作文教育とワープロ

glocomの豊福先生(教育工学などを習った私の恩師です)が、ワープロを活用した作文教育について興味深い一連のツイートをしていたので、まとめました。
教育 作文 ライティング 国語教育 ワープロ
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豊福先生(@stoyofuku)の指摘
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
中学生に何も指示せずワープロで文章構成させると、手書きとまったく同じやり方をすることが分かった(当たり前か)。書き出しを書いては消し、書いては消しで進まない。で、フォントや文字揃えに意識が向いてしまう。これでは、いつまでたっても書けるようにはならないね。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
その昔、ワープロで文章構成させる意義について熱く議論した事があったのだが、自在に要素を入替えて内容を整えるメリットを指摘すると、国語の先生曰く、「原稿用紙に文字を埋めるのが作文です」。この認識ギャップは超えがたかった。写経じゃないんだからさ。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
だいたい「思い通り書け」とか曖昧な指示をしておいて、最初からスラスラと完成文章を原稿用紙に書き下ろせる奴なんかいない。書かされる側が分からなくて困っているのは、構想から完成までの思考戦略なのに、「思った通り書け」指示で書けないのは本人の能力のなさに帰結されてしまう。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
手書き作文の作法が最悪なのは、着想・構成・整形をいっぺんにやらせるところ。おまけに、着想段階は思いつきのランダムメモで構わないのに、最初から時系列や並び順を気にし過ぎるので、ほとんど下書きと同じになってしまう。これでは焦点付けができない。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
ワープロを作文の着想・構成・整形のどの段階で導入するかによって、効果は大幅に変わってくる。僕は着想・構成段階で入れる事が最も効果が大きいと思っている。逆に、手書きを整形させるためだけにワープロを使わせるのはかえって逆効果だ。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
テクノロジーが書く行為を容易にしたとも言える。結果優位で考えるなら、高い成果を生み出す方法を身につける事が重要 RT @suttokodokkoy いずれにしろ手書きは,「書く」という行為の敷居を,テクノロジーが我々の手に届いた現代においては,相対的に高くしてしまっていますね
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
記事記述に関して分かってきた事をまとめると:(不本意ながら)作文と記事は違う事を強調する。作文と違って、記事は誰でも書ける。記事は手早く完成できる。記事は表現上手であることより、正確さの方が大切。(続く
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「書き出し文よりも骨組みを先に考える」まず、基本要素5W1H(全て揃わなくてもよい)を箇条書きにしてワープロに展開させる。ランダムメモで良いことを強調する。足りない要素は調べたり尋ねたりして補う。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「骨組みを補強する」ブログ記事は校外の閲覧者がいるので、関係者以外に分からない要素を指摘しては口頭説明させ、その場でメモに付け加えさせる。背景や理由などのかたまりができたら、簡単なタグをつけておく。まだこの段階では並び順や表現詳細の不具合には触れない。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)未分化な文章の補強は書き手一人では困難なので、複数の目で検討させた方が良い。最初期は指導者が積極的に関わって、生徒から口頭説明を引っ張り出しては、メモに定着させていく。文章を詳細化させるこのプロセスが決定的に重要。慣れれば友達同士や自分で出来るようになる。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「文章構成をカット&ペーストで」要素がほぼ出揃ったら、文章の組み立てをカット&ペーストを使って進めていく。まだ整形段階ではないので、余計だと思われる要素も消させないで全部残しておくことが重要。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「書き出しと結語は定型文で与える」記事本体が正確に記述できていることが最も重要で、書き出しと結語はおまけであることを強調する(書き出しで止まってしまう生徒が多いので)
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「もの足りなかったらプラスアルファ要素を考える」5W1Hだけではつまらないと思ったら、骨組みに取材感想・周囲状況・背景・うんちくなどの要素を加えていく。ただし、これは骨組みが完成してからやらないと混乱する。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「文章が自然な流れになっているか確認する」てにをは・誤字脱字修正、表現の微調整は要素が出揃ってから行う。途中段階で気付いても、後でまとめて直せば良いことを伝えておく(着想構成の思考に集中させるため)
