。そして、借入を申し込んで見てください。借入初心者の方に、気を付けて頂きたいことが2点あります。(cont

2012-07-03 20:48:49
Ryota Matsunami @maznami

1点目は、銀行は普通預金口座を持っているだけの人を「取引のあるお客様」とは思っていないということ。たまに「サラリーマン時代ずっと給与振込口座に使っていた●●銀行なら話を聞いてくれると思うのですけど…」というかたをお見かけしますが、そういったことは99%ありません。

2012-07-03 20:51:31
Ryota Matsunami @maznami

訂正⇒銀行にとっては「借入をしてくれて」はじめて「お客様」なのです。同じ1,000万円を借りるとして、毎期、数百~千数百万円の利益を出している今まで無借金の会社と、利益は10分の1程度だがすでに2~300万円の借入がある会社、どちらが借りやすいと思いますか?答えは「後者」です。

2012-07-03 23:35:45
Ryota Matsunami @maznami

なので、まずは借入を申し込んで、「銀行と取引を始めること」これに尽きるのです。気を付けて頂きたい2点目は、「これを言ったら不利になるのではないか」ということを自分で勝手に決めて、変なところを隠し立てしないでもらいたいのです。考えてみてください。素人が何を隠しても(cont

2012-07-03 21:03:39
Ryota Matsunami @maznami

百戦錬磨の銀行さんに見抜けない可能性が低い。次に、隠し立てしたのが後で見つかったらどうなるか想像してみてください。「この人は都合の悪いことを隠す人」つまり「信用できない人」というレッテルを貼られことになります。これは最悪です。そんなリスクを冒すくらいなら、(cont

2012-07-03 21:07:21
Ryota Matsunami @maznami

包み隠さず全部話してしまって「まな板の上の鯉」になってしまうことをお勧めします。本当に応援したい、この人に貸したいということになれば、担当は良い解釈をしてくれるものです。コップの中の水をもう半部しかないと考えるか、まだ半分あるかはその人の考え方次第なのです。(cont

2012-07-03 21:10:08
Ryota Matsunami @maznami

②と③のケースの対応はほぼ同じです。おそらく、一行の銀行に借入が偏っているのではないでしょうか。違う銀行、できれば今取引している銀行とライバル関係にある銀行に声をかけてみて下さい。そして、その銀行の担当者に、今メイン銀行からどう見られているのか聞いてみて下さい。(cont

2012-07-03 21:16:18
Ryota Matsunami @maznami

そうすることによって、②や③といった状況に陥っているのが、たまたまメイン銀行のその支店が【冬の時代】を迎えているだけなのか、あるいはメイン銀行がタカをくくって足下を見ているだけなのか、はたまたメイン銀行の評価が正しいのか…が見えてくるようになります。あくまで対策はそれからです。

2012-07-03 22:06:38
Ryota Matsunami @maznami

この際も、やはり紹介が望ましいことはいうまでもありません。銀行は自分から「銀行を変えたいんだけど」という人を疑う習性があります。「借りたい人と言ってる人に貸さず、もういいよという人に貸したがる」のが銀行の特性です。ここを押さえておくだけでかなり交渉が上手くなります。(cont

2012-07-03 21:24:58
Ryota Matsunami @maznami

【4.どのような流れで融資を受けられるのか】手続き的なことで言えば、①申込み→②審査(+面談)→③契約→④実行(入金)という流れになります。実際は①の前に融資係との打合せが入るのが一般的です。感覚的には、融資係が会社に来てくれるか、支店(窓口)に来てくれと言われるかで、(cont

2012-07-06 17:30:26
Ryota Matsunami @maznami

後者の場合、7割くらいの確率で融資実行はないのではないかと思います。つまり、融資係に来てもらえるかどうかの時点で既に勝負が決まっているということです。もちろん、融資係に来てもらったからと言って、融資が下りるということではなく、スタート地点に立てるかどうかの問題です。(cont

2012-07-06 17:36:09
Ryota Matsunami @maznami

融資係との面談時には、初回取引であれば3期分、すでに取引があるならば直近の決算書をこの時点で用意しておきます。できれば3期分の推移を示したビジュアルデータを準備し、また、大づかみで結構ですので、推移の理由を説明できるようにしておきたいところです。

2012-07-06 19:51:59
Ryota Matsunami @maznami

あと、初回取引の場合には会社の登記簿謄本を請求されますね。

2012-07-06 19:57:48
Ryota Matsunami @maznami

ちなみに既に取引がある場合には、融資担当が来てくれないということはほとんどありません。続いて、融資担当との面談では、試算表をベースに概況を説明して、資金使途とざっくりとした融資希望額を伝えて、その感触をつかむという段取りになります。この時点で融資担当は審査をする訳ではないので、…

2012-07-06 17:40:25