【07/14】テーマ:ゼリー【#同題ssTB】
「随分おいしそうなもの食べてるじゃないですか」僅かに揺れてスプーンの上の冷たいオレンジ色が、俺の舌の上に乗る「あっちいからな、冷たくてうめ、」すべて言い終える前に、バーナビーが開いた口の中に舌を差し入れてくるものだから、あっという間にぬるくなってしまった<ゼリー> #同題ssTB
2012-07-16 08:59:34「朝ですか…あんまり食欲ないんですよね」「そうそう、俺は朝食わないとだめなんだけど、こいつは全然。泊りの時、あっ、仕事でね、そういう時もヨーグルトとか苺とか…ゼリーとかだよな?」「ちょっと、ゼリーは食べません、使うもので」「…食べるものだよ!」(NG)<ゼリー> #同題ssTB
2012-07-16 08:16:15「これ、新しく発売予定のバディゼリーだそうです」「何だよ、その変なネーミング…」「あ、因みに食べ物じゃないみたいですよ?」「…?」「今夜、試してみますか?」「えっ?」「お泊り決定ですね♪」【ゼリー】 #同題ssTB
2012-07-15 22:36:14またこんなものばっか冷蔵庫で冷やして!と、扉を開けて買ってきたものを突っ込みながら開口一番彼が言う。栄養素もエネルギーもちゃんと摂取できますし、30秒で済むし何が悪いんです?…でも今日はそんな僕のためにご馳走してくれるんでしょう? <ゼリー> #同題ssTB
2012-07-15 18:02:51仄かな興奮、伝わったんだろう技師が笑いながら濡れた袖を治す「有難うございます」「安心して、大丈夫ですよ」心の底から安堵する ゼリーの中眠る彼を見て。ドアが大きく開いてベッドが運び込まれた、看護士がナースコールをチェックする「必要な物があったらこれで」/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 15:37:14「正しくはきちんと組織が生きてるかを調べると言ったほうがいいんです、たとえば」虎徹さんが浮かぶゼリーの海に器具ごと腕を突っ込む、肌の上でゼリー越しに光が瞬く「ほら」あげた濡れた手に持つ小さな計器の画面「糖分が消費されてる、細胞が生きてる証拠です」/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 15:26:48「貴方の足も診ましょう」発動が切れた僕に声をかける「貴方も日系?」「そうです、医療関係者には多いですからね」てきぱきと検分し器具を当てる先端からちかちか明かりが灯った「これ・・」「レーザーで殺菌と回復具合を検査するんです」元は糖度を計る技術だと笑った/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 15:09:21ゼリーの海から出ているチューブが繋がれた腕に触れ発動する、続いて虎徹さんが発動する、眠り続けたまま。ナースが入ってきた病室に戻る頃合だ、だが技師が短く「いいから」と頷いた「貴方のベッドを用意させましょう」彼の心遣いに感謝する、離れたく無い少しでも/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 15:02:55眼鏡がないせいかと思ったが、違う。虎徹さんが融けかけている。体の輪郭はほとんど透明だ。淡く光が透けている。起きてください! ゆすると表面がぷるんと波立つ。大丈夫、そう言ってまた眠ってしまう。昼過ぎには元に戻ったが、肩のあたりに僕の手形が残っている。/ゼリー あわ #同題ssTB
2012-07-15 13:55:42不意に握り潰されたチューブから、緩く組んだ脚に座らせた腰骨へ零れたゼリー。……本当に加減のできない人だな。だっ、おまえがいきなり……何だこれハッカ? 白い大腿を透明ごとなぞる手の微かな刺激。バニーが溶け出したらきっとこんなだよな、薄緑でピリピリすんの。 <ゼリー> #同題ssTB
2012-07-15 13:33:07「ん」熱にかすむ僕の目の前に差し出されたひとさじのゼリー。浮かされた頭は何も考えられず、反射的に口を開いた。つるりと流れ込む甘露に熱を吸われる。嚥下すると、あなたの笑顔。「おくすり飲めたな」<ゼリー> #同題ssTB
2012-07-15 08:22:57ゼリーフィッシュベビー、放射線に冒された母体から産まれる、体を上手く作れなかった不幸な子供。世界は今日もこの人に優しくない。テレビの前で耐えがたいほど哀しげな顔をする主人に、ジョンはそっと寄り添う。全てを救うことは誰にも出来ないけれど、この人だけは。【ゼリー】#同題ssTB
