かおるさとーさんの『氷菓』#12 解説

かおるさとー @kaoru_sato

『氷菓』１２話を観て気づいたことをいくつか。

かおるさとー @kaoru_sato

季節は夏から秋へ。放送も２クール目に突入し、いよいよ文化祭が始まります。部活動の盛んな神山高校において、このイベントはちょっと他の高校ではありえないほどの盛り上がりを見せます。３日間のお祭りに、我らが古典部も文集販売という形で参加することになるのですが、思わぬトラブルが……

かおるさとー @kaoru_sato

今回から始まる『クドリャフカの順番』は、これまでの話とは少し違います。これまでは奉太郎の視点を主軸に置いて話が進められてきましたが、今回は奉太郎だけではなく、他の３人の視点も追いかけることになります。

かおるさとー @kaoru_sato

それでは内容に入っていきます。まずは冒頭。千反田さんが夜道を歩いています。１人では危なそうですけど、近所のようですし、慣れているみたいですね。近くの神社までお参りに行きます。

かおるさとー @kaoru_sato

同じ頃、摩耶花はすでにベッドに入っていましたが、どうにも眠れない様子。少女漫画が棚に並んでいます。壁にはポスター。好きなんでしょうね。さすが漫研部員です。ベッドから抜け出して、何かの薬を飲みますが、睡眠薬か何かでしょうか。緊張しているみたいです。

かおるさとー @kaoru_sato

さらに、同じ頃、里志はベッドにうつぶせになりながら、パンフレットをチェックしていました。文化祭で行われる各イベントに参加する気満々です。あらゆることに首を突っ込んで楽しむことができる彼にとって、神高の文化祭は一種のテーマパークみたいなものなのかもしれませんね。

かおるさとー @kaoru_sato

そして、同じ頃。奉太郎は自宅のＰＣ前にいました。なんとなくといった態で神山高校のホームページを閲覧していますが、ページが文化祭仕様になっています。視聴者にもわかりやすく、あと１日で文化祭が始まることが表示されています。

かおるさとー @kaoru_sato

４人の場面が独立して描かれることはこれまでほとんどありませんでした。４話のラストで千反田さんが疑問を抱くシーンくらいでしょうか。里志も摩耶花も、奉太郎のいないところで何をしているのかはまったく描かれてきませんでした。基本的に、話は奉太郎目線で進んでいたのです。

かおるさとー @kaoru_sato

（あ、女帝が裏でいろいろやってはいましたけど）

かおるさとー @kaoru_sato

（あの方は古典部ではないので）

かおるさとー @kaoru_sato

４人の場面がそれぞれ描かれることで、より広い世界を感じさせます。奉太郎が、千反田さんが、里志が、摩耶花が、それぞれ見ている世界は、どれも違いますから、それらの世界が、ときに交差し、ときに絡み合うことで、今回の話は組み立てられていきます。

かおるさとー @kaoru_sato

ＯＰはありません。Ａパートは奉太郎の自宅から始まります。供恵姉さんに古典部内で何かトラブルがあったことを勘付かれます。彼女は伝統だと言ってましたが、本当でしょうか。供恵姉さんなら、自分からトラブルを引き起こしそうな気がしますけど。

かおるさとー @kaoru_sato

ペン先の割れたインク切れの万年筆を押し付けられる奉太郎。放り捨てずにポケットに入れるあたり、奉太郎も律儀というかなんというか。いえ、姉に逆らってもろくなことにならないとあきらめているだけかもしれません。捨てたら呪われそうだとか考えてそうです。果たしてご利益ありますでしょうか。

かおるさとー @kaoru_sato

奉太郎と違い、里志はいつにもまして楽しそうです。「楽しそうだな」といつものやり取り。何でも楽しめる里志が、文化祭を楽しめないわけがないのですけど、これはどちらかというと、奉太郎が楽しめなさすぎるのかもしれませんね。休んでいいなら普通に休んでしまいそうな折木奉太郎です。

かおるさとー @kaoru_sato

摩耶花のコスプ……装いは、『１１人いる！』のフロル。このキャラの装いをする女子高生が、日本に果たして何人いるものでしょうか。４０年近くも前の作品からのチョイスは、古典部にはふさわしいかもしれませんね。相当な漫画好きです。いや、ホントに。

かおるさとー @kaoru_sato

ちょっと恥ずかしそうにしているところが摩耶花らしいです。「カタギさんの前で、その用語は使わないで」って、そこまで言いますか。

かおるさとー @kaoru_sato

摩耶花の表情は昨夜からずっと晴れません。どうやら古典部内で起こったトラブルに関係しているようです。奉太郎が「お前が気にし続けると、里志はともかく、千反田まで気にせざるを得なくなる」と発言していますが、これは彼なりの励ましなのかも。

かおるさとー @kaoru_sato

部室に積み上げられた本の山。手違いで３０部→２００部に膨れ上がってしまった文集「氷菓」です。手違いとはいえ、出来上がってしまったものは仕方ありません。どうにかして売らなければ大赤字必至。そこで４人は販売促進のための案を練ります。特に千反田さんは気合いが入っています。

かおるさとー @kaoru_sato

（部長としての責任だけじゃなく、責任を感じている摩耶花のために、という思いもあるかもしれません。大切な友達ですから）

かおるさとー @kaoru_sato

（ところで里志のあの恰好は何なんでしょう……？　手芸部じゃなくて、天文部で作った可能性があります。奉太郎たちと一旦別れる際、天文部の部室がある方向に向かってましたから。中に電池が入っている辺り、光ったり音出たりするんでしょうか。謎です）

かおるさとー @kaoru_sato

役割分担は千反田さんが「売場拡張のための交渉」、里志が「宣伝活動」です。摩耶花は漫研の活動もあるので、古典部にばかり顔を出せません。一番責任を感じている彼女が、一番動けない立場にあるというのは皮肉な話です。そして奉太郎は「店番」。省エネにはうってつけ？

かおるさとー @kaoru_sato

真面目に店番をする気があるのかは、怪しいものですが。

かおるさとー @kaoru_sato

開会式。４人はクラスが違うので座る場所も別々なのですけど、古典部以外にもきちんと交友関係があることがわかります。里志の恰好にはもう突っ込みませんが、奉太郎、せっかくクラスメイトが話しかけているのに無愛想な……。生徒会長・陸山宗芳さんの宣言で、神山高校文化祭が始まります。

かおるさとー @kaoru_sato

ブレイクダンスに千反田さんおおはしゃぎ。しかし今は楽しんでいる場合ではありません。売場拡張の交渉のために会議室へ。ところがさすがといいますか、いろんなものに気をとられてしまい、なかなか辿り着けません。途中で書道部の勧誘に引っかかります。達筆……ではありませんが、闊達な字ですね。

かおるさとー @kaoru_sato

いけません、と自分に言い聞かせながらも、今度は百人一首部の催しに興味を惹かれます。誘われるままに千反田さんも参加。素人とは思えない速さに観客もどよめきます。千反田さん、どうしてそういう動きができて、普段はあんなにトロ……。いやいや、おっとりしているんでしょう。