ハイデッガー Heidegger 技術論・ニーチェ論

ハイデガーをめぐるツイートのまとめ。二部構成。①部は、ハイデガーの技術論をめぐる國分氏と齋藤氏の対話を中心に。②部は、ハイデガーのニーチェ論を中心にしたもの。ユンガー『労働者』が上梓され、『技術への問い』は平凡社ライブラリーより11月に刊行。
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①ハイデガーの技術論(&原子力批判)

技術への問い

マルティン ハイデッガー

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

中沢新一さんも原発に何を対置するのかが我々はまだ分かっていないと言ってた。彼もそれを探しているのだろう。俺も探している。俺にとってのヒントはハイデッガーであり、ハイデッガーが注目していたイオニアの自然哲学、そしてフュシス(自然)の概念だ。こう書くと大袈裟に聞こえるかもしれないが。

2012-07-09 02:14:10
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

しかし勤務校の哲学入門の授業では、ソクラテス以前の哲学者を解説しつつ、原発の話(まぁ、広くは技術論だけど)をするという離れ業をやり、しかも二〇〇人を超える学生がきちんとそれを聞いてくれた。こういうところに希望があるよ。だって経済学部の学生がアナクシマンドロスに興奮するんだ。

2012-07-09 02:15:33
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

アナクシマンドロスってどんな顔だったのかなぁ。

2012-07-09 02:15:58
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

でもハイデッガー自身、原子力時代について考察しながら、ソクラテス以前の哲学者を論じたりするわけだから、全然的外れな講義じゃないよね。ヘラクレイトスと原発が同じ本に出てくるわけですよ、ハイデッガーの場合。

2012-07-09 02:17:23
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

しかしハイデッガーの予言はだいたいあたってますからね。もちろん、冷静に考えれば誰にでも分かったことかもしれないとも言える。とはいえ、冷静になれないんだ、人間は。哲学という後ろ盾があったからこそ、ハイデッガーは冷静でいられた。で、「放下」とかわけわからん言葉を論じられた。

2012-07-09 02:20:15
Motoki Saito @eksistenz

@lethal_notion はじめまして。ハイデガーの予言が当たったのは、彼が技術というものに対する批判的観点を実に『存在と時間』以前からいち早く準備していたからだと思います。さらに彼の原子力批判は、哲学という後ろ盾などないという認識とパラレル。だからこそ冷静=放下に思えます。

2012-07-09 02:31:29
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@eksistenz おっしゃる通りだと思います。つまり技術論は彼が取り組んだ分野の一つではなくて、その根幹にあるものだと思うんです。冷静=放下、これ重要ですね。そういえば、中国からの留学生より、中国語では「放下」は我執を捨てるという意味だと聞きました。

2012-07-09 02:34:23
Motoki Saito @eksistenz

@lethal_notion そうですね。彼の存在論そのものが技術論と言えそうです。哲学ならびに学問や科学そのものへの不信がどこまで妥当かは別にしても、哲学を捨ててなおそこに彼が立ち上げた技術批判の意味は極めて重いと言わざるを得ませんね。西洋哲学全体の批判の帰趨という意味でも。

2012-07-09 02:40:16
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@eksistenz ハイデッガーの技術論については沢山研究もありますが、もう少し間口の広い形で紹介されてもいいかなと思っています。実際、現実を考える上でヒントをもらえることがとても多いです。そして彼の存在論とそれが接続するとこの上ない知的刺激がありますね。

2012-07-09 02:46:17
Motoki Saito @eksistenz

@lethal_notion おっしゃる通りですね。ハイデガー研究者の端くれとして、叱咤激励いただいたものと受けとめています(笑)。しばしば國分さんも触れているとおり、アナクシマンドロスはじめフォアゾクラティカーなどとハイデガーとの思想的連関も、もっと注目されて然るべきですね。

2012-07-09 02:50:15
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@eksistenz すみません、いまはじめて齋藤元紀さんと認識いたしました。『存在の解釈学』まだ拝読できずにおります。夏休みに是非とも取り組みたいと思っております。今晩はこうしてお話させていただけて光栄です。今後ともよろしくお願いします。

2012-07-09 02:56:46
Eguchi @__eguchi

@lethal_notion それでは(笑)ハイデガーは技術に対して殆ど絶望的で「あとは神のようなものを待つだけだ」と晩年にいってますが技術の「せきたて」に関してどうお考えになりますか?ハイデガーのように何か「ただ待つだけ」だとお感じになりますか?我々は何かができるのでしょうか?

2012-07-09 02:56:26
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@boomallendog せっかく絡んでいただいたのに、そんな難しい問題だと応えられません…。すみません。しかし待つのは必要です。そしてドゥルーズが言うように、準備しながら待たないといけません。それについては今月25日発売の『思想』掲載ドゥルーズ論で論じております……と宣伝。

2012-07-09 03:00:00
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@boomallendog 少し考えました。「神のようなもの」という言葉を僕だったら「不法侵入」とドゥルーズの言葉で言います。確かにそれは待つしかないんです。ただハイデッガーはちょっと言い方が大げさなのではないかという気がします。基本的にはとても同意なのですが。

2012-07-09 03:04:38
Eguchi @__eguchi

@lethal_notion そうですね。ぜひ拝読させて戴きたい。ハイデガーは普通に読んだら「人間にはもうできることはない」「技術には触れることはできない」というようなペシミスティックな話にしかなりません。とても困難な難しい問題ですね。それでも何らかのアクションを起こさなければ。

2012-07-09 03:06:08
KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@boomallendog そのペシミズムは分からないことはないです。そしてドゥルーズもオプティミズムみたいに言われていますが、ハイデッガー的ペシミズムの寸前のところにいると思うんです。今僕としては放下の概念に強い関心があります。あれはほとんどドゥルーズ哲学ではないでしょうか。

2012-07-09 03:09:10

ここからはユンガーの話題

Sophia0224 @sophia0027

なるほど、言語への疑義という観点からユンガー、ハイデガーに至る系譜もあるかもしれません。面白い見方です。ユンガーの『母音頌』の場合はまさしく「茸のように溶けていく感覚」に近いですね。RT @atoreides 特にユンガーの詩論『母音頌』における、野戦病院で負傷兵た

2012-07-09 23:59:21
アトレイデス @atoreides

『チャンドス卿の手紙』も『母音頌』も、『存在と時間』第三十五節も、それぞれに人間と言葉との関係性の問い直しがラディカルに行われてきて、こうした契機を底辺に孕んでいた「保守革命」とは何なのか、と思わせられるものありますね。  RT @sophia0027:ユンガーの『母音頌』

2012-07-10 21:07:22
hhasegawa @hhasegawa

ハイデガーの技術論を読むとき確実に媒介となっているユンガーの再検討は不可欠と思われ、先日の報告もそこに一石を投ずる意図がありました。もちろんあれは端緒に過ぎないし、端緒にしても成功だとは思いませんが。 http://t.co/4ML6g1xB

2012-07-12 23:05:56
hhasegawa @hhasegawa

(承前)ハイデガー全集90巻『エルンスト・ユンガーに』が2004年、往復書簡が2008年の公刊と、ようやく両者の共感と対決を論ずる基盤ができつつあり、今後の焦点の一つとしていきたいと思っております。 http://t.co/l9CGRJsF

2012-07-12 23:06:28
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