2012-07-15 06:17:42虎兎>容器の形を保ってたのはほんの一瞬前まで。今は潤滑剤代わりにされて彼の指と共に僕の中を濡らす。蜂蜜味のそれは甘い香を漂わせ鼻腔に侵入して僕から判断力を奪った。そんな所舐められたくないのにざらついた舌が襞をなぞって身体中の筋肉を笑わせる。「旨いなバニー」<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 06:00:06「折紙にどこのメーカーのがいいか訊かれたんだが俺は硬化しちまえばあまり気にならないからな。あいつ真っ赤になっちまって辛そうだし。お前んちにはあるんじゃないか、軟膏とかゼリーとか」「えっ!?おっお前なに言って」「なにって痒み止めだが。湿疹に効くやつ」<ゼリー> #同題ssTB
2012-07-15 04:16:03またこいつのトラウマを刺激するような真似しちまったかと一応の反省はしてみるものの、きっとまたやるだろうとも思ってる。悪ぃなバニー。この性分だけは一生変えられないし、変える気もねぇんだわ。だからお前もいい加減、諦めろ。「一口ぐらい食わせろよ」「知りません!」<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 03:14:35「俺、結構その安っぽい味が気に入ってんだけど」たいして美味いもんじゃないが、時々無性に食べたくなる。「なぁ、バニー?」だからといってワザと怪我してる訳じゃねぇんだぜと言ったところで無駄か。「ゼリーなら僕がいくらだって買ってきます。だからもう…」<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 03:13:44昔だったら罵声の一つや二つ、飛んできそうなものだが最近はすっかり大人しくなったもんで文句は言ってもそれだけだ。「こら、何食ってんだよ」「ゼリーですが何か?」「俺のじゃねぇか」「あぁそうですね」素知らぬ顔でメロン味のゼリーが瞬く間になくなっていく。<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 03:13:32「僕がどれだけ心配したか判ってるんですか!」おいおい、お前だってヒーローなんだからそう簡単に人前で泣き顔晒すんじゃねぇよ。まぁ俺以外誰も見てねぇけどさ。「しょうがねぇだろ?助けるべき人間が目の前にいたら、どんなことをしても助ける。それがヒーローだ」<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 03:13:19そんなでっけぇ声で怒鳴らなくても聞こえるってぇの。それにしてもカップ三つにゼリーとなると今回は流動食コースか。内蔵までイッた感じだったから仕方ねぇなと諦めつつもしばらく続く味気ない食事に溜息が漏れた。「何ですか?」「暫く味気ねぇ飯だなぁって」<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 03:13:05いつもの天井いつもの部屋。そしてお決まりの緑色のゼリー。NEXTを収容できる病院なんて限りがあるから定番尽くしも当たり前で。「虎徹さん」見上げれば酷い顔をした相棒と目があった。「よう」「ようじゃありません!貴方っていう人はどうして無茶ばかりするんですか!」<ゼリー>#同題ssTB
2012-07-15 03:12:51目の前に置かれたカクテルグラスの中身は、苺色のきらきらしたクラッシュゼリーにシャンパンを注いだものだった。こちらのお客様からです、とマスターが示したのは僕の隣。「おまえみたいな色だろ」と笑う貴方ごと飲み干してしまいたい。ねえ、覚悟はいいですか。/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 02:10:22啜って、飲み込んで、塗りたくって。それだけじゃ満足出来なくなったから、誰にも見せたことの無い窄まりでしめつけて中に導いて。打ち上げても着く床の無いゼリー状の花火。/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 01:57:06薄桃の色彩が酷く安っぽい、ゼリー状の潤滑剤。そんなものが自分の体を這うなんて、普段なら許しはしないのに。けれど今、僕は息を殺し、皮膚上で蠢く指を見ている。骨張って固い指。それが、ぬるつく液体を全体に纏わせ、僕の中に押し入ろうとするのを、見つめている。<ゼリー> #同題ssTB
2012-07-15 01:55:39「あ、あ、すっげー濃い…これじゃまるで、」キスで貪って言葉を遮る。どうせ下品なこと言うから。胸の下で手が這い回る濡れた感触、塗り広げられてる。密着した箇所がぬちゃりと粘って、再び掻き立てられた。ああ、僕らこれじゃあ仕舞いにはゼリープディングになってしまう。/ゼリー #同題ssTB
2012-07-15 01:52:09お前は誰にでも優しい。だから俺には酷くして。ぐちゃぐちゃにして、跡形も残らずに、砕いちゃって。スプーンでゼリーを掻き回すみたいに。そんくらいの気軽さで、何でもないことみたいに、さ。そうしたら俺は忘れない。きっと、お前も。……俺だけが特別でいてくれる。<ゼリー> #同題ssTB
2012-07-15 01:45:44