『大空魔術』をタイトルとかいろいろ観ずに聴いてみたらしい。
- L_O_Nihilum
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身体がふわりと浮く。どんどん加速する。今は未来的な機械施設のなかにいる。歪む空間の先にむかえば、宇宙の神秘を歩いて回ることが出来る。
2012-07-06 23:49:21Tr.2:シルクハットを左手に、ステッキは右手に!いやあ、科学が開く技術の宴は最高だ!技術は人々を幸せにする、豊かにする、さらに便利な世界を築く!このビッグ・ベンが証明しているのだ!
2012-07-06 23:54:35Tr.3:『おいおい、今は何時なのだい?』加速する時計の針。あんまりにも高速で針が回転するものだから、表示されている数字のほうがぐちゃぐちゃになってしまったようだ。おや、今は正午?それとも零時?人々は工場のなかを右往左往する。
2012-07-06 23:57:38颯爽とした風とは、この時代では最早せわしい人々の形容である。急ぎ急がれ廻る人間たちはそそくさ木の葉に身を隠し、木々(機々)のなかで養分を生産する仕事に取り掛かる。そのために、的確な風路を街中に走らせた。
2012-07-06 23:59:27かくて、大地は無数の線路と無数の道路で網目状に取り巻かれた。地上を奔る無数の風。そのようすは、妖精たちにはとても斬新なようにみえたらしい。
2012-07-07 00:00:15Tr.4:さあ、冒険の始まりだ。子供たちは四方八方に散々する。ある少年は碧い星に、またある少女は橙色の星をめざし、縦横無尽に空間を駆け巡り出した。
2012-07-07 00:01:37宇宙空間では、如何なる方角へも自由に加速できる。コツを覚えた小さな生命たちは、一目散に己の目的とする(いや目的すら見分けのつかぬ)星々のほうへと駆け抜けている。
2012-07-07 00:02:53大量の流れ星が、彼ら一人一人をそれぞれの仕方で祝福する。いや、どこまでも速いスピードで駆け回るから、星のほうがおいてかれて尾を引いているだけなのだろうか。いずれにせよ、幻想的な風景を彼彼女らに提示していることには変わりはなかった。
2012-07-07 00:03:47星の光とは自然の根本元素の熱の力である。ゆえに渾沌としており、それぞれ一定しない。ゆえに非常に華麗な風景を醸し出す。それは、あたかも一つの大都会の風景を眺めている錯覚をも僕に興させるようであった。
2012-07-07 00:05:06Tr.5:子供たちは四散していった。今この位置には僕の身体しかいない。さて、どの方向についていってあげようかと考えていたその矢先。どこに地面があるわけでもないこの浮遊空間で、地震のような音が頭脳につんざく。
2012-07-07 00:06:24身体の奥底から痛みと熱気が増していく。身体がそのうち、なんらかのエネルギーの力に満たされる。内側から、身体の全てが押し出される感覚がする。いまにもマグマのように爆発しそうだ。
2012-07-07 00:07:11急速で何か近づいてくる!ゴゴゴという音が走ると、直ちに僕はそう思った。だから、僕は全力で逃げた。星の欠片を蹴って、いっきに聞こえてくる音の対角線の方へと加速し続けた。
2012-07-07 00:08:13あれ? …さっきまで1ケルビンの極寒なところにいたのに?あたりは本当に何もない白い空間。まさか、この光が僕を内側から痛めつけていた力なのだろうか? ・・・・誰かの声が、聞こえた気がした。
2012-07-07 00:09:56重力が無ければ水に浮いたような感覚になるはずだ。しかしこの感覚は水に浮いているのとはどうもちがう。どちらかといえば、一寸法師のように御椀の舟にのっているかのようだ。
2012-07-07 00:12:09御椀なら着地点があるからいい。しかしこの様子だとそんな着地点もない。そういえば僕は子供たちと一緒に宇宙に出たはずなのに。ここはどこだろう?
2012-07-07 00:12:55無数の光明。それは即ち、子供たちの願いのカタチだったんだ。だから、子供たちはそれぞれの色の星の光へと急いでいたんだ。そうだ。この冒険は宇宙への旅だけではない。僕らの夢を追いかける冒険なんだ!
2012-07-07 00:15:51