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)「テーマとタイトルは違う」テーマをそのままタイトルにしても読んでもらえないことがある。読んでもらうには、興味を惹くような、分かりやすく、印象に残るタイトルを考える。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
承前)まあ、だいたいこんなところか。これを手早く45~60分で完成させる。小学生5~6年の文章量としては100字が最初の目標。
豊福晋平: TOYOFUKU Shimpei (GLOCOM) @stoyofuku
同意します。これは用途次第というところでしょうか。RT @mfuna 小説の依頼(ごくたまにある)に関してだけは、そのできそこないの作法の方が面白いものに仕上がりやすいように思っております。とはいえ、下調べは別途がっちりやった上での話ですけどね。
大橋さん(@oh_mitsukitei)の意見
大橋崇行 @oh_mitsukitei
@nycity1022 状況によるなあ。PC可にすると、ネットからのコピペが大量生産されるから。手で書かせても、下書きをネットでしてきたりするんですがね。ただ、「考えたことを自由に書きなさい」はやらないですよ(^^;)最初の段階で、とりあえず文章を書き慣れる練習はするけど。
大橋崇行 @oh_mitsukitei
@nycity1022 ウチの学校はライティングセンター(WC)を置いてるから、敢えて構想用の時間を1時間とってメモ書き、終わらなかったらWCに行って相談、別に清書の時間をとります。ただPCは授業で使えないときが多いから、打ち込みだと宿題になる感じ。それはちょっとかわいそう。
大橋崇行 @oh_mitsukitei
@nycity1022 学年修了レポートを課したりとか、長い課題ならPCしかないけどね。ただ、分からない漢字を調べさせて書かせたり、言葉が出てこないときにネットではなく辞書を使わせる目的もあるので(生徒はネットだと間違った情報に飛びつきますから)。手書きは単なる写経ではないです。
大橋崇行 @oh_mitsukitei
@nycity1022 ちなみにWCはアメリカの大学にある作文教育の方法で、校正とか添削はしないで、ブレストと構成の相談だけを1対1の対話式で受け付ける場所です。最近は日本でも設置する大学増えたけど、高校では珍しいですね。
私(@nycity1022)の意見
Naohiko Yamaguchi @nycity1022
今日の作った私のまとめが、えらい閲覧数伸びてる…あの伊藤剛先生もふぁぼっておる…あわわ。 @oh_mitsukitei さんからも詳細な意見を頂いたし、このまま投げっぱなしは申し訳ないので、私の意見も書こう。  作文教育とワープロ http://t.co/00l8w17k
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コメント

さとり @zgmf_x13a 2012年7月12日
あーとても分かります。小学生の息子には、書き始める前に誘導尋問してそれを箇条書きでメモを取らせてます。あとは書くべき順番に本人に番号を振らせて、そこから初めて作文させます。
Naohiko Yamaguchi @nycity1022 2012年7月12日
大橋さんと私のコメントを追加しました。
我が生涯に一片のマトリョーシカ @nekocatslap 2012年7月12日
私は小中高大では、読書や旅行の感想文、ビジネス書を参考書で出された位でした。アイデアや構成を単語群として羅列するのは手書きの方が速いとは思います。報告は、意見がまとまった段階でどのように書くかが問題なので、調べ方がまず必要だと思います。コツやポイントは数多ありますが、最初は十分に情報を集めて整理することからではありませんかね。
憑かれた大学隠棲:再稼働リプレイスに一俵 @lm700j 2012年7月13日
書きたいことをカードに書いて、さらにそれを並べ直してから清書というやり方だったなあ<小学校
BugbearR @BugbearR 2012年7月13日
子供の頃、「ぼくは」と原稿用紙に書いて、以降はそのまま白紙で出し続けました。何書いていいのかよくわかんなかったから。電子掲示板で自分の好きな様に書いていいのだとわかって、さらにゆっくり推敲すればいいのだとわかってからは楽だったなぁ。
Kei @dzx37 2012年7月14日
未だにワープロを清書機だと思っている人もいる。アウトラインプロセッサの使い方を教えるといいかもしれないが、それでは日本語教育ではなくPC操作講習になってしまうかも。
Tsuyoshi CHO @tsuyoshi_cho 2012年7月14日
dzx37 でもそういう構造の検討とか文章ルールの勉強も必要かなとも思いますね。 http://blogs.bizmakoto.jp/kaimai_mizuhiro/ とか参考にさせてもらったりしています
Yoshifumi Murakami 『語学教師のためのVR入門』発売中! @Midogonpapa 2012年7月15日
大変参考になる記事ですね。ちなみにコピペ問題は「編集履歴」で簡単に解決できますよ。 http://mongolia.seesaa.net/article/275033229.html
超絶怒涛大魔王リケリケ @Rike_rike 2013年3月15日
自由に書く→構成を考えつつ校正するっていう流れは小学校高学年〜中学生にならないと教わらなかった気がするな。うちの場合だと
online_cheker(舶匝(はくそう)) @online_checker 2015年8月31日
手書きと機械との使い分けは正直言って、自分にとっての難題。
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