大阪維新の会が無条件ベーシックインカムをしない件

維新八策　産経新聞の記事

注目すべき点

【理念】
（５）社会保障制度改革
○若年層を含む現役世代を活性化させる社会保障

○負の所得税（努力に応じた所得）・ベーシックインカム（最低生活保障）的な考え方を導入＝課税後所得の一定額を最低生活保障とみなす＝この部分は新たな財源による給付ではない

【基本方針】

○自助、共助、公助の役割分担を明確化

○社会保障給付費の合理化・効率化

○（給付費の効率化には限界があるので）高負担社会に備えて（年金の）積み立て制度を導入

○失業対策、生活保護、年金などの社会保障を一元化＝生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正

【政策例】
＜生活保護＞

○現物支給中心の生活保護費

○現役世代は就労支援を含む自立支援策の実践の義務化

○有期性（一定期間で再審査）

指摘

まず、理念と基本方針が無条件ベーシックインカムのそれにかけ離れている。
そもそも、積立金とか無条件ベーシックインカムを実施する時に邪魔になります。取った金どうやってデポジットするの？って話です。

次、「現物支給中心の、最低生活保障制度を創設」とか、意味不明です。ベーシックインカムするなら真っ先に撤廃する必要のあるものです。無条件じゃなくてもね。

さらに、社会保障給付費の合理化・効率化とありますが、以前ベーシックインカムで期待されていたものは、給付費の合理化ではなく「運用費の合理化」です。

もう、この段階で化けの皮が剥がれています。

一言で言うと、理念と基本方針　に対する、具体的な政策例が矛盾している事。

もうね。ベーシックインカム導入を予定しているのに、年金保険料とって、就労を義務化して、生活保護を有期制にするとか、これ、明らかにベーシックインカムなんぞ、導入するつもりはないです。

むしろ、財界やベーシックインカムを否定していた、いわゆる、他人に「穴を掘って埋めさせるだけの作業」をさせる事が大好きな人たちの為の社会保障政策と言えるでしょう。

とりあえず、現物支給制度設置で官僚利権拡大させた後に、どうやってベーシックインカムに移行するつもりだ？バカじゃないのか？官僚機構を維持できる負の所得税でもやってろバカ。

総括

とりあえず、就労に失敗した現役世代や若年層を鞭で叩いて活性化とかすばらしいと思います。まあ、やればイインジャナイの？

彼らの社会保障における基本理念を政策分析から導き出すなら、まさに……。

恵んでやる社会保障であり、以前にツイットした

富の再分配を、養ってやっている。という文化から、富の再分配はインフラでしかないという文化に、変化させる必要がある。国の役目である富の再分配は、誰かのお目こぼしである限り、偏見と利権の源泉でしかないんだよ。

この理念の真逆の精神。つまり、偏見と利権の源泉にしかならない社会保障制度と言えるでしょう。

この維新の会と手を組む第三極とやらは、もはや第三極ではなく官僚機構、とくに旧自民党の流れを汲む政治家や財界人たちの別働隊でしかないでしょう。